幸田文のレビュー一覧

  • おとうと(新潮文庫)

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    文士の父、継母、不良の弟。そんな家庭の中で、病がちの継母に代わって家事を切り盛りし、弟の世話をするげん。女性のもつ真の強さとやさしさで、彼女にかなう人はいるのでしょうか。弟を看取った彼女に、彼女自身を守ってくれる男性があらわれますように。

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    2021年06月22日
  • 台所のおと みそっかす

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    作家 幸田文の随筆や小説を孫である青木奈緒が編んだ一冊。岩波少年文庫として編まれたことに、まずは驚きました。中学時代にこの本と出逢っていたら、また別の読書世界に誘われたでしょう。
    倒木したえぞ松の上に新たなえぞ松が着床し芽吹き育つ様子や、都会の下水道や救急活動を見学するルポ的文章に死生観を感じます。そして生活の挙手を丁寧に描いた小説には、地に足ついた重みを感じ、父 露伴との思い出を綴った随筆にはユーモアを感じます。幸田文への、そして新たな読書への入口に最適な一冊でしょう。

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    2010年03月26日
  • 父・こんなこと(新潮文庫)

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    再読しました。幼い頃に父が急死したので、こんな送り方もあるのかと。父子の濃密な関係に羨ましかったり辛かったり。

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    2010年03月09日
  • 番茶菓子 現代日本のエッセイ

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    私が好きな幸田文^∞^
    古本屋で初版を見つけてうっはうはだった
    初版はレトロな雰囲気でかわいいんです

    何故これかというと、あたしが虫歯で悩んでいるときに、この本に歯医者にまつわる話があったからです
    ただそれだけです笑

    ただ初版は旧字体で読みにくい!
    それだけが難点かな・・・

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    2010年02月05日
  • 父・こんなこと(新潮文庫)

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    父である幸田露伴との幼少時代の思い出から父の最期のときの思い出までを綴ったエッセイ集です。自分が親になったときに、父、露伴のようにに自分の子供をしつけることが出来るのだろうか。

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    2009年10月04日
  • 父・こんなこと(新潮文庫)

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    全編通しての美しいリズミカルな日本語が印象深い。

    「父」はすこし読むのがつらい。
    「こんなこと」は、壮年の日の幸田露伴の、文子への折り目正しい家事指南と
    はっちゃけた愛情の注ぎっぷりがまぶしい感じ。

    時々読み返したくなる本。

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    2009年10月04日
  • 父・こんなこと(新潮文庫)

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    この人の繊細な言葉選びや描写が好き。『父』と『こんなこと』の二つが入っていて、両方とも著者の父親である幸田露伴について書いてある。
    父親で大作家の本当の末尾までしっかりと書き込まれた私小説。

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    2009年10月07日
  • 崩れ

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    なんか読みたいなーと思いつつ、あんまり読めない今の私。とりあえず幸田文を購入。このひとの文章を愛してます。

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    2009年10月04日
  • 父・こんなこと(新潮文庫)

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     日記作品。明治を代表する人物「幸田露伴」、その寂しい晩年をみまもる娘の日記。だけどとてもみずみずしい。 「みずみずしい」なんて表現はきらいだけど、この文章には「みずみずしい」ってことばがとても似合っている。どの辺りがみずみずしいかって、作者のきもちがころころ変わっていくところ。たとえば死にゆく父を介護していても作者のきもちはゆれうごく。泣いたかと思ったら、次の瞬間には笑ってる。一日の気持ちの移り変わりをそのまま文にしている。 こういうのって、なかなかできない。だいたい「死」を前にすると、たいていの作家はなにか重苦しいテーマを書いてしまう。だけどこの作者はそんなの書いてない。じゃあ何を書いてるかっていうと、それは「気分」。露伴を看取る一日の「気分」を書いている。気分だからころころ変わる。怒ったり、悲しんだり、喜んだり、さまざま。そしてそんな気分といっしょに描かれた出来事は、ひとつひとつがとても印象的だった。特に自分は、氷を買いに行く場面がいちばん印象に残っている。 この作者は小説も書いているけれど、このエッセイ「父」がいちばん好きだ。こんなにうまく「気分」を書けた作品ってなかなかないと思う。(けー)

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    2009年10月04日
  • 季節のかたみ

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    文さんの季節の感じ方に共感したり、はっとさせられた。いいなぁ、文さんの文章。ページをめくって、季節が巡ると、ワクワクする♪

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    2009年10月04日
  • 父・こんなこと(新潮文庫)

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    幸田露伴は厳しい父ちゃんですが、
    素敵だなと思った。
    はたきをかける格好、掃除の音、
    「女はいつでも見栄えがよくなくてはいけない」「何のために音楽をならっているんだ」
    って娘に言えるお父さんは今、どれくらいいるのでしょうか…?

