児玉雨子のレビュー一覧
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「汚してみたくて仕方なかった」鈴木涼美
売春が無くならないのは、男側の問題の方が大きいけど、自分に値打ちが付くことに依存する女側の問題もあるのかもしれないと思った。女は性処理として利用されてきた時代が長く続いたせいもあり、完全に無くすことは難しいのだと悟った。
「トイレとハムレット」宇佐見りん
面白かった、、!確かに腹痛と苦悩のポーズは似ている。舞台が好きな理由として「シンプルだから」っていうのはすごく腑に落ちた。たった一つの物語、感情を演じているだけだもんな。現実の方が感情ごちゃ混ぜで騒がしいもの。
「私の三分の一なる軛」児玉雨子
生物は毎日ちょっと死んでおかないと生きられないって興味深い。睡眠を取ること=意識を手放すことが「生」繋がるのだとしたら、なんか「死」も生の延長のような気がして、恐怖心が払拭できる気がする。
自分は随分と「身体」というものに向き合っていなかったのだと思ったのと同時に、向き合わなかったという事はそれだけ健康であり、真っ当な人生を歩んでこられたという事なのかもしれないと思うと、親や環境に感謝した。でも1番大事な事は、何も深く考えず、ただ「人間」という生物として生きていく事だけを考えることかもしれない。 -
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身体や性についてのエッセイ集。この中で柴崎友香さんが呈示していた疑問「なぜ書き手の性別を限っているのか」、私もこれと同じことを思った。もう、このフェーズは終わっていないか。いま、同じテーマで、男性やその他の性の人の語ることも聞きたいし、それらが同じひとつの場所に並べられているところを見たい。
どのエッセイもそれぞれ興味深かったし、色んな方向に心動かされたが、上記の意味で、柴崎さんが「このような疑問を私が持っていることを編集者と共有できたので、書くと返答した」という経緯を書いてくれていたことが、いちばん嬉しかった。もちろん、疑問の詳細は私が書いたこととは違ったけれど。 -
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どんなことをどんな風に語るかは自由なはずなのに、不思議と受ける印象が近い方も多い。圧倒されたのは、自身の自慰について複数名の方が赤裸々に書かれていたこと。もちろん秘めておくべきかどうかは個人の自由だが、同じことを目の前の男性に言われたらきっと眉間にシワを寄せてしまうと思うので、(こんな性差を感じてどうかとも思うが)そうならないのを織り込み済みの、女性性を逆手に取った表現ような気もする。私のお気に入りはセブンルールで見たことのある藤原麻里菜さん。「もし、技術が発達して、アバターを作って仮想空間で生きれるとしたら、私は女の身体を選ばず、カービィみたいなピンク色の球体を選ぶだろうと思うのだ。そうしたら、女であることの不安や恐怖から解放される。ピンク色でかわいいし。丸くてかわいいし。そういった願望があるけれど、身体からは解放されない。生殖器があるからだろうか。生殖器が私の身体にばっちり組み込まれてるからかな。テトリスだったらセックスしたときに消えそうだけど、そうもいかない。私の身体は消えない。だから、愛するしかないのだ」。
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高橋源一郎さんのラジオで紹介されているのを聞いて読んでみた。
同じ状況でも「気づいてしまう人」と「気づかずスルーする人」がいると思うが、
「女であること」で少なからず嫌な思いをした経験は誰にでもあると思う。
痴漢について、本筋からはずれるかもしれないが、これだけ多くの女性が被害に遭ってる、ということはそれだけ痴漢をやったヤツがたくさんいる、ということよね?
もしかしたらそこにいる善良そうなおぢさん、爽やかそうなお兄さん、しょぼくれたおじいさんだって!
