幸田文のレビュー一覧

  • 崩れ

    Posted by ブクログ

    なんか読みたいなーと思いつつ、あんまり読めない今の私。とりあえず幸田文を購入。このひとの文章を愛してます。

    0
    2009年10月04日
  • 父・こんなこと(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

     日記作品。明治を代表する人物「幸田露伴」、その寂しい晩年をみまもる娘の日記。だけどとてもみずみずしい。 「みずみずしい」なんて表現はきらいだけど、この文章には「みずみずしい」ってことばがとても似合っている。どの辺りがみずみずしいかって、作者のきもちがころころ変わっていくところ。たとえば死にゆく父を介護していても作者のきもちはゆれうごく。泣いたかと思ったら、次の瞬間には笑ってる。一日の気持ちの移り変わりをそのまま文にしている。 こういうのって、なかなかできない。だいたい「死」を前にすると、たいていの作家はなにか重苦しいテーマを書いてしまう。だけどこの作者はそんなの書いてない。じゃあ何を書いてる

    0
    2009年10月04日
  • 季節のかたみ

    Posted by ブクログ

    文さんの季節の感じ方に共感したり、はっとさせられた。いいなぁ、文さんの文章。ページをめくって、季節が巡ると、ワクワクする♪

    0
    2009年10月04日
  • 父・こんなこと(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    幸田露伴は厳しい父ちゃんですが、
    素敵だなと思った。
    はたきをかける格好、掃除の音、
    「女はいつでも見栄えがよくなくてはいけない」「何のために音楽をならっているんだ」
    って娘に言えるお父さんは今、どれくらいいるのでしょうか…?

    0
    2009年10月04日
  • 包む 現代日本のエッセイ

    Posted by ブクログ

    儂が生まれた頃に書かれたエッセイ集。観察のこまやかさ、内省の深さは流石。人に対する観察には怖さも感じる。感覚は大変モダン。

    0
    2009年10月07日
  • おとうと(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    幸田文の小説。

    以下ネタバレ



    ストーリー的には、ひどい話。

    お父さん、作家、大黒柱、あまり収入はよくない、家事は全くやらない、家政婦を雇う余裕もなし。

    お母さん 子供たちの実母の死去後、再婚で入った継母。クリスチャン、プライド高い、リュウマチが痛くて家事ができない。 母親の自覚あまりなし。

    長女(主人公)高校生。家事のできない継母に代わり、炊事洗濯、衣類の世話、買い物、父母のお使いまでこなす。弟が発病後は弟の付き添い婦として病院に寝泊まり。

    弟 中学を友人トラブル、万引きで退学になる。別の学校に転校するも自主退学、ビリヤードや乗馬、モーターボートなど娯楽にうつつを抜かし、19歳

    0
    2025年11月16日
  • 木(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    2冊目の幸田文作品。「父・こんなこと」よりも読みやすい。立木をじっくり観察するなんてことしばらくしてないな。でも小さい頃は木に登ったり、木に触れたりするのが好きだったよなと読みながらぼんやり考えた。

    p49 すべての年齢層がそろっていて、一斉に元気であることが、即ち将来性のある繁栄なのだ、というのである。
    →木の話なんだけどついつい職場を連想してしまった。人も木も同じかも?

    p53 外へ外へと新生するから、傷も、傷に連鎖して生じた狂いも、年月とともに内へ内へとくるむのだろう。くるむ、とはやさしい情をふくむことである。中身を労り、庇い、外からの災いの防ぎ役もかねるのが、くるむということ。生き

    0
    2025年10月23日
  • 父・こんなこと(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    「父」では日に日に弱っていく幸田露伴の様子と介護の状況が克明に描かれていた。文章を読んでいると、食が細くなったり意識状態が悪化したり、「まさに終末期」とわかるほど露伴状況が詳しく書かれていて、幸田文がいかに丁寧に父を看ていたかが伝わってきた。父への思いも愛情ばかりではなく、介護疲れや負の思いなどないまぜになっているのがとてもリアル。私も両親を見送る時はこんな感じになるのかなと思うと切なくなってしまった。

    0
    2025年10月21日
  • 木(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    木にまつわる随筆15作。エッセイではなく随筆と言いたくなる硬さと重みを感じる。北から南へ、木を見るためにさまざまな土地を訪れる。自らの足で、人におぶわれて、なぜ、そうしてまで行くのか。それは、きっと、実物を目の前にした時にわかることだ。木を一つとっても、苗木、若木、老樹、材木とさまざまな形がある。自然に任せたものが美しいかといえば、そうも限らず。だからといって人の手が加わったものが美しいわけでもなく。おそらくその後ろにある物語や人の営みを考えると見方が変わる。そういうものなのだろう。

    0
    2025年08月24日
  • 木(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    木を題材にこんなに文章が書けるなんて、というのが第一印象。
    父の幸田露伴が、3人の子供にそれぞれ花や果実のなる木を自分のものとして与え、幼い頃から葉を見て当てさせる、という遊びをしていた、なんて件から、木を身近な存在として感じる環境にいたからこそなんだろうな。

