児玉雨子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
いろんな人の性への考え方があって、理解できるものもあれば出来ないものもあった。
自分の性に対する考えをもっと整理したいと思った。
藤野可織さんの話は首がもげるほど共感できた。
特に共感した部分。
「私は自分が子どもを望んでいるのかどうかわからなかった。いくら考えてもわからなかった。私は体力がなくて、だいたい無気力で、まともな生活もできず、一般の人よりも劣っていると言う感覚があった。子供なんて産んでしまったら責任のある決定をたくさんしなければいけなくて大変だし面倒だし疲れるだろうと思った。」
「私は、自分をコントロールできるということに振り回されていた。当たり前でありながら得難い素晴らしい権利に気持ちをぐちゃぐちゃにされ、一瞬ごとに子供がいてもいいと思ったりいたら終わりだと思ったりしていた。自分が情けなかった。」 -
Posted by ブクログ
ネタバレ何も知らずに読んだので、初めはイメージと違うお話で驚きだった。ジュニアアイドルというのが歌って踊るアイドルではなく、スクール水着を着て沢山写真を撮られるようなグレーなものだった。
主人公の雪那(せつな)はよく分からないままジュニアアイドル活動を行わされ、その同じ事務所の友達である美砂乃と仲良しだった。だが、美砂乃のように人気が出なかった雪那は美砂乃と喧嘩してしまい事務所も辞めることとなる。大きくなってからはジュニアアイドルをしていた事でバイトや就職活動に影響が出てしまう。雪那は美砂乃と仲の良かった当時ゆきと呼ばれており、当時は違和感があったが、最後は「ゆき」に改名することで物語が終わる。
当時は違和感があったゆきというあだ名がゆきと呼ばれている間はジュニアアイドルをしていたり虐められている雪那ではなく、ただ美砂乃の友達である「ゆき」でいられた時間なのかなと思った。 -
Posted by ブクログ
リレーエッセイ方式で17人の書き手が
『私の身体を生きる』という性をテーマに綴った作品。
想像していた感じと、かなり違っていた。
同じテーマでも書き手によって随分とみえる世界が変わるものだ。編集者から依頼された形で綴っているためか、何となく及び腰に感じる作品も少なくない。
女性しばりでリレーエッセイ集にした意味する所も、問いたいが、赤裸々告白をするものから、トラウマ的な内容を飄々と語ったものまで、多種多様・・・
トップバッターの島本理生さんの作品だけは、眠っていたような共感が呼び起こされる様な感覚があった。
恋愛ものがお得意な作家さんだけに、性の役割にも飄々と鋭い着眼点をお持ちだ。
色々な考え方や捉え方があるんだなぁと感じる一方、敢えて?競い合って?マイノリティ側に寄って描いている様に感じるものもあり、私にはあまり馴染まなかった。
性の話が公にはタブーとされていた時代を生きてきたからか、この歳になってそういう話ができる方が見つかると一気に距離が縮まる。
人によっては幾つになってもタブーなので、手探りと嗅覚?笑で探し当てる感覚に近い。
このテーマで男性バージョンもあったら読んでみたい。
-
Posted by ブクログ
あさきょさんの本棚から、同じく怖いもの見たさで手に。
フリマアプリユーザーとして、どんなヤバい事があるのかを知っておこうと思ったものの、期待ほどではなく…
せどりがお小遣い稼ぎにしては効率の悪そうな仕組みということはわかったかな。
主人公のミドは、夫の精神疾患による休職で結婚生活の分かり合えなさがどんどん増幅していた。そのストレスから逃げる手段がせどりだったのだろう。
ただのゴミがほんの少しのお小遣いになることの歓びで済めばよかったのに。
自分がリサーチした物が期待通りの高値で売れるということは、かなり自己肯定感が高まることなのだろう。
一度沼ると抜け出せないのは推し活と同じかも。
でも、ミドはラストで現実のゴミを目の前に突きつけられたことできっと目が覚めたはず。
身体が元気だと自分が精神的に弱っていることに気づかず、思わぬ沼にはまりやすい。
私も気をつけねば。くわばらくわばら。
-
Posted by ブクログ
“のび太にさえ自分だけの部屋があって、ドラえもんにも押入れというパーソナルスペースがあるというのに、どうしてこの時代に私には私だけの空間がないのだろう。(中略)安心してひとりになるには金が要る。”(p.25)
“追い詰められてから動こうとするのは、能力なり環境なり、価値あるものを持っているか、道を譲られてきたひとの特権なのだ。(中略)仕事ができるわけでも、容姿がすぐれているわけでも、大きな車を狭い道で乗り回せるわけでもない私は、きっと自分が追い詰められたと気づいたころには人知れず落っこちて、そのままおしまい。そうならないようにいつもすこしずつ生活を案じて、私の生活という足場がほころばないようにしているのだけど、これがコスパ思考だとして、この思考を禁じられたらあなたのように生きられない私はどうやって生活の収支を合わせればいい?”(p.109)
-
Posted by ブクログ
【目次】
Better late than never(島本理生)
肉体が観た奇跡(村田沙耶香)
「妊娠」と過ごしてきた(藤野可織)
身体に関する宣言(西加奈子)
汚してみたくて仕方なかった(鈴木涼美)
胸を突き刺すピンクのクローン(金原ひとみ)
私は小さくない(千早茜)
てんでばらばら(朝吹真理子)
両乳房を露出したまま過ごす(エリイ)
敵としての身体(能町みね子)
愛おしき痛み(李琴峰)
肉体の尊厳(山下紘加)
ゲームプレーヤー、かく語りき(鳥飼茜)
私と私の身体のだいたい五十年(柴崎友香)
トイレとハムレット(宇佐美りん)
捨てる部分がない(藤原麻里菜)
私の三分の一なる軛(児玉雨子) -
Posted by ブクログ
パートナーが働けなくなったことをきっかけに、フリマアプリにのめり込んでいく女性の話。
売れるか売れないか、何円で売れるか、売るためには綺麗に使わなければ。
ほとんど強迫観念的に物の価値を見定めようとする言動に、どことなく狂気を覚えかけたけれど、現代人はわりとそういう傾向にあるのかもしれない。
フリマアプリはとても有用だと思う。多分SDGsだし。
とはいっても、いつか売ろうと思って溜まり続けている売れるはずの物たちは、それは、ゴミだ。
家賃を払ってくれるわけでもない物どものが部屋を圧迫している事実から目を背けず、売るか捨てるか、いい加減向き合わなければな、と読後に自戒せざるを得なかった。