あらすじ
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どうか今の記憶が、いつまでもなくなりませんように――
熱海の小さなクリーニング店を営む金目綿花奈さんが、二年より前の記憶はないけれど、明るくて働き者で温泉が大好き。キンメクリーニングの場所で、以前にクリーニング店を営んでいた方の名前を知った金目さん。そこから、自身の記憶とその方への思いが馳せ始める…。年末年始でバタバタと慌ただしい中、キンメクリーニングに宛先不明の郵送物が送られてくる。それは、金目さんにとって過去に関わる品物で……。記憶を失ったクリーニング店主の生活ストーリー、第6巻。
(C)2021 Mitsuru Hattori
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
今と過去が交錯する……かもしれない過渡期の6巻である。
失った記憶の時代につながりそうな、「わか姉」と呼ぶ少女との出会いが巻末には描かれていて、次巻で少し動きがありそうなクローズとなっている。
今巻は出会いなども挟みつつ、色々な人との「今」が描かれているだけに、次巻と合わせて一つ対比的に描かれるのかもと思わせる部分のある一巻である。
物語は年末年始を舞台に、クリスマスでのシークレット女子会や、毬祥君の地元や家族への思いが聞けてしまううっかりアクシデントなどが描かれている。
年末、仕事納め後に手持ち無沙汰になった金目さんの大家さんとのやりとりや、正月明けのSNS更新をめぐる小学生組&金目さんの和装など、日々のこまごまとした描写が光る一巻だ。
オールスター的にキャラが登場するのも魅力的で、そこに厳ついヤンキー中年カップルとの出会い(一応ネタバレに配慮して身元は秘すことにする)もまたワンアクセントだ。
その上で、お仕事物としても「血の汚れには大根おろし」「洗剤の入れ過ぎにご用心」といったネタが含まれている。
数は多くはないが実用的な内容だろう。
充実した一巻だったと思う。
派手な展開はなく、実にこの作品らしい淡々とした日常であり、それがまた持ち味だろうと思う。
細やかな描写も目に楽しく、いしもちサンドのような普通に「美味しそう」と思わせる小ネタも魅力的。
今巻も星五つで評価したい。