加藤シゲアキのレビュー一覧
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シゲアキ先生の超大作!!!
先生の作品は『オルタネート』に続いて2作目でしたが、構成力も言葉遣いも格段にパワーアップしていて、本当に同じ作者なの?と思うほど面白かったです。『オルタネート』では、有りそうで無かった高校生の恋愛アプリという凝った設定が魅力的でしたが、それとは全く違う方向に進化していて驚きました。
『なれのはて』は複雑に入り組んだストーリーにも関わらず、すべてが綺麗に整理されていて圧巻でした。昔の猪俣家の物語と、現代のテレビ局での物語が二軸で進んでいく構成は、ミステリーのようであり、時代小説のようでもある不思議なジャンル感。数多くのトピックを扱いながらも伏線がしっかり回収されて -
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1つの無名の絵の著者にまつわるミステリー。
これが一体誰が描いたものなのか、そこから広がる謎が楽しい物語。
最後の100ページだけでもう1冊作れるんじゃないの位の怒涛の伏線回収がまっています。
ハードカバーで表紙も凝っており、そのカバーを外した表紙も最後までみると伏線が入っていたりして読んで、見て楽しい本でした。
1つ言うなら少し登場人物が多い上、少し難解な読み方をする方がいるので期間を空けると違う名前で読みだします。半分位あだ名付けて読んでしまっていました。
そして戦争時の生々しい描写もあるため、戦争に対しとても理解が深まったので自身は良かったとしつつ、そういった話題が苦手な方は注意してお -
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ネタバレご贔屓作家さんです(笑)
読み始めは短編集です。
登場人物の関係図が章の始めに描いてあり、
メインとなる人物の名前が太字になっています。
お話しによってメインになる人物が違うのですが
全部の人間関係が繋がっております。
こういう短編集好き!!
でもシゲは短編より長編が好きだなー!
とか思いながら読み進めると、
中心となる人物が浮かび上がってきて、
最後の章は相関図の名前が全部太字になります。
全員がメイン!?
わくわくはMAXですよね(笑)
最後の最後で一気に事件が起こり(笑)
全てが解決していきます。爽快。
前半は短編集で登場人物それぞれの人生を楽しみ、
最後でミステリー?を楽しむ。
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表紙がキレイで購入したけれど、どうしても著者がアイドルというのが先入観としてあって、最初はうまく入り込めなかった(ごめんなさい)。しかし最後まで読むと、その色眼鏡がどれだけ失礼だったかを痛感させられ、裏切られた、あっぱれ!という感情に変わった。
三人の主人公の話が順番に織りなされていき、高校生限定のSNSであるオルタネートとの関係性も三者三様。本題はオルタネートではなく、あくまで高校生のほとばしるエネルギーとその向き先だ。一言で言ってしまえば学園もの、青春ものなんだけれど、三人の主人公の物語が最後には交わって大団円を迎えていく様は読んでいて気持ちがよかった。 -
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真相が気になって夢中で読んだ。
ときどき前に戻って読み返し、確かめながら。
それぞれの人生のままならなさに苦しくもなりながら、純粋に生きていることへの眩しさも感じたり。
冒頭(零)の詩のような文章がずっと気になって
何度も戻って読み返し、でも違和感がなくならず、最後に戻って読んだとき、ようやく全てが繋がった。
主役になり得る人物が何人もいて、濃い。
戦前戦中戦後が語られていて、時代情勢が入ってくるからとても読み応えがあった。
こういう歴史を学べる小説とても好き。
時代を行き来するところもとても好き。
色んな人の色んな人生が繋がって影響しあって生きている。
装丁のこだわりも素敵。
石油 -
Posted by ブクログ
これを現役アイドルが書いたのは まずい。そのくらい凄い。まるで遺作のつもりかのような物凄い気迫。「これを書き上げて、まさか本気で死ぬつもりではないだろうな。」読後に著者が変わらずアイドルを続けていることを調べて安堵した。
“甘美で、絢爛で、絶望的に素晴らしい世界(芸能界)”に魅せられ溺れる人間の哀しさや慄然とするほどの享楽を、その至る結末を、ここまで描いて"しまった"作品は、少なくとも国内ではほかに並列するものがない。
処女作にして渾身の一撃とはまさにこの事。文章はやや荒削りかもしれないが、一読して、そんなことはもはや問題ではない。
「絶望的に素晴らしい」世界。人間として