加藤シゲアキのレビュー一覧
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ネタバレパパラッチとアイドルのおはなし。
あらすじだけ見ても特に惹かれる内容ではなかったのですが←
とても面白かったです。
わくわくドキドキ、時にスリルを感じるような
シーンの切り替えがたくさんありました。
でもすごく心が動かされるとかじゃないんです。
書き方…なのかな?
淡々と綴られる物語がとくとくと心の中に注ぎ込まれるような感覚。
続きが気になってしょうがない!!
って感じにならないのに、気づくと読み進めている自分がいました。
読み終えた今も満足感がたっぷりあるのですが
激しく心を揺さぶられたというよりも、静かに心が満たされた感じです。
「ユウアがいなくなってからもう八年も経つのに、君はユウアの死を知ったときと同じ量の涙を流し続けている。」
主人公の一人、巧の義理の父親のセリフですが、わたしの中ではこのセリフが一番心に刺さりました。自分めもとしてこちらに残しておきます。 -
Posted by ブクログ
劇作家のレイジは元天才子役として活躍していたが、その頃の記憶が無い。レイジは奥さんと共に交通事項にあう。病院で子供時代に知り合ったドラッグクイーンのローズと再会する。ローズとの再会で過去の自分を思い出す。
天才子役だった時は子供らしさがなくいじめられても嫌だと否定できない機械的だった。その時にローズとホームレスの徳さんと知り合う。2人と出会って家族みたいに過ごしていた。そこから子供らしさを取り戻す。
レイジが機械的な子供から子供らしさを取り戻す、お母さんとの関係を取り戻す、奥さんとの間に子供が生まれ自身が親となる。家族だったり自身が生まれ変わるがテーマである。機械的な人間から子供へ、子供から大人へ、大人から親へ。
今回も芸能界と渋谷が舞台。
加藤シゲアキくんの小説は3冊目でこちらもスラスラ読めた。
過去と現在、行き来する話の構成で読みやすい。
ピンクとグレー、閃光スクランブルとは違い、心が温かくなるような話だった。
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Posted by ブクログ
本屋さんでカドフェス2018の棚に並んでいた中からタイトル買いをした。 読み始めて作者のプロフィールを読んだが、なんと彼は30歳の若者で、ジャニーズのタレントだった。失敗したかもと思いながら。
だからどうというのではないが、タレントや芸人という既にその世界で名前が出ている人たちの本も多い。小泉今日子さんの書評は前に読んでいたのでとても好感を持っていた。タレント本という名前で苦労話や成功譚など特にファン向けにあるような本や写真集が出ていたが、最近は又吉さんのこともあって、タレントという名実ともに才能がある小説家で活躍する人が増えて来た。
世代の差や世界観の違いがあればレビューが難しいかもしれない、と重い気分で読み始めた。
短編が7編、初めての短編集だというが、キャラクターもストーリーもいい。べたべたの現実を自己流の視点で著すのではなく、心に拡がる風景を暖かく時には哀歓をもって語っていく。スタイルも言葉も新鮮で、年齢の差を超えて共感できる部分があった。
☆染色
美大生のはなし。橋げたにこっそりアートを描いている女性との出会いと別れ。
これは若者の平均的な生活の欠片のようだが、今時感がたっぷり。
☆Undress
タイトルが面白い。
父親のように零細企業に勤め倒産の憂き目にあいたくない。家族は満足な暮らしができなかった。そんなのはごめん だ。
猛勉強をして有名広告会社に入り実績を積んだ10年。さあ念願の脱サラだ。脱いで重なったスーツは過去の抜け殻だった。送別会の拍手に送られて、こちらも選りすぐった赤いボールペンを配った。残った一本は自分用に。
休暇が始まった。実績があるし未来には余裕があった。そろそろひた隠しにしていた彼女と遠慮なく会える。と思ったが。彼女の意外な真実が甘い未来を打ち壊す。軽いミステリかも。
☆恋愛小説(仮)
出版社から「男子の恋愛」という女性週刊誌から執筆依頼が来た。という書き出しで。これで作者は何を書くのかちょっと期待した。
これは上手い。着想がファンタジックなSFだ。
書けるはずがないと思いつつ題名は「恋愛小説(仮)」とした。とりあえず200文字書いた後酒を飲んで眠ってしまった。200字に書いた理想の美女とのあれこれをそのまま夢に見た。200字書けばそれを夢に見る。次々に200字だけの内容は理想通りに更新して付き合いが発展して行った。200字の夢に取り込まれた。だが。予想外なことに。
この依頼は実際にあったそうだ。
☆イガヌの雨
イガヌは食べ物だ、18歳未満は食べてはいけない決まりがある。
イガヌは突然飛行機から降ってきた、それから毎年12月に降ってくる、おいしいし薬効がある、栄養が豊富で食べれば餓死寸前の子供がみるみる回復する。試験明けの開放感で友達と初めて食べた。おいしすぎて従来の家庭料理や食材が消えていく。
☆インターセプト
なんとなく自分留意いいと思った彼女の落とし方。
こんな所はこう演じるのか、スーパーボールで黄色いタオルを降ることなどまねる。
大人な世界が若者風に。
☆おれさまのいうとおり
ゲームをしていたら8階なのにベランダから「おっさん」が入って来た。
「LOOPER」とか「時かけ」だの「タイムリープ」だのという言葉が挟まる。おっさんは俺の恥ずかしいことまで知っている。これは未来の俺か。まじで?
