野﨑まどのレビュー一覧
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日本の新域で発令された「自殺法」は、世界を巻き込み始める
遂には、7ヶ国サミットで「自殺法」の是非が
各国トップにより討議される
この政治的議論の前に アメリカ大統領の
自殺、善と悪への熟考があり
キリスト教的視点から思考もある
タイトルの“バビロン”を 都市名のバビロンと思っていたけど 黙示録の大淫婦バビロンでした
聖なる者達の血に酔いしれる女
神によって焼かれ裁かれる女 p231
アニメのラストと大きな流れは同じだけれど
表現が違うところがあり
その部分については 私はアニメ派かなと思う
Ⅲに入りⅡの破滅的状況から舞台はアメリカに移り
まどさんの小説によく感じられる舞台の拡大化
結 -
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ネタバレ情報の処理能力を突き詰めるとまるで超能力のようになり、人間のまま神に近づいていくような知ルを見ているのが面白かった。
クラス5だと威張っていたエリートの連レルが、知ルに出会ってからはすっかり低クラスの顔をしているのもなんだか面白かった。
情景が浮かんできて読みやすいし、このコンビなかなか良いぞと楽しく読んでいたが、どうしても気になったのが終盤で二人が男女の関係になったこと。そしてそれを肯定する第三者が用意されていること。
成人男性と少女。今の感覚ではナシだけれど、10年前ならアリだったんだろうか。電子葉や情報処理の話、人智を超えた力を読むのはとても楽しかったのに、二人の関係ありきで話が作られて -
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天才作家と名高い野崎まど氏の描く、アムリタシリーズの2作目。
前作『[映]アムリタ』と比べると登場人物に癖がなく、また登場人物自体も少ないため、弾みの良い会話も相まってかなり読みやすい部類のミステリー。
だが、さすがは野崎まど氏。練られた設定は一癖も二癖もあり、一筋縄ではいかない展開が無数に読者を待ち受ける。
主人公の大学生・舞面真面(まいつら まとも)は義妹の水面と共に、叔父である影面から依頼を受ける。依頼の内容は真面らの曾祖父である舞面彼面(まいつら かのも)の残した遺言の謎を解くといったもの。
箱を解き 石を解き 面を解け
よきものが待っている
真面らは上記の遺言の謎を解いていく過 -
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ネタバレ薦められて読んだ。
設定が行き届いていて引っかからず読めつつ、情報素子や情報材などは星新一のようなざっくりしたSFっぽさで好みだった。
文体が小難しくなく平易なのもよかった。
うまいこと段階的に情報が明かされていって、主人公の独白のみかつ京都で4日間だけの話と限定された中で中弛みせず読ませられた。
知ルの倫理観が理解し難い場所に到達しており先生ともども死を厭わず、個人の生存欲求よりも上回る知識欲のための行動を命を捨ててまで選択させることで、人間の根源的に最も強い欲求は知識欲であることを強めに示していていいですね、と思った。自分もそれが起きたら自分はどうなるのだろう?ということを知りたいがために