五十嵐大介のレビュー一覧
-
購入済み
映画のほうを先に観ていました
映画の原作で、かつ期間限定無料ということで読んでみました。映画とほぼ同じストーリーではありますが、思ったよりラフな絵で。ま、しかし、そのほうが想像力をかきたてるのかもしれません。手書きの字も少々読み難いと感じます。映画を観た時は、主人公が作った料理を再現したくなりましたが、原作では、それほど、そそられることもありませんでした。とはいえ、ありふれた田舎暮らしの日常に物語があると気付かされる点で、民放テレビ番組のダッシュ村やひとり農業といったような時代の空気に則した作品であり、大切なのはそのことだと思います。映画では、なんでこんな人間関係の話を混ぜるかな、素材と料理だけでいいのにな、と感じていたのですが、原作を読んで、すべては物語であり、モノではなくコト消費、モノの紹介だけの料理本みたいにするのなら漫画としてはどうなのということにもなりますよね。ともあれ、そんなことを思いました。
-
Posted by ブクログ
風の中に 遠くから乗ってきた 水の香りを感じたり
すれ違いざまの 会話の断片が なにか、心に引っかかって また、飛んでったり。
日常には、 様々な 触れては 途切れる 感覚が満ちている。
でもそれは、本当に微々たる刺激なもんだから
それに こだわるひとは、ほとんどいないんだな。
でもさ、
きらきらな、
美しさって、
そういうもんにこそ、
隠れてるじゃない?
そういう密やかな事を きちんと拾うのが 豊かってことではないかと思うんだよ。
けれど、それは ホントに難しい。
そんな世界を 軽々と描く作家が 五十嵐大介さんではないかしら?
目を開けてるのに いろんなことを 見落としてる。
風景に溶け込む あれやそれを、こんなに優しく 拾い上げる。
すてきだなあ、って 思うのよ。
ちょっぴり 不気味で でも、たまらなく 愛おしい。
作者が 遠野物語がお好きと言うインタビューを読み
深くなっとくした次第。 -
Posted by ブクログ
★そらトびタマシイ
父をなくした少女が、フクロウの雛を踏み潰してしまい、憑依される。
そして街で出会った、犬に憑依された女性に、助けてもらう。
→紙の生え際から羽毛が生えてきた……というシーンが非常に鮮明。触感に訴えかけてくる。
ちょっとしたシーンだが、肉体変質系の話は非常に怖い。(映画「鉄男」を思い出した。)
そして犬に憑依された女性の姿。ホラーだった。かなり傑作。
★熊殺し神盗み太郎の涙
神力を持つ少年が、山の生贄にされる少女に出会い、一緒に逃げようとする。
自分の力は人を殺すだけでなく人を守ることができるのか……。
→伝奇的な話。
ボーイ・ミーツ・ガールの話でもある。
この作者にしては比較的顔も漫画チックで、少女がドールのように見えた。
これもあとあと読み返したくなりそう。
★すなかけ
父母の喧嘩で家がつらい少女が、ふと電車の終点までいってみたくなる。
そこで出会った、皮膚から砂が滲み出してくる特異体質の球子と、似顔絵師の男性のカップルの家に同居させてもらう。
→現実に異世界が入り込んでくる話の多い作者だが、珍しく「砂女」という設定ひとつで話が進む。
そして珍しくほのぼのしたいい話でもある。
★le pain et le chat
パン屋の男性が、泥棒の少女をつかまえる。
彼女はいなくなった両親のために家を守っているが、捨て猫を拾っている。
→パン屋の青年の自己再生の話でもあり、少女の成長の話でもある。
猫アレルギーはつらそうだ。
★未だ冬
それぞれよくまとまった短編漫画で、質も高い。
魔女、はなしっぱなし、リトル・フォレスト、に続いて読んだが、はなしっぱなしにやや似ているか。
読書中断している「海獣の子供」もあらためて読みたい。