ロアルドダールのレビュー一覧
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ずいぶん前に読みかけたまま放っておいたので、前半部分はほぼ内容を忘れてしまった。
それでも、最初の3編(「味」「おとなしい兇器」「南から来た男」)はその饒舌な語り口とともに、なんとなくその内容を覚えている。特に「南から来た男」はその上手さに舌を巻き、なんとまぁ恐ろしい話だろう、と思うと同時になぜだか愉快になった記憶がある。
対して、中盤あたりに収録されている話はどうにも印象が薄く、語り口だけで引っ張っていたような気がする。
ダールの語りは上手い。しかしそれはいわゆる、淡々とした、いろいろなものをそぎ落としたタイプの上手さではないと、私は思う。
どちらかというと、ダールは「饒舌」に、「掻き立て -
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1979年の作品だそうで、
その頃にしてみると、夢物語的な題材を扱ったものになるんだろうけれど、
2008年の現在、そうでもなくなってきている。
強壮剤に○○○○。
ネタばれになるから書きませんが、現在、そんな突拍子もないことにならなく
なっていても、面白く読めました。
過去の偉人たちが登場しますが、彼らをそんなにいじくりまわして
いいのかな、なんて気がしました。これを発表したときにクレームが
こなかったのかね。
大人の童話と、帯かなにかに書かれていましたが、
そうですねぇ、性にまつわることばかりなので、そういうコピーを
つけられたのかもしれません。そんな、童話チックでもないのよね。 -
Posted by ブクログ
短編集です。
以前同じ作者さんの「チャーリーとチョコレート工場」を紹介しましたが、これは大人向け。
全体に流れる雰囲気は「世にも奇妙な物語」と「古畑任三郎」を足してニで割ったような感じ。
どのお話も、不思議で奇怪な雰囲気が漂っていて、中には背中がぞっとするような怖いものもあります。最後の最後に、「あれっ」「あらっ」という感あり。
ブラックユーモアというのか、この作者さんのセンスってすごいなって思います。
タイトルは「あなたに似た人」だけど、タイトルと同名のお話はありません。
解説によると、「あなたがたの中にも、こういったところがあるんじゃありませんか」と問いかける、つまり、
「あな -
Posted by ブクログ
所有しているワインの貯蔵所が自慢の男と、ワインききの美食家の対決『味』。
自分の身体を賭けて、ギャンブルをする『南から来た男』。
高名な画家が若い頃に描いた背中の絵を後生大事に持っている男と、それを買い取ろうとする人間達の『皮膚』。
等々、15の珠玉の短編が納められています。
まあ、随分前に読んだ本なのだけど、ちょっと思い出したので読んでみました。
好きだったんですよ、この本。
ブラックも、ミステリも、ギャンブルもある。
ちょっと変わった物語を読みたい時にうってつけ。
自分を嗤った女に復讐する、自分を捨てた亭主を殴りつける、小説界を乗っ取ってみる、賭けに当たるようにタイミングを