ロアルドダールのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
敬愛するロアルド・ダールの少年時代の自伝。
イングランドの学校、寄宿学校で横暴な教師や寮監、先輩らにひたすらに反抗する姿が描かれている。
気に入らない生徒を簡単に鞭で打ったりしてた時代のおはなし。最後まで権力に屈しないで疑問を持ち続けるダールが良い。
屈しないけどあからさまに反撃もせずにちゃっかり卒業してちゃっかりシェルの採用に受かる所は、要領良いけど。
この経験が彼の作品に大きく影響しているのは明らか。「マチルダは小さな大天才」とか。
正しい者が、痛快な方法で悪を打ち倒す物語。正直な者が最後には報われる物語。
「チョコレート工場の秘密」には権力者という意味での分かりやすい悪は出てこないけど、貧しいけれど正直なチャーリーが最後に残る、という所はやっぱり正直者が報われる筋書きになってると思う。
ワンカさんが善か悪かは何とも言えないけど……
子供からみれば善の化身だろうけど。
実はあまり好きになれないワンカさん。
あとダールが子供時代に通ったお菓子屋さんの描写が詳しくあってわくわくした。リコリス・ブートレースだとかシャーベット・サッカーだとか、いかにも体に悪そうだけどわくわくするお菓子。
言うまでもなくチョコレート工場のネタ元。
でもお菓子屋さんの描写だけなら、「こちらゆかいな窓拭き会社」の冒頭部の方がわくわくする!
窓拭き会社すきだー!
なぜハヤカワ・ミステリ文庫から出ているのかだけが謎。続き(就職してから作家になるまで)もあるみたいだから読みたいなあ。 -
Posted by ブクログ
名手ロアルド・ダールの短編集。
「あなたに似た人」が有名に、童話も多く「チョコレート工場の秘密」の原作者でもあります。
これは9編収録。ハズレ無し!です。
読みやすく、興をそそり、スマートで、笑えて、ちょっとだけ毒がある。
「ヒッチハイカー」は、作家が乗せた男が絡んできて、それに答えつつ困惑する。まさか犯罪者では?
と妙なことになりそうになるが…笑える結末。
「アンブレラ・マン」は雨の日、傘を巡って。急な雨の降った日、母娘に上等な絹の傘を差しだした品のいい老人は?妙な男性の行動を目撃する二人。
「ボティボル氏」はアスパラガスそっくりで性格も内気なボティボル氏。音楽が好きな変人がある楽しみを見つける。
器量はあまり良くないが音楽好きな女性との出会いが楽しい。
表題作は、大人の童話といった趣き。
17歳の誕生日、王女マメーリアは、鏡に映った顔に愕然とする。不器量な少女が一晩で美女に変身していたのだ。そして…?
生まれつき不器量な人間に対する共感や、頭を使って工夫する人への人間愛が感じられますね。本人はなかなかいい顔をしているし、女優と結婚しているんだけど、すごく細長いアスパラガスみたいな頭なので、あだ名は付けられたでしょうね。
イギリス育ちだが両親はノルウェイというから、そのせいか? -
Posted by ブクログ
映画化された怪作「チャーリーとチョコレート工場」など、特に児童文学で有名なイギリスの作家・ダールの短篇集。
素朴なユーモアストーリーと見せかけて、毒と恐怖をほんのり混ぜてくる所が素晴らしい。幼少期からこんな人のこんな話ばっかり読んでりゃ、そりゃイギリスジョークもバリバリになるわな。感想を読んで興味を惹かれた方は、ぜひお子様に読み聞かせていただきたい。
1.女主人
下宿を探しにやってきた小さな町で学生の少年が出会った女主人。台帳に書かれた失踪者の名前と動物たちの剥製が嫌な展開を想起させるが、想起させるところで終わりの掌編。
2.ウィリアムとメアリイ
