あらすじ
大阪やパリ、スリランカ紀行から、故ジャニー喜多川氏との思い出や学校の意義を問う思索まで、広義の“旅”をテーマにした著者初のエッセイ集が待望の文庫化! エッセイ15編、“旅する”掌編小説3編の他、文庫版あとがきも収録。《解説・朝吹真理子》
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Posted by ブクログ
あまりにも良く……むさぼり読みつつも、最後の方はあえてちまちま本を閉じた。この本の終わりが来るのが嫌で。
私は長年NEWSを追っていたので、その分沁みるパートもあったとはおもう。
でも、そのあたりの感動や贔屓目を抜きにしても、加藤シゲアキにしか書けない良質なエッセイ集だった。
ウィットに富み、あきらかに繊細な人間のそれなのにワイルドさが滲み出ている。この人が書く旅エッセイが面白くないわけがなかった。
一応著作は読んできたはずなのに、なぜこれだけ飛ばしていたのか……自分の勘の鈍さがうらめしい。
Posted by ブクログ
星5どころじゃ全然足りない
これは間違いなく私の人生の指針となる
ある種の聖書のような存在、人生の代名詞とも言える書籍だ
人生に打ちひしがれる度にこの本に戻ることでまた前を向き直せる1冊
Posted by ブクログ
アナザースカイ視聴後気になったので購入し、旅行のお供として旅先で読みました。
アイドル+作家という異色の経歴を持つ著者ですが、彼の内面の多くが旅によって形作られていたのかと興味深く読ませてもらいました。
私もいつか旅行ではなく旅に出たい、そう思わせてくれる本です。
Posted by ブクログ
友からおすすめだよ、と譲ってもらった本。
シゲの作品を読むたびに「アイドルの作品」と無意識に色眼鏡で見てしまったいた自分を恥じる。
お祖父さんとの思い出を書いた、「岡山」が好き。
この本を読んでいる最中に、偶然NEWSの野外ライブの映像がテレビで流れて、「あ!踊る方の加藤シゲアキだ」と不思議な感覚になった。
「浄土」の社長の話は、あの事件があった事で少し見え方が変わってしまった。でもきっと、あの章の言葉たちに嘘や偽りはないんだろうと思う。
あと、シゲの文章の締めくくり方が好きだ。今までの伏線を綺麗に回収している感じ。オチを付けるのがうまいというか。
Posted by ブクログ
加藤シゲアキの初のエッセイで旅先での感じたことなどを書いている。個人的には不登校の小学生に対して感じた自身の見解を綴った「小学校」、自身の所属する社長の最期について触れた「浄土」が印象に残っている。昨今、小中高での不登校の数が増加しているとのニュースを目にするが加藤氏はいじめなどで心身に危機が及ぶ場合には無理して通う必要はないが学び方を学ぶために行った方がいいとしている。学校などの集団生活では授業では得ることのできない大きな学びや不条理な経験があり、それらを経験しておくとその後の人生がいくらかたくましくなると述べている。その中で「人生はいつだって何回だってスタートできる。けれど、自分より前に多くの人がスタートしている。そしてその多くの人と並んだり、追い越したりするためにはら生半可な勉強では追いつけないことだけは覚悟しておくべきだ」と表記しており若い頃から学業と芸能の世界を両立して生半可ではない努力をしてきた加藤氏の言葉には説得力があった。
Posted by ブクログ
チームNEWS歴17年.
共に歩んできたからこそシゲ、いやシゲアキ先生の心の内を文字としてわかって嬉しかった。
いつも俯瞰的にNEWSを見てる、どこかでネジ落としてお茶目なシゲだけど、どっか距離を感じてて……好きだけど大好きなんだけど、言葉で言えない距離間というか見えない壁がある。少しでも理解できればなー〜なんて思ってた(ファン心)、ちょっと近づけたかな。UR not alone
Posted by ブクログ
『ピンクとグレー』を読んで加藤シゲアキさんに興味を持ち、このエッセイを手に取った。
繊細な感性を持った方だなと感じた。
あと、どこか俯瞰して自分を見ているというか…。
メキシコやスリランカへの旅、ジャーニーさんやおじいさんのこと。加藤さんの人との距離感、不器用だけれどどこか美しい文章に好感が持てた。
Posted by ブクログ
震災の時、悲しい映像の中ふと流れた楽曲に目を見張って、それ以来某事務所ウォッチャーの私。
NEWSは仕事がキツかった頃にハマって(励まし系の曲が本当に染みる)、最近は若手に浮気していましたが、友人から回ってきた新譜の、なんとも大人の色気が滲み出たシゲの歌声に驚いていたところでした。
あの事務所の子たちは(どの芸能人もそうなんでしょうが)表の華やかな顔ばかり存分に見せて裏の努力はちっとも見せない。
そんな中、事後とはいえ文章で少なからずその時の葛藤を吐露できるシゲの存在は貴重だと思います。
しかも10年磨いてきたテクニックと語彙と構成力がどんどん増してて(自我はほどけてきた感じ)、旅エッセイとしても、読み物としても面白い。
著作全部読んでるけど、一作出るたびに読み応えが増している気がします。
表紙の表紙も本人が撮ったものだとか。
真ん中の写真、なんとなく岡山な気がする。
事務所の中ではかなりクセツヨ枠の彼。
なんだかんだ言っても、ずーっとチェックしちゃうんだろうな。
Posted by ブクログ
時間も場所も旅できるエッセイとショートストーリー。
旅のお供にしたいと思える1冊。
ジャニーズ好きでなくても、オススメです!
旅先がキューバから始まり、場所は大阪・岡山・ニューヨーク・スリランカにパリ。
間で学生時代の思い出や趣味である釣りの事、亡くなったお祖父様やジャニーさんとの思い出。
著者の体験を基に、場所も時空も旅できました。
ショートストーリーは心が温かくなるような話で、ちょうど良い。
なかなか気軽に旅行しにくくなってしまったので、旅行気分が味わえました。
少々、頭でっかちな著者が相棒になりますが(笑)
いつか旅行に行く時は、一緒に連れて行こうと思います。
Posted by ブクログ
旅を主軸としたエッセイ集。「Trip 12 無心」が最も印象的だった。周囲の評価に囚われず、己の内のみに焦点をあて、やがて己からも離れて無心になるという、「境地」を目指す話。なんとなく『走れメロス』を思い出す。ここでいう「境地」に近い感覚は、学生時代に何度か経験した気がする。時間が比較的ゆっくりあったから、今より思考が深くて、精神が成熟していたのかも。
Posted by ブクログ
たまたま点けたラジオで自分の敬愛する伊集院静氏とのエピソードを話しているのを耳にして。アイドルである彼が作家でもあることは知らなかったが、伊集院氏との交流から旅に出たことにシンパシーを感じた。内容は旅にまつわるエッセイと掌編の小説であり、彼の内省的な側面を感じられた。
Posted by ブクログ
旅と読書と、歩いていく道。
憧れの地への旅、たどってきた地への思い、人生の師の言葉。記されたその時の気持ちは、芸能人と作家の二足の草鞋を履く著者の等身大の像を描いている。生前に知ることがなかった祖父や芸能界に導いた社長に思いを馳せる章が印象的。
旅は空間を超え、読書は時間を超える。コロナ禍で移動を控えていたけれど、また旅に出られるようになった。読書だけでなく、旅に出よう。自分の感受性を磨くために。