あらすじ
今朝の雲はもう居ません。その代わり、風が訪れてくれます。季節の移り変わりを見るのが、私は好きです。なにより有り難いのは、前向きの心でいられることでしょうか。時の移ろいを瑞々しい五感がキリリと掬いとった名篇。「くくる」「壁つち」「台所育ち」……。失った暮らしや言葉の情感が、名残り惜しく懐しく心にしみる、珠玉のエッセイ集。
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Posted by ブクログ
細やかな感受性に引っかかる生活の事柄。この人の手にかかると練り直され、新しい味付けをされ読者に提示される。ゆったりとした気分でないと自分には堪能できないことがわかった。
Posted by ブクログ
暮らしの手帳的、というか非常に生活という地面にしっかりと足をおろした「哲学」を感じさせる文章だな、と思う。そのあたりは親子の血は争えない。何気ないことを書いていながらはっとさせられるのは、こうした随筆の書き手として最高の手腕ではないか。男性にもおすすめ。
Posted by ブクログ
すごく怖いというか、叱られ感が凄い、読んでいて。
少なくとも背筋伸びてますよね?と暗黙の圧があるようで。。。
こうなってくると父と娘の緊張感に繋げたくなりますわな、致し方なし。
こういったお方は今後なかなか出てくることないのは間違いなし。
Posted by ブクログ
飾らない文章なのが良かった。時折出てくる父親からの話がどれも良くて、父親との関係はとても良かったんだなあと思った。「うちの中の教えは、出来の悪い部分を救ってやり、弱いところを養ってやる教えが良いように思うのです」という部分には心打たれた。自分の不出来は一生自分にまとわりつくものだから、それを親の言葉によって手当てできれば子どもにとってうれしいものはないのだと書いてあり、なるほどその通りだなと思った。