難病で死んだウィリアムが妻メアリイに残した手紙には、脳を取り出し生き長らえる実験に参画するまでの経緯が記されていた…。脳だけになった夫を前に、抑圧され続けた妻の歓喜が溢れるラストは、自分が「どちら側」にいると思っているかで感想が変わる。自分がウィリアムの立場なら発狂モンだなー。
3.天国への登り道
「待ち合わせ時間に間に合うか」を必要以上に気にする神経過敏の妻に対し、主人が嫌がらせを働く話。読みきったときにタイトルの皮肉に気づく。この作者は本当に亭主への意地が悪いな。
4.牧師のたのしみ
こち亀ばりのベタなコント。田舎で掘り出し物の骨董品を買い叩き高値で売りさばく男がど田舎のボロ屋で見かけた極上のアンティーク箪笥。朴訥フェイスな住人と口八丁で何とか購入契約を結ぶが…。主人公の灰化シーン直前で物語を打ち切る構成がクール。
5.ビクスビイ婦人と大佐のコート
大佐との不倫を楽しんでいた妻が、手切れにと貰ったミンクの高級コートを我が物とするため四苦八苦する、これまたジョーク心満載のいいコント。「アメリカは、女性が恵まれている国である。」から始まる、アメリカ人男性の悲哀を淡々と語る冒頭のシークエンスが最高。この話は夫勝利エンドだが、それも基本的には「酒場で男同士で語られる空虚な慰め話」であると釘を刺されているのが辛すぎる。
6.ローヤル・ジェリィ
ミルクを飲まない赤ちゃんに、養蜂研究が趣味の夫が与えたものとは…。今じゃすっかり有名なローヤルゼリーだけど、調べたら栄養補助食品としての効果を裏付ける科学的研究は発表されていないらしい。へー。そもそも赤ちゃんにハチミツ与えちゃダメ、ってのも、当時はあまり知られてなかったのかなぁ。現代だとそっちへのツッコミが入って物語趣旨へのノイズになっちゃうんで、さすがに「賞味期限切れ」の物語かなぁ。
7.ジョージイ・ポーギイ
超奥手な若神父(でもムッツリ)の苦闘。シュールなオチより、彼の幼少期のトラウマ「お母さんから授かった性教育でウサギの出産を見てたら母ウサギが生まれたての子ウサギを食べちゃって絶叫」のハイレベルさが際立っている。そりゃ心折れるよ。
8.誕生と破局
「ある男」が産まれた直後の病室を切り取った数ページの掌編だが、実在人物である「ある男」の正体が明らかになるシーンは戦慄。
9.暴君エドワード
迷いネコの前世が大作曲家のリストだと言い張るプッツン嫁と、そのネコを火にくべるプッツン夫とのやりとり。これまた「貴方はどっちに感情移入できる?」が試される。
10.豚
不条理ノワールの傑作にして、グリム童話の新作として子供に読ませたいけど読ませたら絶対ヤバい大問題作。くっだらない事故により生後数日で両親を失ったレキシントンは、田舎に住む超ベジタリアンの叔母の元で料理の才能を開花させていく。彼女の死後都会に出たレキシントンはレストランで初めて豚を食し…。それまでの写実的な展開から一変、ラストの不条理さはぶっ飛び過ぎて何度もページを読み返してしまうほど。
11.ほしぶどう作戦
領主の禁猟区で雉を大量ゲットするべく、冴えない2人組が一大作戦に挑む。干しぶどうを使ったこの作戦、実際に効果ってあるのかなー。 -
Posted by ブクログ
○2010/01/24
皮肉たまんねえ。告別とか。というか全体的に。
読みにくい、伝わりにくい、分かりにくい、とぐだぐだ読みつつも後にに進むにつれて楽しくなってきて、最後の最後にニヤァ、と。こういうのはいいな…性格悪い人というか、こういう話がさらっと書けてしまう人になりたい(笑)
でもやっぱり訳文は読みにくい…これが古いというのもあって。言い回しが曖昧に遠まわしすぎるのがなぁ。忠実に話を伝えようとするから余計に日本語が成立しなくなるってのが悔しい。
翻訳ものを読むたびに、原著で読んでみたいなぁ、どうやって表現されて、それを感じられるのかなぁとすごく思う。