矢月秀作のレビュー一覧
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矢月秀作『鳩の血 警視庁公安0課 カミカゼ』双葉文庫。
シリーズ第2弾。鳩の血、ピジョン・ブラッドという言葉ありきで書かれたような作品。どこのどの辺りが公安0課という組織の特殊性を描いているのだろうか。公安が大騒ぎしたために焙り出された犯罪者という感じで、主人公の瀧川の活躍も無く、ストーリーにもスリルを感じない。
普通の警察官への復職を願う公安0課作業員の瀧川に命ぜられた新たな任務。最高級ルビー、ピジョン・ブラッドがテロ組織のミサイル取引に使われるという情報を得た公安0課は……
一頃の勢いに比べ、最近の矢月秀作はつまらなくなったように思う。 -
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大分県警にある刑事養成研修所を舞台にした作品。
実際に「刑事研修所」はないけれど、大分県警には「刑事研修員研修」はあるらしい…
序盤、刑事研修生6名の紹介はあるものの、中身はほとんど「刑事研修所」の教官・畑中の話。別所温泉の近くで起きた殺人事件の被害者の過去を洗うと言う仕事を受けた研修生たちは、ほとんど大分以外での捜査に割り当てられ、その活躍はほぼほぼ描かれない。
代わりに被害者の同級生だった畑中たちの仲間により、事件が動いていく…
果たして本来のタイトルの意味はどこに行ってしまったのだろうか?
この作者らしく、物語の展開の速さや巧さは今作でも十分に発揮出来ているだけに、タイトルと内容のアンマ -
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ネタバレシリーズ3作目、完結編。
前作の岐阜の騒動から、3か月。日向は奥多摩に身を潜め、嶺藤は家族の警護も兼ねて、豊洲のマンションに戻っていた。
年が明け、いよいよクリムゾンの計画が実行される時が近づき、日向と嶺藤は最後の闘いに挑む。
クリムゾンの犯行の理由にも今作では触れているが、結構重たい社会問題なのに、日本全体を爆破して、日本を作り直すとか、動機と行動のバランスが悪いのが残念。
でも、そんなに難しい動機でもなくて、他の著者のシリーズで感じた「結局何がしたかったの?」感はなかった。
3か月の間に嶺藤も異様にアクション慣れしてしまったし、この作品は絶対映像に向いていると思う。作品自体、難解ではないし -
Posted by ブクログ
ネタバレ評価は3.
内容(BOOKデーターベース)
医薬品検査組織「日医検」の向井智が失踪した。イチマル製薬のジェネリック医薬品成分の改鼠データとともに。その動きを察知した警察は、特別潜入捜査班“UST”を緊急招集する。製薬メーカーとその裏に蠢く巨大な権力と金。特別捜査官たちの命をかけた“非合法”潜入捜査が始まる!
あり得ない設定でまぁ面白いが・・・どうしても主人公に魅力を感じない。
普段馬鹿にされ駄目駄目なのに本当の顔は切れ切れな刑事。本当ならかっこいいじゃん~と思うところなのだが俳優ってのが学芸会みたいで駄目なのかなぁ?メンバーは皆個性的で頼りがいが有って素敵なんだけど。 -
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シリーズ第2弾。
警察の中でも特別潜入捜査班「UST」を舞台に描く変わり種。
普段は冴えない劇団員の田宮が、いざ捜査となると、どんな役にもなり切る…前回はホームレスの役作りから始まり、ホームレスをスカウトして、詐欺を行わせるまでの潜入の過程がなかなかスリリングで面白い!と思ったけど、今回はジェネリック医薬品を巡る不正を暴く厚労省の出向者の役なのだが、これがあっさり潜入成功…しかもチームを組むメンバーも1作目とは違うので、少し残念な感じも…
でも、後半のチーム一丸となっての立ち回りは、アクション作品としての面白さを感じられ、まだ2冊しか出てないのが、ちょっと寂しい。