☆にべもなく、よるべもなく
田舎町なので首都高速に乗ったことがあるという工藤先輩を尊敬している。中三で「妄想ライン」という小説で小さな賞を取った、村で知らない者はない。先輩は首都高を走ったのか、免許もないのに。
しかし親友のケイスケは、フィクションだろうそれでも本質には変わりがない、という。
ケイスケの秘密を知って、彼を理解するのに時間がかかった。
浜で独り暮らしの根津ジイとは親しくしていた。ケイスケが遠くなっていく姿を見て、根津ジイがいう。
「お前、なにか間違ってるな。人ってのはな、喜ぼうと思っても限界があるが、悲しもうと思うと際限なく悲しむ悲しむことができる。わしは悲しんだりしない。ただの出来事として受け入れる」
喜びは有限。悲しみは無限。僕は心の中でそう何度もつぶやいた。
先輩は実際に運転したのだろうか、免許を取った僕は首都高を走っている。
スタイルも、テーマもよく考えられ面白かった。アイドルで今30歳の加藤シゲアキさんに若書きとは言えない。
私はその頃子育てで忙しかった、環境は全く違っていても、この短編集の面白さはよくわかる。
言葉の感覚もテーマも好きなので、こういった人間性や観察感の豊かさが好きでこれからもいい文学を作り出してほしいと思う。ずいぶん世代のギャップはあるが現代の若者言葉もうまく嵌っていいリズム感を出している。 -
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第170回直木賞候補作!
絵画が秘める謎に導かれ、幾重もの時代と交差する人生を辿る壮大なクロニクルミステリー。
報道局からイベント事業部に異動したテレビ局員・守谷京斗(もりや・きょうと)は同僚に一枚の絵画の展覧会企画を相談される。
画家の正体を探り秋田の未解決事件に行き着くが、それはある一族の秘密に繋がっていた。
法の権威、報道の使命、凄惨な戦争、家族のかたち――百年の歳月を巡り明かされる真実とは。
著者の新章を告げる傑作。
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地元が舞台になっているということでずっと読みたかった作品。
地元シーンでは風景を想像しながら読み進められたし、名前にも親近感が湧いて興味深く読んだ。
面白くはあったけれど、期待値を高くし過ぎたせいか、自分が思っていた以上の感動は得られなかった。
土崎空襲のことは地元の歴史としてどこかで勉強したいなと思う。 -
Posted by ブクログ
非常に端正な物語だった。が、個人的にはもう少しオルタネートという高校生限定のマッチングアプリという設定をいかんなく生かして劇的な展開や想像を超える展開を作り出せたんじゃないかと考えてしまう。特にオルタネート信奉者の凪津の結末は正直最初から予想できてしまうものであった。そこが個人的に納得感が薄いところ。
尚志のストーリーも個人的に熱量があまり感じられず、ロックになり切れていない感があって、どこか突き抜けていないように見えた。
唯一容のストーリーは劇的な展開こそなかったものの、奇麗なストーリーとして完成はされていたと思う。
とはいえ読みやすい文章ではあったし、本屋大賞としてノミネートされる理由も納得はいく。
ただトップ5に入らなかった理由も、上記のところにあるのではと思ってしまう。まさに、ガイドブック通りの旅行ではなかろうか。