幸田文のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「なくしもの」。
妻がふと夫に嫌悪を抱く。
すると、まるで心を見透かされたように夫から別居の打診をされる。家庭が一番落ち着くと言っていた夫なのに、と妻はいぶかしむ。
妻が生き生きと働きだした結果、夫の目には「静かさと安らかさ」をなくしてしまったように映る。
最初は妻の嫌悪から始まるのに、夫の言葉に私までガーンと衝撃を受けた。自身を貫く一言って、あると思う。
「ドッコイショ」では、「人のからだは天然資源でできています」という言い回しが面白い。
使えば減る。減るのは定めだが、荒廃させるのはむざんだと幸田文は結ぶ。
彼女の文章に触れると、身体論ではないのにも関わらず、身体というものを改めて見 -
Posted by ブクログ
ネタバレ最初は独特な文体に戸惑ったものの、すいすい読み進めることができ、すぐに読み終わった。ただ、ところどころに日本語の破綻がみられる上に、最後の締め方がやや強引だったので素直に素晴らしいとは言い難い。しかし文章はきれいだし、女性らしい細やかな感性が感じられてよかった。主人公のげんは作者と重ね合わせて描かれているようだが、自伝的小説というにはうまくいきすぎている部分が多い気がする。物語の大きな転換点は碧郎が童貞を喪失するところだが、そこからいきなり2年とんだのには驚いた。遊びがなくなって性欲が抑制できなくなったのだと思う。それについてはちょこっと本文で触れられていた。それからの2年間は書くにも値しない