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    2009年10月04日
  • 包む 現代日本のエッセイ

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    儂が生まれた頃に書かれたエッセイ集。観察のこまやかさ、内省の深さは流石。人に対する観察には怖さも感じる。感覚は大変モダン。

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    2009年10月07日
  • 木(新潮文庫)

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    これは読むタイミングによって、心に染み込んでゆく時もあれば、退屈で何も入ってこない時もあって。でもどっちも今の自分であって、だからスイスイ読めて、あ、モードに入ったなって時は気持ちも高揚してぐいっと読めた。そういう時は、心が凪いてるのかな。
    映画のパーフェクトデイズで役所広司が読んでいて、私も買ったパターンだけど、読んでるとやっぱり役所広司が頭に浮かぶね。役所広司も寝る前こうして少しずつ読んでたなぁって。それがまた良い。

    ハイライトは、
    いい話をきかせてもらうことは、いつまでも減らない福を贈られたと同じである。

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    2026年10月06日
  • 雀の手帖(新潮文庫)

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    この随筆を読んでいると、女性だけが持つ視点というのは確実に存在するなと。ジェンダーのボーダレスが叫ばれる昨今、真の多様性も併せて消失してしまっているように思わされた次第。
    この作家の前で正座させられそう、愚民の当方は。

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    2026年08月12日
  • 木(新潮文庫)

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    植物に対する生死について今一度考えされられました。職業柄木とは切っても切り離せない関係にあります。枯れる、朽ちる、腐食する、加工される。様々な状態へと時間をかけて変化する中で何が植物にとっての死であって、生き続ける植物とはみたいなものを感じることができ良かったと思います。また表現力の豊かに目を瞑りながら目の前に景色が想像つくような感覚になり面白かったです。

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    2026年04月21日
  • 北愁

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    ◼️ 幸田文「北愁」

    幸田文はその言葉の使い方、言い回しに深みが見える。あそぎと順治、いとこ同士の人生。

    幸田文といえば私にとってはベスト・エッセイスト。そして小説は「流れる」「おとうと」「きもの」この作品で4作め。独特のシチュエーションを設定しながらも、テーマは市井の人の考え方と行動、成り行きをつぶさに記し、その結果に人情を細やかに捉えている。

    あそぎは文人の娘で向こうっ気が強い。年上のいとこ・順治は漁師の跡取りで優しく、あそぎの見立てではのろくさい。いつも顔を合わせているわけではないが近しい気持ちを互いに持つ2人。やがて時は経ち、あそぎも結婚して子どもができ、夫にまつわる女の影に悩み、事業の失敗で貧する。しじゅう北の海へ漁に出ている順治は、気位の高い最初の妻ときっぱりと別れ、優しい後妻を迎えて子をなしていた。危機を察して、順治はあそぎを訪ねる。人生経験を経た2人は何を話し、何を思うのかー。

    1972年、昭和47年の作品。幸田文の小説は、派手ではないが、心情を掘り下げることが多い。昭和時代、叔父叔母が多く親戚づきあいがさかんだったころに育った者としてどこか雰囲気を感じ取れる気がする。

    荒海の漁師で優しい男、気の強い娘は理知的でどこか哀しさを持つ相手を選び嫁する。設定はそれなりに際立つように、工夫されている。成り行きも対照がおもしろい。それぞれの立場だけでなく、心にわだかまる見えない女と、情景描写がない順治の漁が微妙にシンクロしているようにも思える。

    焦点は、家庭のこと、である。いかにも親戚同士の話題になるような事柄であるが、直面する人が多く関心があるであろう妻の気持ち、姑との間柄、そして夫の女関係と家計、病に至るまで、当人たちにとっての問題を取り上げている。

    あそぎの内面が中心の小説。少女時代からおそらく30代中盤くらい?までの変化と、日常に関して、問題について、極めて人間らしく切々と綴っている。たとえば川端康成は、女の恋情の表現、その文章は心に響くものだった。幸田文はもう少し素朴に、やはりしみじみと迫る筆致がある。

