あらすじ
かなわない――。天才肌の彼女に惹かれた美大生の葛藤。
書いた原稿がそのまま自分の夢で再現される不思議な現象にのめりこんでいく小説家の後悔。
幼なじみの秘密を知り、彼との接し方がわからなくなってしまった男子中学生の苦悩。
自分の心に正直でいたいだけなのに。
誰もが胸に抱える生きづらさを鮮烈に切り取った、著者初の短編集。
単行本未収録作品であるタイムリープSF「おれさまのいうとおり」を加えた全7編。
※本書は二〇一五年六月に小社より刊行された単行本に、「小説野性時代」(二〇一六年八月号)に掲載された「おれさまのいうとおり」を加え、文庫化したものです。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
短編小説なのに1つ1つ読み応えがある。 本に全てを吸収されたような虚無感が残る、すごい力が込められた文章だと思った。読み終わってすぐに感想を書かずにはいられなかった。 短編小説はどこか読み応えがなくて正直嫌いでいつも長編ばかり読んでいた。でもこれは長編を読み終わったような重みがそれぞれの話にあってむしろそれを受け止めていると次の話を読みづらくなる、どれが一番か選べないぐらい全てに力を感じた。表現も好き。 他の加藤さんの本も読んでみたいと思った。
Posted by ブクログ
心情描写力のうまさ4点、物語の展開のうまさ5点、着眼点・発想力5点。
私は自分にも人にも甘いですが、総じて高評価です。加藤さん監督のショートムービーを観ているような感覚で読めます。
気持ち良い作品ではないし、ズーンと重い作品でもないなけど、素直に面白かった、と言える一冊です。
Posted by ブクログ
カトシゲさんが本の執筆してることも賞をとってることも前から知ってたけど、なんとなく読んでなくて、カトシゲさん推しの子から勧められて読んだ1冊。
最高じゃないですか…………
全く後味は良くない、色んな世代の色んな人のどろどろがぎゅっっっと詰まってるような話ばっかりだったけど笑
そこで伏線かーーーー、、!!
そこにこの表現来たかーーーーー!!!!
の繰り返しであっという間に読んでしまいました…
イガヌの雨、インターセプト、にべもなくよるべもなく、が好きだったなあ
どろどろの性描写ぶちこまれてるのもどの世界観にも必須で最高すぎました。
解説にもあったけどこれからも色んな話を色んな表現で書いて欲しい、カトシゲさんの頭の中を見せてほしい。すっかりカトシゲさんの一愛読者になりました。
借りた本だったけどまた読み返したくなりそうだから自分でも買おうと思う。。
カトシゲさん、印税おとすからね!!!!!笑
Posted by ブクログ
傘をもたない蟻たちはって題名も素晴らしい。染色、インターセプト、undress、恋愛小説(仮)、どの短編もクオリティが高くて、アイドルの彼のことは1mmも知らないけど加藤シゲアキの幅と深さを見せつけられてる。イガヌの雨、こんなファンタジーというかSFも書けるんだって感じ。どれも個性豊かで結末が面白い。
Posted by ブクログ
シゲの作品読みたくて
たまたま古本屋で見つけたこちらを
記念すべき一作目に選んでみた!
いろんなジャンルの短編集で面白かった!
ほぼ全話に性的描写が入るのが気になったけど、、
世にも奇妙な物語とかで
映像化されそうな話ばかりで後味最高だった
にべもなく、よるべもなくが1番好み
「喜びは有限。悲しみは無限。
ただ出来事として受け入れる。」
Posted by ブクログ
短編集だと、『○○○』が1番好みの話でした。と書いてしまうことが多いけど、選べないくらいどれも面白かった!
