はっとりみつるのレビュー一覧
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレ出会いと別れの季節を迎える7巻である。
前巻の引きとなった少女・糸織とのやり取りが前半に描かれていて、再会の物語はこの作品らしく丁寧に、そして淡々と(劇的になりすぎず)描かれている。
衝撃の過去との再会、といった風景ではなく、しかし糸織という少女がなぜ遠くまで出向いたのか、その心情に寄り添った物語はさすがだろう。
後半ではランドセルのクリーニングを題材にして物語が展開している。
まさにお仕事物の本領発揮というべき内容であり、実際にこうしたサービスはあるようだが、その内情が垣間見える興味深い物語である。
改めて「めっちゃ大変やん……」と知れたので、お値段高めでもきっと文句は言いづ -
Posted by ブクログ
ネタバレ今と過去が交錯する……かもしれない過渡期の6巻である。
失った記憶の時代につながりそうな、「わか姉」と呼ぶ少女との出会いが巻末には描かれていて、次巻で少し動きがありそうなクローズとなっている。
今巻は出会いなども挟みつつ、色々な人との「今」が描かれているだけに、次巻と合わせて一つ対比的に描かれるのかもと思わせる部分のある一巻である。
物語は年末年始を舞台に、クリスマスでのシークレット女子会や、毬祥君の地元や家族への思いが聞けてしまううっかりアクシデントなどが描かれている。
年末、仕事納め後に手持ち無沙汰になった金目さんの大家さんとのやりとりや、正月明けのSNS更新をめぐる小学生組 -
Posted by ブクログ
わたしの六月はゾンビ月間。
完結巻なので基本構造は割愛。
長らく積んであったが、実はこの最終巻だけ発売当時新刊で購入していた。
やっと追いついたのに完結しちゃったので、急いで読まなくていいやと思っていたらこんなに年月が経ってしまった。
女の子ゾンビとの恋愛譚という事で、もっと死と不死性を強調したコメディよりのラブロマンスと思っていたが、しっかりしたホラーを土台に据えたロマンスだったことが嬉しかった。
朽ちていく身体、薄れていく理性。
そんな文字通りの限界の中で、己を掴んでいく。
結末を語ってしまうのは野暮なので控えるが、そんなホラーなラブロマンスとして一番の着地点に到達 -
Posted by ブクログ
わたしの六月はゾンビ月間。
10巻なので基本構造は割愛。
初回特典折込ポスターはヒロインたちの温泉入浴シーン。
記憶を無くし暴走気味のれあ。
語られる爺さんの過去と、薬誕生秘話に、母さんとゾンビ好き。
クライマックスに向けて、着々と下地が完成してゆく。
下地が完成していくのは感じても、着地点がどこになるのか予想もつかなくて・・・楽しみ。
まぁ全然関係ないけど、ずっと気になっていた「さんかれあ」の響き。
関西中心のジュースの「サンガリア」にも似ていたのか。
すると、7巻で手に持っているのが「あなたのお茶」だったのかもしれない。
・・・ここまで読んで、この作家が現在購 -
Posted by ブクログ
8巻なので基本構造は割愛。
カラー口絵は初回限定なのかな?
謎のチアリーディングの謎は本編で明かされる。
ゾンビ機関編も大詰めの様相。
いろいろ波乱ずくめのドシリアス展開。
時折挟まれるセクシー描写と妹ちゃんの活躍が清涼剤。
各々の過去が明かされ、背景が見え始め・・・。
何故か、妹嬢の主婦力の高さが印象に残った。
女子力が高いというと、料理が巧かったり、家庭的だったりすることを指しがちに思う。
妹嬢は、女子力を超えたところにある主婦力なのよね。
家事全般をこなして、家族を心配する。
そんな気高さを持つ、最年少の存在。
滅茶苦茶頼もしい存在だけど、人に頼れる・・・あ -
Posted by ブクログ
7巻なので基本構造は割愛。
わたしの持っている単行本のれあ嬢は、肌の色が鮮やかなのだが…ゾンビ娘としてはサイトの画像が正解なんだろうが、だからこそ現物と色味が違うのは問題な気がしなくもない。
ZoMA編。
主人公のおじいちゃんが所属していたゾンビ開発組織。
ゾンビの凶暴性を抑える可能性を専門機関にかける旅。
主人公は自分が作った…という事にこだわっているが、メモ通りに調合しただけで理論を理解していたわけではないのにここまで自信を持てるのは・・・。
物語は進む。
完璧に構成された展開で、衝撃的なラストで次巻へ続いている。
愛猫を救い、ヒロインも救う希望と絶望をたたき込みな -
Posted by ブクログ
6巻なので基本構造は割愛。
基本的には、もともとゾンビ薬を作るきっかけとなった主人公の愛猫「ばーぶ」メインな巻。
ゾンビと理性と別れ。
理性を保っていられなくなり、ゾンビーのゾンビ化が進んだ先の選択。
その段階に到達したときの、「主人公」と「れあ」の気持ちの違いがこの作品を決定される深いテーマな印象。
死なない存在を「葬る」。
死なないものにしか理解できない感情のようなものを感じた。
や。作家は死ぬ存在だから、理解でせき無いことはないはずではあるけどね。
この感情が、作品の肝なのかと。
表紙に準じたおまけが、水着回の読み切り作品。
息継ぎを必要としないゾンビ -
Posted by ブクログ
5巻なので基本構造は割愛。
今巻もセクシーカラー口絵付き。
前巻ラストの絶対絶命から、バーベキューな感じを経てワンコ回。
もうひとりのヒロインであるワンコ嬢が、女をあげた感じ。
ゾンビ=死なない →永遠の命 な 図式が連想されるが、今作の場合、肉体的は腐敗と人間的な精神の維持という二つの問題があり、ゾンビとしての生命は永遠かもしれないが、人として生きられる限界がある・・・な、テーマも含んでいる感じ。
ゾンビものとして重いテーマ。
コレを適度にコメディをまぶしつつ、恋愛要素も足しつつの構成がまた面白い。
本筋と関係ないかもしれないが・・・ヒロインのお母さんの反応がかわ -
Posted by ブクログ
熱海の海を写生する志井良ラミとの出会いが描かれた5巻である。
赤枠のアンダーリム眼鏡に銀髪、民族色の強いトラッドなスカーフをまとう彼女は、熱海に工房を構えることになったカナダ出身の方。
彼女の物語を軸に据えつつ、毬祥君の進路にまつわるエピソードが挟まる形で5巻は展開している。
この作品については、大変良くて、逆に言えることが少なくなってしまう印象がある。
熱海の風物を描く内容の面では、お裾分けされるミカンといった情景や、海に熱海城に秘宝館(!)と観光名所なども押さえられている。
キャラ面でも、随所で顔を見せる矢柄さんに、一話ピアノの発表会エピソードが置かれた那色ちゃん、そして彼女 -
Posted by ブクログ
順調に毬祥君が攻略されている4巻である。
年上の天然美人お姉さんが気になって授業に身が入らない上に、無防備に好きだなんて言われたらね。クール系男子高校生でも限界あるよね。(笑)
それはさておき、4巻はかなり腰を据えてお仕事物が描かれている。
墨汁の難しさや季節の変わり目の繁忙、ぬいぐるみの洗い方や衣服に表れる生活の変化への気づきなど、クリーニング物ならではの内容がよく描かれていた。
それをこの作品らしい温かなタッチで描いているので、ただ物語を楽しむだけでクリーニングという業界を見ることができるのだから、優れたお仕事物だと思う。
なお、物語的には先代のクリーニング店へ関心の焦点が