幸田文のレビュー一覧
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日記作品。明治を代表する人物「幸田露伴」、その寂しい晩年をみまもる娘の日記。だけどとてもみずみずしい。 「みずみずしい」なんて表現はきらいだけど、この文章には「みずみずしい」ってことばがとても似合っている。どの辺りがみずみずしいかって、作者のきもちがころころ変わっていくところ。たとえば死にゆく父を介護していても作者のきもちはゆれうごく。泣いたかと思ったら、次の瞬間には笑ってる。一日の気持ちの移り変わりをそのまま文にしている。 こういうのって、なかなかできない。だいたい「死」を前にすると、たいていの作家はなにか重苦しいテーマを書いてしまう。だけどこの作者はそんなの書いてない。じゃあ何を書いてる
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◼️ 幸田文「北愁」
幸田文はその言葉の使い方、言い回しに深みが見える。あそぎと順治、いとこ同士の人生。
幸田文といえば私にとってはベスト・エッセイスト。そして小説は「流れる」「おとうと」「きもの」この作品で4作め。独特のシチュエーションを設定しながらも、テーマは市井の人の考え方と行動、成り行きをつぶさに記し、その結果に人情を細やかに捉えている。
あそぎは文人の娘で向こうっ気が強い。年上のいとこ・順治は漁師の跡取りで優しく、あそぎの見立てではのろくさい。いつも顔を合わせているわけではないが近しい気持ちを互いに持つ2人。やがて時は経ち、あそぎも結婚して子どもができ、夫にまつわる女の影に悩み -
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幸田文の小説。
以下ネタバレ
ストーリー的には、ひどい話。
お父さん、作家、大黒柱、あまり収入はよくない、家事は全くやらない、家政婦を雇う余裕もなし。
お母さん 子供たちの実母の死去後、再婚で入った継母。クリスチャン、プライド高い、リュウマチが痛くて家事ができない。 母親の自覚あまりなし。
長女(主人公)高校生。家事のできない継母に代わり、炊事洗濯、衣類の世話、買い物、父母のお使いまでこなす。弟が発病後は弟の付き添い婦として病院に寝泊まり。
弟 中学を友人トラブル、万引きで退学になる。別の学校に転校するも自主退学、ビリヤードや乗馬、モーターボートなど娯楽にうつつを抜かし、19歳 -
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昭和30年代〜40年代に発表された10編からなる短編集。
いつの時代も生きていればいい時も悪い時もあり、日常においても心にさざ波が立つこともしばしばある。
そんな昭和の日常が作家の視線を通して繊細に描かれている。
個人的には表題にもなっている「台所のおと」がよかった。
病んで寝付いてしまった料理人が障子一枚を隔てた台所で女房がたてる作業の音から様々なことを感じとるという話。
的外れな感想になってしまうけれど子供の頃風邪をひいて寝ていた時 母が台所で作業する音が聞こえてきてなんとなく安心して眠ったことを思い出した。
料理人の佐吉は女房のあきがたてる音を聞きながら昔縁のあった女達がたてた音