加藤シゲアキのレビュー一覧
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加藤シゲアキさんのデビュー作。これまで芸能人の著書は何となく食指が動かず読まず嫌いをしていたのですが、思った以上に鬼気迫る良作だったと思います。
文章表現も巧みで、何度も読み返したい文や心に引っかかる言葉が多くありました。
題材も、長く芸能界に身を置いている彼だからこそ説得力が増すように思います。
『ドキュメンタリー番組は勝手に「白木蓮吾の悲しみ」をでっち上げて、巧く編集し、視聴者はそれで彼の苦しみをわかったように思う。いくら僕が真実を語ろうと、僕の言葉はいいように素材として扱われる。結局意図しない形でそれらが使われるのは散々だった。それでも視聴者や彼のファンが彼について知りたいなら、僕は語 -
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ネタバレなんだかんだ読みやすくて好きな(旧)ジャニーズの加藤シゲアキ氏の著書。
今回は、なんと短編。しかも、短編同士に全く繋がりのない純粋なやつ。そして、今回もハズレなく普通に面白い。
お気に入りは「イガヌの雨」と「にべもなく、よるべもなく」の2つ。前者は合法が違法になる瞬間を大袈裟に描いたストーリー。もう、この条件下での物語が書きたくて仕方なかったんだろうな、って読み手が感じるくらい一発ものの設定ゴリ押し。だが、面白い。
後者は、ザ・純文学って感じで日常とほんの少しの出来事が描かれる。悲しみは際限ないから出来事として捉えるという考え方が魅力的。 -
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加藤シゲアキの初のエッセイで旅先での感じたことなどを書いている。個人的には不登校の小学生に対して感じた自身の見解を綴った「小学校」、自身の所属する社長の最期について触れた「浄土」が印象に残っている。昨今、小中高での不登校の数が増加しているとのニュースを目にするが加藤氏はいじめなどで心身に危機が及ぶ場合には無理して通う必要はないが学び方を学ぶために行った方がいいとしている。学校などの集団生活では授業では得ることのできない大きな学びや不条理な経験があり、それらを経験しておくとその後の人生がいくらかたくましくなると述べている。その中で「人生はいつだって何回だってスタートできる。けれど、自分より前に多
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ネタバレなんだなんだー
この疾走感!
伊坂幸太郎の再来か!?
This is エンタメ作品!!
素直に読みやすく、面白い(=^▽^=)
さて、このままAGE32完結編へ突入だ!!
本の概要
俺の言うことを聞いて。
どんなことでも。
22歳。僕は歌舞伎町のホストになった。
加藤シゲアキが贈る、甘美で危険なエンタテインメント、開幕編。
就職活動に挫折した22歳の光太は、カリスマホストの雫にスカウトされ、歌舞伎町のホストクラブ「チュベローズ」で働きはじめた。夜の世界の苛烈な洗礼を浴び戸惑う光太だが、客としてやってきた女性、美津子が憧れのゲーム会社に勤めていることを知り、彼女を誘惑して自ら -
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ネタバレ7話の短編集。
シゲの小説を読む度に「(無意識と言えど)色眼鏡で見ていてごめんなさい…!」と思う。
彼の頭の中では一体どんな世界が広がっているんだろう?と何度も思った程、多種多様の世界観が広がっていた。
特に「イガヌの雨」がお気に入り。
突然空から降ってきた地球外生命体イガヌと、イガヌの味の虜になってしまった人々。
イガヌの見た目のおぞましさと(よく食べようと思ったな)、血眼になってイガヌを求める人々が詳細に描かれていてゾッとした。
インパクトが強くて、見たこともない架空の生き物の筈なイガヌが頭から離れない。
「にべもなく、よるべもなく」もとても良かった。
多感な時期の若さ故の暴走という -
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加藤シゲアキ渋谷三部作、三作目。
〚ピンクとグレー〛〚閃光スクランブル〛でも感じていたが、現在と過去を交差しながら物語が進む展開なのにまどろっこしさがない。
子供らしい疑問、社会の不条理さ、社会と離れて生きる大人からの愛情を感じ成長する彼と、その出来事を心に鍵をかけ記憶をなくし大人になった彼の世界が交差していく。
どの登場人物にも共感できないのに、どこか自分でも感じていた言語化するには難しい社会への嫌悪感を、言語化してくれたような、解き放ってくれたようなそんな感覚になった。
そして物語の途中でタイトル「Burn.」の意味を理解した時に戦慄した。