はっとりみつるのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
3巻なので基本構造は割愛。
巻頭にカラー口絵が差し込まれるほどの人気作なのね。
主人公のおじいちゃんの過去がほんのりと意味ありげな空気を醸し出しつつ、ゾンビの秘密と、母の記憶と秘密。
その鍵を握る外国から来た少女。
テンポよく展開するためのコメディ要素を残し、シリアス味もいい塩梅に増して、引っ張る。
ゾンビ状態に時間制限がある衝撃的な事実を告げられても、笑顔で応じるヒロイン。
本当に死にたいほど辛い生前だったことが窺える。
主人公に惚れたとしたら、ほぼ死後だろうし、高校生で死んで悔いの無い人生というのも悲しい。
恋と生者と死者。
研究と愛情。
女性陣の逞しい今作の中 -
Posted by ブクログ
2巻だけど基本構造は割愛。
ヒロインと父の対立を一冊でしっかりまとめ上げられている。
一巻の中で一つの大きな話を括る、作者の実力なのか担当編集者の手綱取りが巧みなのか。
内容も面白いが、構成も読みやすい。
本編は面白いので、敢えてそれ以外の感想を。
アジサイ祭りがあって、近くの山の上にハーブガーデンがある。
作品の舞台がK県足倉郡・・・。
アジサイ+ハーブだけなら条件満たす場所はたくさんありそうだが・・・K県を神奈川県とすれば、足倉は足柄。
足柄上郡開成町のあじさい祭りと、その会場の道をまっすぐ行っただけの隣町、松田町のハーブガーデンな気がする。
ここまで大きなショッ -
Posted by ブクログ
わたしの六月はゾンビ月間。
いつか読もうと何年も積んであったこの作品を崩す。
タイトルでわかり難いけれどゾンビ物。
オカルト好き寺の息子の少年が事故で亡くした愛猫を甦らせようと、古文書の秘薬づくりに精を出す。
お金持ちすぎる家庭の子女としてがんじがらめの生活を余儀なくされているヒロインが、古井戸に溜まった不満を叫びに・・・。
そんな出会いから、わけあってヒロインがゾンビになり、秘薬を拵えた主人公が・・・な、話。
まぁ1巻なのでヒロインがゾンビになるまでの話であり、するってぇとこのレヴューは完全ネタバレな気がしなくもないけれど・・・。
まぁ裏表紙のあらすじにも「ヒロイン=ゾ -
ネタバレ 購入済み
ストーリーを紡ぐための動機の話
実話として描かれるこの話が実話ではないだろうということは、読んでいくと分かると思います。
実話だという前提で感想を書くなら、あまりにもやる瀬なく過酷な話です。
ただ、成長した少女が社会に溶け込み生きる姿を描いた最後は救いでもあります。
それが同時に物語らしく出来すぎているところでもありますが。
この話が何に主軸を置いているのか考えると、やはり物語を作り出すにはそれなりの動機がないと難しいというところでしょうか。
この話自体はフィクションだと思うのですが、もしかしたら作者があれだけのストーリーを書き上げるにあたって人生の分岐点となるような、物語を作り上げるための切実な動機ができる出