あらすじ
全固体電池の研究者が失踪した。その直前、燃料電池自動車開発に注力する中国資本企業から引き抜きのオファーがあった。事件に関係する早川と名乗る謎のヘッドハンター、そして裏には巨大な中国資本の存在が見え隠れする。警視庁は、この複雑な事件の解明のために、組織犯罪摘発のため、密かに設立した"非合法"潜入捜査チーム「特別潜入捜査官」への調査指令を出す!中国資本と技術流出。国家を超えた陰謀に、捜査官が立ち向かう
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Posted by ブクログ
今作は『早川』という人間に技術者が誘拐される。
面白かったけど、ヒヤヒヤした。
田宮以外の役者の危なかしさ、絶対バレるでしょという言動。田宮の安定感と違うなぁと。
矢月さんらしい薬や暴力の危なさに読むのを躊躇われる部分もあるが別作品も読んでみたくなる感じ。
癖になる感じが好き。
Posted by ブクログ
今回は、全個体電池と呼ぼれる最先端技術の関係者たちが疾走する。背後に中国資本の企業やファンドが関係することを突き止め、今回も田宮を始めとする潜入捜査官たちが事件に挑む。
日本での研究者の待遇の低さは、以前から言われてきていますが、愛国心だけでは、やっていけない部分もあるのかなと思う。リソースも無限ではないですが、人の生活を変える根底の技術は一朝一夕では生まれないことを思うと、ある程度の余裕や遊びがある方が望ましいのだろうと思う。
今回は田宮を含めた4人の潜入捜査官が、危険な場面や事態に遭遇するだけに、いつもよりアクションシーンが多いなという印象でした。
冒頭と物語の最後が、素の田宮を見られて、毎回ホッとします。
Posted by ブクログ
警視庁特別潜入捜査班「UST」の第3弾。
今回は日本の未来を担う先端技術を狙う中国の謎の巨大ファンドに立ち向かう。
早川と名乗る人物にスカウトを受けていた人物が失踪したことから、他にも何人かの技術者の失踪者の捜査を行うことになった「UST」。No.1の田宮は10日間で薄毛になり、お腹も出た立派な中年として、早川と名乗る人物が勤めていたとされる企業に営業マンとして潜入する。
その他にも投資家を演じる飯塚、技術者を演じる秋江、宮田の妻役の裕美で、巨悪な敵に立ち向かっていく。
潜入捜査ならではのハラハラ感。普段は劇団員として、いつも主宰者に怒鳴られっぱなしの田宮が、実は俳優としても優秀で、なおかつ強いと言うギャップがこのシリーズの醍醐味。
毎回、全く違う設定なのも楽しめる。
多作な作家さんなので、全ての作品を読むのはなかなか出来ないけど、このシリーズだけは続けて読んでいきたいくらい面白い。
世の中が暗い話題が多いので、読む本もほっこり系を選びがちだけど、やはりこういうスピーディーな展開のアクションはたまらないなぁ…
Posted by ブクログ
矢月秀作『ACT3 掠奪 警視庁特別潜入捜査班』講談社文庫。
シリーズ第3弾。昭和の劇画のように余り深く考えずに楽しめる異色のエンターテイメント警察小説。劇団員兼務の潜入捜査官という設定が面白い。
今回の『警視庁特別潜入捜査班』に与えられたミッションは燃料電池自動車開発に関連する技術者失踪事件の黒幕である中国系企業への潜入し、中国への技術流出を防ぐことだ。今回主演を務める田宮一郎ら捜査班のメンバーは各々の役者になりきり、中国系企業への潜入を果たすのだが……