    加えて、幸田文についてはいつも書くこと、ちょっと庶民っぽく、また昭和の文人らしく、幸田文が使うとちょっと可愛らしくもあるような、がらっぱちさもほの混じる、しかも知的ささえ感じられる言葉、言い回しが彩りを添えている。ごったくさ、いりくりしゅんじゅん(入り繰り逡巡)、聞けば聞き腹、見れば見ばらが立つ、一寸のびれば尋のびる、などなど。その表現は、実の娘、青木玉や孫の青木奈緒にもエッセンスが受け継がれていると、著作を読むたびに感じる。

    あそぎの文人の父は、文の実父・幸田露伴をイメージするし、幸田文自身、嫁ぎ先の商売が傾いて離婚、家に戻った。その後しばらくして文章を書き始めたのであって、成り行きによっては文豪にならなかったかもしれない。あれも運命、これも運命、だなと。

    興味深い、味わい深い読書でした。

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    2026年04月09日
  • 台所のおと みそっかす

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    台所の音だけでわかるその女性の人間性。
    毎日聴いている生活音に、心地良さを感じられる伴侶ってすごい。

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    2026年02月17日
  • おとうと(新潮文庫)

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    遥か昔にお小遣いで買ってあった本を実家より持ち込んで、再再読。
    幸田露伴にもあまり興味もなかったのに、なぜ高校生のわたしはこの本を購入したのかが不思議。(弟がいるからだけ?)

    昔はヤングケアラーなんてコトバはなかったが、まさしく自分の人生が家族のために犠牲になってしまった幸田文さんの自伝的小説。
    いま読んでも、もし自分だったら同じ判断が出来るか?いや出来ない、と自問自答して読んだ。
    改めて自分の当たり前の幸せを、ありがたいと感じた。

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    2026年02月14日
  • 季節のかたみ

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    一文字一文字を 慈しむように読みました

    幸田文さんが綴る言葉は
    まるで季節の風そのもののよう…



    父・露伴から受け継いだ厳格さと
    その裏にある深い慈愛…
    そして何気ない日常の景色を
    「宝物」に変えてしまう
    鋭くも温かい観察眼に圧倒されました!!



    他にも厳しくも 凛とした文章の中に
    時折のぞく人間味あふれるエピソードが愛おしい…

    どんなに時代が変わっても
    大切にしたい「日本人の心」がここには詰まっていました!

    この美しい緑の表紙を眺めているだけでも
    心が穏やかに清々しい気持ちにさせてくれます

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    2026年02月11日
  • おとうと(新潮文庫)

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    幸田文の小説。

    以下ネタバレ



    ストーリー的には、ひどい話。

    お父さん、作家、大黒柱、あまり収入はよくない、家事は全くやらない、家政婦を雇う余裕もなし。

    お母さん 子供たちの実母の死去後、再婚で入った継母。クリスチャン、プライド高い、リュウマチが痛くて家事ができない。 母親の自覚あまりなし。

    長女(主人公)高校生。家事のできない継母に代わり、炊事洗濯、衣類の世話、買い物、父母のお使いまでこなす。弟が発病後は弟の付き添い婦として病院に寝泊まり。

    弟 中学を友人トラブル、万引きで退学になる。別の学校に転校するも自主退学、ビリヤードや乗馬、モーターボートなど娯楽にうつつを抜かし、19歳で結核を発症、寝たきりとなり1年余り後、死亡。


    父は人格的には立派であり家族への愛もあるが、子供の世話や家計、家政については全く疎い。結果、長女がヤングケアラーとして犠牲になっている。

    再婚の妻が家事に全く貢献できず、子育てにも向いていない女性だったのが決定的にアウト。こんな後妻、返品すれば良いのに。具合が悪くて寝てばかりで、娘にも息子にも愚痴や文句ばかり。全くこの家族の疫病神としか思えない。
    しかしもしも、継母が体が丈夫で優しくて、家事をバリバリこなす人だったなら…弟もちゃんと傘さして学校に行けて,お弁当もちゃんとしたものを作ってもらって,学校トラブルがあっても乗り越えて…この小説多分書けなかっただろう。

    長女…学業と家事と奮闘し,結核感染の恐れがあるのに弟の病院に寝泊まりさせられ、この子の父母は本当に情けというものがない。すべて彼女が犠牲になっている。
    縁談も断り,おそらく学校も中退ではないか。あたかも彼女のことを美談のように扱っているが,今なら人権問題。

    弟。 なんか一家の一番弱いところを代表するような人生。学校でも問題児にされてしまうところに運のなさを感じる。母親にも早く死なれ,家族の幸にも薄く,何もいいことない人生。





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    2025年11月16日