あさのあつこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
単行本みて、文庫化を待ち望んでいたので発売してて嬉しかったです。2日くらいで読み終えました。
「バッテリー」では、ピッチャー目線中心で書かれていましたが、こちらはキャッチャー目線が多くかかれています。
あさのさんらしい心の強い少年が主人公です。主人公の瑞希は整っていない環境のなかで、諦めたり、仕方ないと納得してしまったりすることを嫌だと思える雄気堂々とした心を持っています。そして、ピッチャー透哉は過去にいろいろあり、野球から逃げ、それでも野球を捨てることが出来なかった大人しい子です。私は主人公のキャッチャーよりもピッチャーの方が、個性が強くて好きです。
透哉は、色んな人に影響をあたえる子だなあと思いました。祖母、瑞希、良治、野球部。そんな透哉の辛い過去の回想話は、私達の身近にもありそうリアルな話で胸が痛みます。でも、透哉の気持ちと同様に他の子の気持ちも分からないでもないから、複雑ですね。
個人的には透哉視点で書かれているところが一番好きです。現代の子供たちのような問題を抱えながら、瑞希に、野球に、心動かされる様子がみられます。瑞希視点では、ピッチャーが欲しい、あの球を受けたい、ということが繰り返し言葉を変えて書かれているので、少しくどいです。くどいからこそ、透哉の球を取りたいという気持ちがより伝わるようにしているんですね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ読み終わって10代が遠くなったことにしばらくぼんやりする。
なんでこんなに焦ってるんだろう。
なんでこんなにヒリヒリするのかなあ。
あさのあつこさんと12人の方々が自分の本との出合いと思い出の本について語る。
10代のみなさんへの語りなんだけど、それぞれの本への想いや出会いに妙に嫉妬してしまう。
ちびちゃんたちには読書を無理強いせず、さりげなく?読み聞かせていこう。読むなら「やっぱりこういうの」じゃなくて自分も楽しかった本を読もう。
それにしても、「ライ麦畑でつかまえて」「赤毛のアン」が人気。
全く印象の違う2冊なのに、確かにあの頃から私にも大切な本だなあ。
今読んでも「ライ麦」のあの高熱でもブツブツ言ってるあの感じ、あるんだよね。今も。
「赤毛のアン」シリーズは常に私とともにあります。
前田司郎さんの文章が印象的。あの頃に、こんな風に声をかけてもらえたらなあ。
「本しか友達がいなくても、本を読んでいれば人間の友達もできますよ。同じことに興味を持った人と深く話すことができるようになるからです。しばらくは本だけが友達でもまあ、大丈夫。」 -
Posted by ブクログ
「本当に大切なこと」を教えてくれるお話がたくさん。
「謹賀新年」
父の突然の死により、若い継母と2人で年越しする女子高生。血縁はなくても、お母さんと呼べなくても、あったかい関係と、そこに不在の父がせつない。エピソードの一つ一つがほっこりして、その分悲しい。
「ぼくの神様」
水俣病だったりイタイイタイ病だったり。人災とも言える病気は存在する。最近では印刷会社の社員が続々と胆管がんに罹患し、問題になっている。
経済発展が落ち着いた日本ですらこうなのだ。神さまは自分の内にいる。トートが遺した言葉を抱いて踏み出したフユン。先が気になる。
「がんじっこ」
がんじっこで嫌われ者のシゲばあさん。彼女の説得を任されたのは、自己主張が下手で本音を言えない金池さん。ところがシゲばあさんががんじっこ(頑固者)になったのには理由があった…一つの後悔から、もう気持ちを偽らないと決めた女性の想いに胸を打たれる。
「孫の恋愛」
狐は人に化けて、人間社会に入り込んでいる。人間に滅ぼされないように…それなのに孫は人間に本気で惚れてしまった。心配した祖母狐はその相手に会いに行くのだが…
「しっぽ」
ある朝目覚めたらしっぽが生えていた。グレゴール・ザムザのように毒虫なるよりは何倍もましだが、晴日くんは当然戸惑う。でもこのしっぽ、ちくりと刺せば相手が従順な家来になるヌドゥの魔法のしっぽだった…。相手を思うままに支配出来る力を手に入れることの、そしてその力の虜になってしまうことの怖さ…。
「この大樹の傍らで」
近未来、汚染された地球から脱出し、ドームで育った子供たち。色素はだんだん薄くなり、命も短命になっていく…そんな世代の彼らが夢見たのは、祖父から聞いた地球のモリの美しさだった…