矢月秀作のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
『警視庁公安0課 カミカゼ 』/矢月秀作
ハードアクションが売りの著者が次に表したのは、公安警察をベースにした本書でした。
主人公で一般の交番勤務の警察官である滝川。彼は元々、少年課への異動を希望していたものの、公安の「刑事の匂いがしない者」という要件に当てはまっているとし、公安へ。その持って行き方にも、著者ならではのハードな作風が現れます。。
公安の一員となった滝川は、水面下で武装化を図る市民団代「ハグ」へ潜入捜査を開始。
公安がベースとなっているだけあって、誰が味方で、誰が敵なのか、自分以外信じることができない状況と、裏に潜む黒幕は誰なのか、心を揺さぶられ、試され、それと共に上がるスリ -
Posted by ブクログ
『烏の森 』/矢月秀作
ハードアクションのジャンルでは、好きな作家さんの一人です。その中でも比較的最近好きになった作家さんですね。作品の匂いというか、真っ先に感じられるのは、切れ味抜群の鋭利な雰囲気が漂います。
これはこの著者の作品に通じるものの一つかもしれません。だから、人によってはその鋭すぎる感じ、もっといえば、リアルすぎる残酷なシーンはR15指定でもいいかもしれないと思えるほどです。
前置きが長くなりすぎましたが、本書は、西新宿を舞台に、自称お助け屋の主人公、椎堂圭祐が全寮制の高校で、虐められていた三並を助けますが、その後、高校に戻った三並が、殺害される事件が起きます。
復讐の為に、 -
Posted by ブクログ
矢月秀作『もぐら新章 血脈』中公文庫。
シリーズ再開。前作で確か影野竜司は……
新たなシリーズでは、竜司の遺伝子を持つ竜星が主人公の『もぐら』となるようだ。頭に描かれるAIやIoTなどの記述は影野竜司の生きた17年前の時代から現代に舞台が変わったことを認識させるという意図だろう。
あの超人的な影野竜司に比べると高校生の竜星では些か物足りないが、昭和の善き時代の劇画のようなストーリーは健在。勧善懲悪、男の闘いとロマンが描かれる。
ITベンチャーの仲井啓介は自社システムの実証実験の最中にシステムの誤動作により爆死する。システムを誤動作させたのは……