それでもみんな知らんぷりして普通の生活をしているんだろう、と思うとものすごく腹立たしい。
またまた話がズレるが最近読んだ大谷晶さんが自分をすごく好いている、と書かれていたことがとても印象的だった。
いろんな思い、様々な経験をした上での発言だと思うが、ぜひともこのリレーエッセイに、大谷さんも寄稿してもらいたい、と思った。 -
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西加奈子さん、村田紗耶香さん、千早茜さん、、他にも豪華な方々のお名前が、、
もうこれ買うしかないやんと思って購入して即読みました。
それぞれの女性作家さんたちがご自身の身体をテーマにリレー形式でエッセイをつづられていて、どのエッセイもすごく赤裸々に描かれていて同じ女性として共感するところもあれば、驚かされることもあり、、それこそ、読んでからは「私の身体は私のもの」を強く感じた。
それぞれの身体に色々な経験や傷が合ったり、コンプレックスが合ったり。
それでも一つしかない自分の身体。
こんな私でももっと堂々と生きていていいんだと思わせてくれる作品でした。 -
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自分の中では3.4という評価です。児童ポルノの被害にあった主人公の当時と現在の心情を織り交ぜて描写されており、どのように過去と折り合いをつけ進んでいくのかを決めるところまでを描いている作品かと思います。児童ポルノの被害を受けたと明確に主人公から明言されることはなく、当事者だからこその事象や第三者からのセカンドレイプに対する混ぜこぜになった感情が繊細に描かれていたため、没入感をもって読めました。
現代パートでのSNSを使ったコミュニケーションの解像度等も高く、場面場面が思い浮かべやすいのも魅力の小説だと思います。
ただ、完成度が高い分スッキリとしない、正解がない、本人にしか分からない気持ちを正確に受け取ってしまったためか、読後感が良くなかったのと物語の起伏がつかめなかったため、上記の評価となりました。 -
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長年アイドルが好きで、同じ女性としてグラビアを見ると、スタイルいいな、綺麗だなと憧れの気持ちを抱く反面、複雑な気持ちになることもある。特にまだ中高生の子は、これは自分の意思なのか、それとも大人にやらされているのか…。
あるアイドルに対して水着などのグラビアをやらないことについて、Instagramのコメントで「逃げてる」などと厳しい言葉で指摘する人がいた。自分の肌を世間に見せること(一生残る)がいかに勇気のあることで、覚悟が必要なことか、よく考えてほしいなと思う。
それとはまた児童ポルノは別の話で、絶対に許してはならないこと。でも正直その線引きについて知らないからもっと調べてみようと思った。
児玉雨子さんの書く歌が好き。 -
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ネタバレ夢小説と改名。一貫して名前の物語になっていて、構造がとても綺麗だった。君が名付けた私の名前は、私のために鳴る最も短い歌。
そして児童ポルノを許さないという怒りの表明でもあった。るろ剣の作者の書類送検をきっかけに書かれた小説なのかも。あのとき確かに私も激しい嫌悪を抱いたはずなのに、毎日流れてくる気色悪いニュースに押し流されて記憶の片隅に追いやってしまってた。この児ポ大国で生きていく以上、絶対にあの怒りを忘れちゃいけないのに。虐待の被害者、特に子供が自分の言葉でうまく怒れないのなんて当たり前で、怒らなくちゃいけないのは私たち大人だ。その想いを強くしてくれた。 -
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昔、「『舞姫』の主人公がバンカラとアフリカ人にボコボコにされる明治文学の話〜」みたいなタイトルうろ覚えの本があって、へー明治時代って現代と比べたら堅苦しいイメージあったけどこんなにパンクだったんだ、って感じたのを思い出した。
江戸時代、って括ると広いけど、この時代もこんなにポップだったんだ。昔も流行り言葉やイキりやそれをダサいと見る目なんかは今と変わらずあったようで、著者の狙い通り江戸文学がとても身近なものに感じられるようになった。
だいぶライトな作りだったので、もう少し扱っている文学作品一作一作を深く掘り下げてほしいという物足りなさも少しあった。