すべて予想外の展開で、新鮮な気持ちで読ませてもらいました。色んな世界観が楽しめる作品。
Posted by ブクログ
なんだかんだ読みやすくて好きな(旧)ジャニーズの加藤シゲアキ氏の著書。
今回は、なんと短編。しかも、短編同士に全く繋がりのない純粋なやつ。そして、今回もハズレなく普通に面白い。
お気に入りは「イガヌの雨」と「にべもなく、よるべもなく」の2つ。前者は合法が違法になる瞬間を大袈裟に描いたストーリー。もう、この条件下での物語が書きたくて仕方なかったんだろうな、って読み手が感じるくらい一発ものの設定ゴリ押し。だが、面白い。
後者は、ザ・純文学って感じで日常とほんの少しの出来事が描かれる。悲しみは際限ないから出来事として捉えるという考え方が魅力的。
Posted by ブクログ
いろんな世界観の短編集
シゲの描く物語はどんなんだろうと思って手に取った一冊。ジャニーズとしての一面も持ちながらもここまでの世界観を描けるのはすごいと思った。
描写も的確で頭の中でストーリーが動いていくようにスッと読める内容で面白かった。
Posted by ブクログ
短編集。総じて状況の描写が的確で、映像が目に浮かぶようです。それぞれの話も仕組みやテーマが色々あり、いい短編集でした。最初の話が特に好みでした。結構好きなので、別の作品も読んでみようと思います。
Posted by ブクログ
7話の短編集。
シゲの小説を読む度に「(無意識と言えど)色眼鏡で見ていてごめんなさい…!」と思う。
彼の頭の中では一体どんな世界が広がっているんだろう?と何度も思った程、多種多様の世界観が広がっていた。
特に「イガヌの雨」がお気に入り。
突然空から降ってきた地球外生命体イガヌと、イガヌの味の虜になってしまった人々。
イガヌの見た目のおぞましさと(よく食べようと思ったな)、血眼になってイガヌを求める人々が詳細に描かれていてゾッとした。
インパクトが強くて、見たこともない架空の生き物の筈なイガヌが頭から離れない。
「にべもなく、よるべもなく」もとても良かった。
多感な時期の若さ故の暴走というのか、うまくいえないけれどそういう青くて強いエネルギーを感じた。
シゲの作品に出てくる、ちょっと世離れしたお爺さんが好きだなぁ。
Posted by ブクログ
短編集。タイトルの「蟻」とは一般的でちっぽけなひとりの人間。ひとつひとつの短編に、人間らしい欠陥や悩みを抱えた人物が登場する。
あとがきにあるように、それぞれの作品にテイストや制作意図があって面白い。私は「恋愛小説(仮)」「インターセプト」が特に好きだった。
そして、読みながら、アイドルだから云々という評価の仕方はもう古いなと思った。作家としてのシゲは作家として応援していきたい。
Posted by ブクログ
どれも面白かったのですが、特に『イガヌの雨』の世界観が好きでした。イガヌに惹かれる少女とイガヌを嫌うおじいさんの物語。新しくより良いと思われる食材イガヌは、完璧な栄養素で味も抜群に美味しい。しかし、どこから来たのかも分からず、まだ全てが判明しているわけではない。
イガヌの描写は明らかに誰しもが嫌悪感を覚えそうな見た目なのに、皆がこぞって食べようとしているのが不思議です。それほど魅力的な味なのかと気になってしまいます。デビュー作も好きでしたが、本作もなかなか好みの作品でした。
Posted by ブクログ
世にも不思議な物語を活字で読んだって感じ。
特に「インターセプト」が好きだった。
加藤シゲアキの本を読んだのはオルタネートからだったんだけど、この人の描く描写結構好きだなぁ。「イガヌの雨」の食事の描写とかこちらまで魅力的に感じられる表現で、読みやすいし、お話も面白い!
Posted by ブクログ
それぞれのお話が最初は設定などが理解できないけど、段々のめり込んでしまっていた。
新感覚な描写や設定が楽しかった
最後のお話を読んだ時はすっごく深いところに突き落とされた感じがしたけど、深い意味は理解できなかった
大人になってから読み返したいなと感じた。
Posted by ブクログ
舞台化された「染色」が気になって読み始めたけど、どれも面白かった。
中でもインターセプトはお気に入り。最後に主人公じゃない人の目線で実は同時にこんなこと起きてました!のタイプのやつ。
染色は、大学生っぽくて青春だなって思ったけどエッチな(?)内容もあって、この主人公を推しが演じたのかあと勝手にショックを受けた。(舞台は見に行けなかったからどんな感じかわかんないけど)
ジャニーズなのに文才もあってすごいな加藤くん!
