加藤シゲアキのレビュー一覧
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いやはや……NEWSの加藤シゲアキくん。
デビュー作の「ピンクとグレー」は衝撃的だった…そして「なれのはて」では圧倒的な世界観。
ものすごい創造力と独特な表現力だと感心してたんだけど…なんというか、こんなジャンル?雰囲気?の違う作品も書けるのね…いやーすごい…
就活に失敗した光太はホストにスカウトされる。
ホストに抵抗はあったか父親を幼い頃になくし、身体の弱い母と年の離れた妹を養わないといけない…その為にはお金が必要。意を決してホストになることに…お酒が強い以外はホストとしての資質はゼロ。
そんな光太を指名に来た美津子。
彼女は彼を最終面接で落とした張本人だった。
罪滅ぼしのつもりで光太の -
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ネタバレちょっと感想が一言では言いにくい。本、読んだなあ!という感覚が残る。明快なエンタメ小説を読んだ時とは違うおもしろさ。
登場人物は不器用な人たち。不器用で懸命で、人間ってこういう感じなのかも、という気持ちになる。
「愛はわかりにくく、見えにくく、気づきにくい。だからわたしたちは足りないと思って、追い求めてしまうんだろう。」という文がある。愛は意外と身近にあると、言いたかったんだろうか。
最後はハッピーエンドという程ではないが、ほんのり明るい予感を感じた。登場人物達は、前より少し愛を感じる日常を、また懸命に歩んでいくのかなと思った。
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2023年の直木賞候補作
相続された一枚の絵を起点に、そこに関わる人々の焼死や画家の失踪といった複数の事件が絡み合う、ミステリー作品となっていました
今まで加藤さんの作品を2作読んでいます
今回の作品での著者の飛躍ぶりに驚きました
よく調べて、よく資料を読み込み、真摯な姿勢で
ただのフィクションにはとどまらない、実在の記憶を辿るような確かさがありました
物語は、秋田に根ざす一族の歴史を軸にした“地方の大河”的な骨格を持ち、その中で各人物が複雑に絡み合う群像劇として展開します
アクリル絵の具の製造販売という事業にまで焦点を当てている点は、地方史と産業史と
小説の幅を広げます
ただ、本作では -
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ネタバレ加藤シゲアキが書いたという理由で手に取った。どんなもんなのか読んでみたかっただけだった。面白かった。でもモヤモヤが残った。後半にショックを受けてからは流れが早くてすぐに読み終えてしまった。説得力があった。幼い頃から芸能界、しかもジャニーズであった人が書いたもの。芸能界ってそんな感じなんだなって。なんであの人は自分で死を選ぶのかなって思っていたけど、理由はこういうことも一つにあるのかなと思えた。姉のことも最後のりばちゃんが演じていた映画もわからない。よくわからないまま終わった。スッキリ!ハッピーエンド!ではなくモヤモヤ終わったけど、楽しめた。
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やっと読み終わった。
初め、アイドルが書いた小説という視点から
読んでいたのだが、なかなかどうして、
本当に失礼だがそう思えない程の内容の濃さ、
圧巻だった。
「ISAMU INOMATA」とサインのある一枚の
不思議な絵の謎を追いながら、秋田で石油で財を成した一族、猪俣家とその関係者たちの複雑な関係を軸に現在と過去が交錯しながら話は進んでいく。
決して明るい話ではないが惹き込まれ、
終盤、タイトルの「なれのはて」とは、そのような
意味だったのかと気付かされる。
恥ずかしながら、秋田に油田があることも知らなかったし、日本最後の空襲が秋田の土岐地区で、製油所の破壊を目的とした大規模な空襲があ -
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本書は、アイドルが書いた割には評価が高い、と言うたぐいのものではありません。
むしろ多忙の中、よくこれだけのものを書ききったな、と驚愕しました。
スケールが大きく、秋田の戦時中の歴史や美術品の著作権のこと、自閉症のことなんかまでものすごくよく調べてあって、それがリアリティにつながり、どっぷり物語の中に入っていけました。重い話ですがラストは爽やかな気持ちになれたところもよかったです。
とても面白かったのだけど、ちょっとだけ。
登場人物が多く関係性も複雑、また、現代と過去を行き来する構成の為、わかりづらくて慣れるまで迷子になりそうになりました。
この登場人物の多さが重厚感なんかにもつながるのだけ