ロアルドダールのレビュー一覧
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プレイボーイに掲載されていたというロアルド・ダールのエロティック・ショート・ストーリー集。稀代の漁色家、オズワルド叔父さんの性遍歴「来訪者(The Visitor)」、お互いの妻を交換して楽しもうと企む「夫婦交換大作戦(The Great Swicheroo)」、未亡人が旅先で初恋の男と再会してコトに及ぶ「やり残したこと(The Last Act)」、人騒がせな媚薬をめぐってオズワルド叔父さんが再登場する「雌犬(Bitch)」の4編を収める。
いずれも言うほどはエロくはなく、艶笑譚といった感じ。ダールらしい皮肉は効いているが、ヒネリはまあよくあるレベルで、ゾッとするような不気味さはほとんどない。まあ、週刊誌読者相手の手遊びといったところか。
オズワルド叔父さんのホラ話っぷりが小気味よく「セルボーン博物誌」も読みたくなった。 -
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『狂信的な養蜂家、浮気を隠蔽する妻、骨董品をだまし取ろうとする偽神父などなど、一癖ある登場人物に訪れる皮肉で残酷な結末! ブラックユーモアたっぷりで贈る、傑作短編集』
ロアルド・ダールと言えば代表作の「チョコレート工場の秘密」の他、「マチルダは小さな大天才」や「おばけ桃の冒険」など、映画の原作にもなった名作を多数生み出した、いわば児童文学の巨匠とも言える存在です。彼の描く作品は、勇気と知恵を持った子供たちが生き生きと描かれており、頭の固い大人たちへの痛烈な皮肉が魅力でした。
本書はその皮肉を全面に出した、"黒"ダールを存分に味わえる作品集です。ゾッとする悲劇や、ニヤニヤ笑える喜劇など、児童文学では味わえなかったブラックな笑いがてんこ盛りです。 -
Posted by ブクログ
作者であるロアルド・ダールは、「チャーリーとチョコレート工場」など児童文学の作家だと思っていた。
表紙にイラストの描かれたこの本を読み始めた時、シニカルな笑い(正直笑えないのだが)に驚いた。
確かに映画の「チャーリー・・・」は、子供じみてエキセントリックな感じのするオーナーのワンカさんが強烈に印象に残ってはいるけれど、小説自体もおもしろく、子ども達にずいぶん人気のようだ。
それと比較すると、辛口。
こずるい人や嫉妬深い人。儲け話に躍起になる人。
他人を疑うあまり、その感情に絡め取られ、自滅の道を突き進む人。
それらが乾いた調子で描かれている。
ざらついた後味が残る短編集。
読んでいるときから、眉をひそめてしまうような出来事があれこれ起こる。
訳の妙味というか、どこか外国の生活感が漂っていて、第三者の目線で読んでいけるのがありがたいとすら思う。
ドッグレースでひと稼ぎしようと企む男たちが仕組んだ悪巧みとその周りにいる抜け目のない男たちとの駆け引きとその顛末を描いた、第4話『クロードの犬』。日々の生活の中で出くわす悪意に気づいても、ふたをすることへのためらいのなさ。
植物と話す術を身につけたと信じる男が周りの人たちとの間に巻き起こす出来事を書いた、第1話『サウンドマシン』
今、ちょうど読んでいる梨木香歩さんの『家守奇譚』の善良な登場人物とはずいぶん造詣が違っている。
日本の風土や歴史など、思考の土台となっているものからすると、『家守』の方がなじみやすい。そう思うのは私だけではないと思うけど。
ちょっと困った人たちに対するストーリーは、落語のように、「おまえらほんとに困ったヤツだね。おれもその一人だけどさ」というのが、聴き手も含めて根底にあり、その困ったところを笑いながらも、滋味のある語りで全部まとめてOKを出してくれるから、じんわりしたり元気になったり。そういうどちらかというと、救いのあるオチを求めてしまうのかも。
一見「うわー、ヒドイ!」と思いながらも、いや待て、この毒がもう少し薄まったら、似たようなこと、あるんじゃない?。
私から見たあなたとばかり思って読んだが、『あなたに似た人』とは、あなたから見た私のことなのではないか?はたと気づいて、自分の中のブラックな一面の存在に、ドキッとした。 -
Posted by ブクログ
ずいぶん前に読みかけたまま放っておいたので、前半部分はほぼ内容を忘れてしまった。
それでも、最初の3編(「味」「おとなしい兇器」「南から来た男」)はその饒舌な語り口とともに、なんとなくその内容を覚えている。特に「南から来た男」はその上手さに舌を巻き、なんとまぁ恐ろしい話だろう、と思うと同時になぜだか愉快になった記憶がある。
対して、中盤あたりに収録されている話はどうにも印象が薄く、語り口だけで引っ張っていたような気がする。
ダールの語りは上手い。しかしそれはいわゆる、淡々とした、いろいろなものをそぎ落としたタイプの上手さではないと、私は思う。
どちらかというと、ダールは「饒舌」に、「掻き立てる」ように書く作家という印象だ。「でしょう?」「まったくねぇ」「そうなんですよ」と身振り手振りを加えながら、的確に相槌を打ってくるイメージ。
だからといってわずらわしい感じはしないのだが、中盤ではどうもその「語り」だけで引っ張りすぎたような気がして、やや強引な印象ばかりが残っている。
この本を訳された田村さんの解説で、ダールを評した都築道夫さんの文章の引用がある。その中で都築さんは、ダールについて「アメリカ人にしては珍しくフェミニストではない」と書いている。
これに私は大いに「確かに」と思った。ダールの女性の書き方はは、なるほど辛辣なのだ。『オズワイルド叔父さん』などを読んでもそう思った。
都築さんはそれに対して「ダールという作家を女性はどう思うか、ちょっとうかがってみたいような気がする」と言われている。
私個人で言わせてもらうと、ダールはかなり好きな作家だ。クセがあって、いかがわしげで、それでいて鋭い。饒舌なのに油断も隙もない。この本も、タイトルからして皮肉たっぷりである。
で、私はダールのそういうところが好きなのである。笑。 -
Posted by ブクログ
1979年の作品だそうで、
その頃にしてみると、夢物語的な題材を扱ったものになるんだろうけれど、
2008年の現在、そうでもなくなってきている。
強壮剤に○○○○。
ネタばれになるから書きませんが、現在、そんな突拍子もないことにならなく
なっていても、面白く読めました。
過去の偉人たちが登場しますが、彼らをそんなにいじくりまわして
いいのかな、なんて気がしました。これを発表したときにクレームが
こなかったのかね。
大人の童話と、帯かなにかに書かれていましたが、
そうですねぇ、性にまつわることばかりなので、そういうコピーを
つけられたのかもしれません。そんな、童話チックでもないのよね。