Posted by ブクログ
短編集。美大生時代に出会った、自らのからだに色を塗らないと気がすまない若い女性アーチストと短い恋を綴った「染色」、突如飛来しだした宇宙生物イガヌがとても美味しくてみんなが夢中だという「イガヌ」など、趣向はそれぞれ違うのだが一癖二癖あるような作品ばかりで楽しめた。
Posted by ブクログ
7編からなる短編集。
それぞれ生きづらさを抱えた主人公たちの葛藤がリアルで、感情移入できてもできなくても、繊細に描かれているなと感じました。
誰もが自分視点で日々を生きているけど、違う視点から見るとこんな風に見えてたりするのかなと。
自分では上手くやれてると思ってたことが、他人から見ると滑稽だったり。
なんというか、ぞっとする話も少なくなかったです。
年代も性別も違う主人公たち。
置かれた環境の悩みも人それぞれで。
描かれた内容もさまざまで、こんないろいろなストーリーを作り出せるのがすごいと思いました。
Posted by ブクログ
作者贔屓(笑)
あえて違うタイプの短編を集めたのかな?
と勝手に思ってます。
それぐらい好みのものと、そうじゃないものと分かれました。
イガヌ面白かった…!
Posted by ブクログ
はっきりと断言できない霞がかった世界感
身近に有りそうな無さそうなパラレルワールド感
映像化されて脳内に届く言葉紡ぎのリアル感
作者の紹介にもうあの枕詞はいらないですよね
Posted by ブクログ
加藤シゲアキ氏は読んでみたいなと思いつつも正直どれも読みたいジャンルではなく(笑)これならいいかと手に取った作品ですが、驚きました。普通に面白い。
Posted by ブクログ
9つの短編
1つ目が好みでなかったようで全く頭に入ってこず、読むのやめようかと思ったけど読んで良かった!3つ目以降が全部良い。途中サイコな話は真梨幸子さんの嫌な女性を思わせる書きっぷりで小気味良いゾワゾワ感だった。最後の1つはもっと膨らませて1小説書き起こせるくらいに感じた。
Posted by ブクログ
「染色」★★★
「Undress」★★
「恋愛小説〈仮〉」★★
「イガヌの雨」★★★★
「インターセプト」★★
「おれさまのいうとおり」★★★
「にべもなく、よるべもなく」★★★
Posted by ブクログ
短編作品が7冊ぎゅっと詰まったとても読みやすい1冊。どのお話しも普通の日常として暮らしてる主人公達かと思いきや、気がつくと奇天烈な展開になっていて面白い。自分では想像も付かない執着心や欲望や葛藤が、奇天烈な感情を生み出していく様はミステリアスだけど共感させられる文章のテクニックは流石である。主人公たちを取り巻く風景も想像しやすく人間の複雑な内面を表現する語彙力のセンスは鳥肌が立つ。どのお話も読んだ後は余韻と共に口角を上げて目を細めてしまいます。小説家としての加藤シゲアキさん、これからの成長が楽しみです。
Posted by ブクログ
加藤シゲアキの引き出しを見たい人、集まれ!
いろんな方向性を探った短編集。
加藤シゲアキ=青臭くて、文章が映像として頭の中で再生される。
それだけは揺るがない(笑)
けど恋愛物から奇妙な話まで、短編集とは言えど、よくこれだけ書いたなと思う。
中でも『イガヌの雨』は、ちょっと衝撃でした。
「食」がテーマですが想像すると、ちょっと怖くなる(笑)
もっともっと毛色の違うものも書いてみてほしいところです。
少し前の作品集なので、今はどうなってるのか。
今後が楽しみ。
(昔NEWS推しだった色眼鏡はあるかも…笑)
Posted by ブクログ
7つの作品からなる短編集。
人物の心情を的確に表現していて、とても読みやすかった。
男女の関係(1部男男)が描かれていることが多く、生々しい描写も多々含まれる。
仕事熱心で1列に並んでいる蟻が、雨が降ったらバラバラになるだろうという思いでこのタイトルにしたというような後書きがあったが、挫折から立ち上がる様を描きたかったのかな…?
実際に現実で有り得そうなジャンルから、絶対ありえないようなジャンルまで、様々な短篇で構成されているが、「イガヌの雨」が1番好き。
近い将来、現実で有り得そうな話だったから。というより、もしかしたらもう起きているかもしれない。おじいちゃんがイガヌを嫌う理由がわかるような気がした。