    0
    2025年07月23日
  • 台所のおと 新装版

    Posted by ブクログ

    昭和30年代〜40年代に発表された10編からなる短編集。

    いつの時代も生きていればいい時も悪い時もあり、日常においても心にさざ波が立つこともしばしばある。
    そんな昭和の日常が作家の視線を通して繊細に描かれている。

    個人的には表題にもなっている「台所のおと」がよかった。
    病んで寝付いてしまった料理人が障子一枚を隔てた台所で女房がたてる作業の音から様々なことを感じとるという話。
    的外れな感想になってしまうけれど子供の頃風邪をひいて寝ていた時 母が台所で作業する音が聞こえてきてなんとなく安心して眠ったことを思い出した。

    料理人の佐吉は女房のあきがたてる音を聞きながら昔縁のあった女達がたてた音

    0
    2025年07月18日
  • 木(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    映画パーフェクトデイズで主人公が読んでいた本。
    多くの木々がわかめとして芽生え、少しづつ根を張り、その環境の中にある生物と共生しながら成長し、朽ちていく様は人間の生き方と何も変わらないと思った。

    0
    2025年04月08日
  • 木(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    品の良さが感じられます
    ヒトへのメタファーが感動を呼ぶのでしょうか。
    巧みに木とヒトを絡み合わせるので、単なる観察記ではありません。

    0
    2025年02月19日
  • 崩れ

    Posted by ブクログ

    これは名随筆。山肌が崩壊しているというだけの「崩れ」を見てここまで豊かに感じることができるものかとびっくりする。赤毛のアンのような自然に対する感度の高さ、しかし純朴というわけではなく。

    0
    2025年01月12日
  • 木(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    PERFECT DAYSの役所広司の気分で読んだ(^^)

    樹木を擬人化しすぎて感傷的に捉えすぎるところが気になったが、著者の深い心の動きが丁寧に表現されていると思った。
    藤の項で、父露伴が、子育てにあたって、植物を楽しむ心をこどもに持たせることができたら一生の財産だ、という信念を語る場面がある。ここが一番心に残った。

    0
    2024年10月23日
  • 幸田文 生きかた指南

    Posted by ブクログ

    手厳しいです、幸田文さん。
    時代もあるのかもしれないけれど、新聞上で悩みに答える章はなかなか厳しいものがありましたし、その時代の地方の暮らしぶりみたいなものも垣間見えてなんだか辛くなりました。
    幸田露伴に限らず文豪と呼ばれる人を親に持つ人はどんな気持ちなのだろう?と想像しながら読みました。
    幸田文さんの娘さんもお孫さんも書く仕事に就いているようなので、それもまた不思議だなあと思いました。

    0
    2024年09月08日
  • きもの(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    女性作家の作品はあまり読まず、読んでも面白いと思えるものがなかったが(アイン・ランドは極端で、ジェーン・オースティンは退屈だ)、
    この『きもの』は一気に読めてしまった。

    昔の東京の日常を描く細やかな描写は永井荷風を思わせるが、そこに女性独特の目線が新鮮だ。
    「きもの」を軸に繰り広げられる、家族の物語と人間模様。
    姉妹間での親からの扱いの違い、一緒に育ったのに全く異なる人間性、姉と妹の役割、など鋭い描写が興味深かった。

    主人公の三女・るつ子は、着物の見た目よりも着ごこちにこだわる。
    見栄を張る長女や流行を追いかける次女の承認欲求に比較して、自分の価値観を確立したるつ子の感覚は、一歩も二歩も進

    0
    2024年07月21日
  • 包む 現代日本のエッセイ

    Posted by ブクログ

    そうか、随筆か、エッセイではないのか。
    ぼんやりとしているが腹に落ちる。エッセイほどスラスラ読めない、でもじわじわくる。
    父娘のやり取り含めて育ちが良いとはこういう人物なんでしょう。

    0
    2024年07月16日
  • 木(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    映画『PERFECT DAYS』で
    主人公が読んでいた文庫本です。
    就寝前に少しずつ。
    たしかにそんな読み方が似合う。

     人にそれぞれの履歴書があるように、
     木にもそれがある。
     (P43)

    と考えて、林の木々を見に行ったり
    木を木材にする現場を見せてもらったり。
    木材にした後も「木は生きている」
    木造の建物が落ち着くのは
    それも関係しているかもしれませんね。

    0
    2024年05月17日
  • 季節のかたみ

    Posted by ブクログ

    すごく怖いというか、叱られ感が凄い、読んでいて。
    少なくとも背筋伸びてますよね?と暗黙の圧があるようで。。。
    こうなってくると父と娘の緊張感に繋げたくなりますわな、致し方なし。
    こういったお方は今後なかなか出てくることないのは間違いなし。

    0
    2024年05月06日