工藤勇一のレビュー一覧
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今、不登校に苦しんでいる子どもたちや、その保護者の方々の中には、誰かを恨んでいる人がいるかもしれません。その多くは一方で、自分自身を強く責め続けてもいます。私はそうした人たちに「とにかくもう自分を責めないでほしい」「あなたは何も変わらなくでもいい」と伝えたいと思います。
一般に不登校になってしまった子どもの母親の多くは、特に苦しい思いをしています。こうなってしまった原因は自分なのかもしれない」と責め続けます。そして苦しくなっ思いは、夫や家族、他の誰かに向けられます。残念なことに、こうした母親の様子は、不登校の子どもの姿に色濃く影響を与えることとなります。子どもはさらに自分を責め、ほかの誰か -
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塾で働いていますが、手段の目的化とその弊害ということから始まる改善、改革、取り組みに感銘を受けました。「最上位の目標設定」は教育のみならずビジネスにおいても常に重要視すべきことだと感じます。生徒はすごく素直で、「何でこれをやらないといけないの?」という疑問は当然のように感じています。私自身、「何故やるのか」という部分こそ必ず伝えるべきだと改めて意識していきたいです。保護者の当事者意識という部分も非常に共感しました。「生徒の自己実現に向けた最高の協力者」と実感し、健全なコミュニケーションを取っていきたい。生徒の進路指導、やりたいが見つかる環境作りに悩んでいましたが、本書の麹町中学校のような環境は
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予想外だったのは、「ブラック校則」の撤廃そのものは重要ではなかった、ということでした。ブラック校則自体は、生徒が自分の生きる社会を変えていく過程で削ぎ落とされた、硬直した不要なシステムの一つに過ぎなかったのです。
それは学校という社会の本質的問題ではありませんし、校則についての議論を深めると、子どもたちを大人が作った無意味な対立軸に閉じ込めてしまい、本質的問題の議論から遠ざけることになってしまいます。
作られた対立軸のトラップは、学校に限らず、政治や統治の思惑が働く場面ではよく見られるものです。大人の社会でも瑣末な対立軸を与えていないか、手近な対立軸に乗っかっていないか注意する必要がありそうで -
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ネタバレ面白い。書かれていることは筋が通っていて、納得させられることが多い。久々に工藤勇一先生の著書を読んだが、やはり新鮮で刺激を受けた。
・学校の最上位目的は、子どもたちに社会で生きていく力を身につけさせること
・体内で使われるエネルギーのうち、25%は脳で使われている。
・無意識のうちにエネルギー効率の良いいつものパターンを選択するようになっている。
・相手の欠点に敏感なエラー検知機能がある。先天的なもの。
・ノルアドレナリンはやる気スイッチ、ドーパミンは気の散りやすさを軽減。
・未知の恐怖を新しいことへの期待へ
・自分でコントロールする力(タイムマネジメント力)もメタ認知力のひとつ。
・自分の -
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この本によれば、神経科学の知見から言える、子育てで大切なことは、「心理的安全性の確保」と「メタ認知能力の獲得」の2つ。
また、それぞれが大切である理由と、それぞれを確保・獲得するための具体的な方法も述べられています。
うろ覚えな部分もあるのですが、アドラー心理学に近い印象を受けました。
工藤先生もそうですが、大空小学校の校長先生だった木村先生も、学校教育を長いスパンで捉えているように思います。
中学校の校長先生だった工藤先生であれば、中学校の3年間、小学校の校長先生だった木村先生であれば、小学校の6年間を使って、子どもたちの成長を見守り、支える、という姿勢を強く感じますし、お二人とも、それが -
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☆学校とは子どもたちが、「社会の中でよりよく生きていけるようにする」ためにある
☆学校は来ることが目的ではない
☆分からないことが分かるようになるために、1つ目は分からない事を聞いたり、調べたりする。2つめは繰り返す
☆私服登校期間
☆行動の教育。心はみんな違っていい。
☆①何を教えて②どう教えるか
☆トラブルをどう学びに変えるか。相手を許さないのであれば、許さないことによって起きるリスクは自分がずっとおうことになる
☆動かない人を動かすには、戦略が必要。そのためには自分を知り、相手を知り、どの言葉を選んで、どのタイミングで発するか、さまざまな工夫がいる。
☆課題のリスト化
☆保護者も地域住民 -
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☆人のせいにしない、主体的にに課題解決に挑むことができる子。違いを尊重し、地道な対話を通じて、合意形成をはかることができる子。
☆しつけの最上位目標
「これは何を目的として子どもを叱ろうとしているんだっけ?」
☆1命に関わる危険なことはしない2人権的に反することはしない(犯罪、差別、いやがらせ、無視)
☆差別をしないとは知識と技能です。心のあり方ではありません。
☆ストレスには積極的コーピング。主体的に問題を解決する姿勢。
☆言葉と行動を変えようと繰り返し意識し続けていると、自分そのものが変わる。
☆①人は皆違うと理解する②感情をコントロールする重要性を教える③対立があったときの合意形成のはか -
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3つの言葉「どうしたの?」「君はどうしたいの?」「何をどうして欲しいの?」すぐ使っていく
・内省は難しい
・メタ認知の鍛え方①葛藤「でもあの時はすごく悩んでいたよね」「君なりにいろいろ考えたよな、あれですごく成長できたんじゃないか」②夢③その日に起きた嬉しかったことを尋ねる
・自分を知る力・自分自身をコントロールする力・自分を成長させていく力・ネガティブをポジティブに変える力
・三日坊主=自然なこと→繰り返しやすい仕組みを作る・自分に関する情報や評価を(自己否定の材料を「閉じるに使うのではなく「自分の成長の糧「に変えていく意識の改革そこが全ての出発点
意識改革・気づいていないことを言語化
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「教育の本質を問い直そう」「子供が主人公となる教育を考えよう」そんな想いで出版された本。
教育の本質的な目標は自らの力で自分を成長させられる術と、幸せな状態を作り出せる術を学んでもらうこと。
その両方の実現に不可欠な「状態」が「心理的安全性」、不可欠なスキルが「メタ認知能力」である。
この考え方に非常に共感した。
3年前まで小学校の教員をしていたので、刺さるものが多々あった。初めて高学年である5年生を担任したときに、子供達が「指示待ち人間」であることに衝撃を受けた。この後どうするかを自分で考える習慣がこれまでなかったんだな、と着任1日目でわかった。でもそれは、これまでの担任の先生の指導力とい