加藤シゲアキのレビュー一覧
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高校生限定のSNSアプリ「オルタネート」を中心に、3人の高校生がそれぞれの悩みや葛藤を乗り越えながら成長していく物語だ。オルタネートは恋人を探すためのマッチングアプリだが、恋愛だけでなく、友情や将来への不安、家族との関係といった若者特有の問題が交錯する場となっている。
印象的だったのは、主人公の一人・蓉が進路に悩みながらも、自分を支えてくれる人との出会いを通じて未来への希望を見出していくシーンだ。また、SNS上のつながりが現実の人間関係にも影響を与える描写もリアルであり、現代の若者たちが抱える孤独や葛藤が鮮明に描かれている。
オルタネートの存在は、人と人を繋ぐ一方で、誤解やすれ違いをも生む場と -
Posted by ブクログ
最近気になっている加藤シゲアキさん。
デビュー作を手に取った。
幼なじみの大貴と真吾。2人はスカウトされたことがきっかけで芸能界に足を踏み入れる。しかし、真吾だけが売れていき、2人の間には溝ができる。
現在と過去が交互に語られる。
子ども時代や青春時代の無邪気な描写もあるのに、終始不穏さが漂っていた。
売れた真吾の気持ちも、売れなかった大貴の気持ちも共感できるが故に、2人の間に溝ができていくのは切なかった。
芸能界についての描写はリアリティがあり、芸能活動をされている加藤シゲアキさんだからこその作品だなぁと感じた。
そして、中盤のあるシーンからの衝撃のラスト。
途中で出てきた、あるエピ -
Posted by ブクログ
青春……まさに青春群像劇だった。十代のきらきらをうつす……というよりも、ひりつく焦燥を描き出す感じの。どこかで経験したことのあるような感情も見え隠れする。年代が同じ加藤氏と感覚が近いからなのか、それすらも演出の一つだったのか。
「オルタネート」というSNSについて、冒頭では当たり前のように登場人物に「フロウ」「コネクト」と専門用語を言わせるなど、「技術を知らない我々」に疎外感をあたえる場面があったが、主人公3人のうちの1人、凪津がオルタネートを信奉していることから詳細な説明を独白してくれたことでストンと世界観が腑に落ちていった。外野から一気に内側に引っ張られる。突飛なキャラクター名などに引っ掛 -
Posted by ブクログ
ネタバレ同じ高校生だからこそ共感できるところが多々あり、勢いよく読み進められて物語も楽しめた。
登場人物たちの成長が凄く感じられてここから得られた価値観もいくつかあった。
その中でも「私は私を育てる」という言葉は響いた。
ここからは自分に当てはめての解釈になる。環境も重要ではあり自分だけの力ではどうしようも出来ないという場合もあるかもしれないが、そこだけに文句ばかり言っていても結局なにも変わることは無い。成長を求めるにせよ状況を打破するにせよ一番大事なのは自分自身が変わる事だと思う。小さなことでも行動に移していきそれを続けることは周りにも影響を与えると思う。
変わっていこうと考えさせられた作品でした。