長月天音のレビュー一覧
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ネタバレ雑貨屋さんをふらふら見るのが好きだった。昔は、そういうところでいいなと思う雑貨を買ったりもしたけれど、なにせインテリアセンスがなく、ちょっと洒落た雑貨をうまく飾ることも活かすこともできず、なんなら掃除もできず、持て余してしまうことを理解して、買わなくなってしまった。
どうせ買わないしなと思うと、足も遠のく。ふらっと充てもなくうろつくのは変わらず好きなのだけれど。
そんなコンプレックスがあるのかもしれないし、かつて、まさに泰明小学校のあたりのオフィスに少しだけ通っていたことがあった自分の偏見でしかないのだけれど、あのあたりに、こういう雑貨屋さんは、ありそうに思えて絶対なさそう、という印象だった。
こじんまりしたお店がないわけじゃない。
銀座のはずれというか、有楽町というか、メインのエリアではなくて、個人経営っぽい飲食店もなくはなく、雑多なところだったりはする。
それでもなんだろう、ちぐさ百貨店は「なんかなさそう」と思ってしまった。
思い出や思い入れと絡んだ物たちと、家族や人の絆、自分の人生をどう進めるのかの迷いと決断、という物語ではあるけれども、ラフに聞けないような背景をそれぞれ背負っていて、ちょっと重たい印象。
結局私は、モノに対する執着があまりなくて、割とサクサクと手放せてしまうから、彼女たちへの共感がしきれなかったのかもしれない。
実家のリビングにある、大きな食器棚。
もう父と母、二人で暮らしてるんだから、台所の収納に収まる範囲まで減らせば?と提案したら、それはないときっちり断られた。
あれはきっと(好みじゃない貰い物も多いと愚痴っていたけれど)母の思い出であり思い入れなんだろう。
しっぽに秘密のあるたい焼きは、ちょっと食べてみたい。
今度自分でやってみようか、という思いに、
「しっぽから食べる派」の人はあの驚きに出会えないんじゃ?という疑問がひとつ。
ちなみに小学生の娘は、たい焼きのお腹からかぶりつきました。 -
Posted by ブクログ
私が好きなスパイスはコリアンダー。
レシピより気持ち多めに入れてしまう。
スパイスカレーを作りたくて、クミン、ターメリック、コリアンダー、パプリカ、ホットチリパウダー、カルダモン、シナモン、クローブ、マスタードシードなどどんどん増える。作中にはマトンがやたら出てきたけれど、チキンカレーが良いなあ。
スパイスが苦手な人にも気に入ってもらえる料理はなかなか難しくないか?と蕎麦屋の大将のエピソードで感じた。
身体の調子を整えたり、温めたり効果は実感しているから「そうそう」と頷ける部分もあるけど、彼氏に振られた腹いせの件が「だから振られたんだね〜」です。
お姉ちゃんと話したいのに横からうるさい。
カルダモンの香りは大好きなのに、噛んでしまった時のインパクトは物凄い。細心の注意を払って取り除いています。
ワイルドカルダモンをGと勘違いしたエピソードは、今後確実にそう見えてしまうので遠慮頂きたかった。 -
Posted by ブクログ
読み始めてあれっこのシリーズ題材に
「コロナ禍」使ってなかったっけ?ってのが
最初の印象で、もうコロナ禍時代の話は
ちょっともうおなか一杯かなと思ったけど
読み進めるとそりゃ題材として取り入れないと
ダメだろうとすぐ真逆の感想になりました。
こういうお仕事小説でしかも仕事内容が
葬儀屋さん。おのずと死に関していろいろと
考えてしまうとなりそうなところが、
何事もなく今を生きることってなんて
素敵なんだという思いにたどり着きます。
漆原や水神さんの過去、そして引退を決めた
水神さんが美空お願いした内容が、
これからの坂東会館のことを考えた差配で
改めてすごい人だと思ったし怖い人だとも
おもいました。でもこういった感じなら
わたしもやってみたいな。葬儀を区切りと
いった水神さんの真意もわかるお話でした。 -
Posted by ブクログ
シリーズ三作目。
地元密着型の葬祭場・坂東会館で二年目の繁忙期を迎える清水美空。
今回は社長の甥だという小暮千波が新たな社員として加わる。彼は元々大手葬儀会社に勤めていたらしく、何かと坂東会館の改革や増益について口にする。
遺族に寄り添い、余計な費用など加えたくない美空たちと、オプションを何かしら付けるように求める小暮との間で溝が生まれていく。
今回も高齢者の孤独死や、旅先での事故による死、火事による祖母と幼い孫の死、シングルマザーの死など、様々な死とその葬儀の模様が描かれる。
こういうお仕事をされていると、様々な人たちの人生に触れることになり、気遣いは大変なものだろうなと改めて思う。
結婚式とはまた違い、葬儀だからこそ見える人間関係や家族関係もあるだろうし、当然お金の問題もある。
特に最後の、残された若い兄妹が喪主として行う葬儀は痛々しく、漆原と美空と里見が担当で良かったと思った。
小暮は大手葬儀会社で勤めていたそうだが、彼の理想は亡くなられた方を本当に悼む人のみで行う家族葬や少人数の葬儀のようだ。
だが一方で葬儀には何かしらのオプションを付けたりして単価を上げて欲しいようだし、坂東会館の葬儀場を新たに新設しようと考えているようでもあり、社員ではなく経営者視点で坂東会館を変えようとしているのが見えてきて、美空たち社員をざわつかせている。
一番神経質になっているのは若い椎名で、何かと坂東会館御用達の居酒屋『都鳥』でクダを巻いているらしい。
最近は葬儀をするのも一苦労で、私が住んでいる地方でもなかなか火葬場の順番が取れないとか、葬儀場が開いてなくて何日か待たされるとかいう話も聞く。
だがこの物語では、坂東会館の経営という点ではまだまだ厳しく大手と闘うには強みや個性が無ければという小暮の想いも見えてくる。
一方で、漆原の葬儀は『きれいすぎる』らしく、そこを美空は理想として目指そうとしているようだが、完璧すぎて画一的になっているという小暮の評価は当たっているのかどうか。
最終的には小暮がどう坂東会館の面々と折り合いをつけるのか、逆に考えづらいが坂東会館の方が変わってしまうのかと考えながら読み進めたが、意外とアッサリ決着が付いた印象だった。
だが小暮の時に見せる別の顔らしきものの正体が最後に分かって納得も出来た。彼にも彼なりの葛藤があり、今日があるのだなと思えた。
美空と漆原の関係性については、個人的にはあまり色恋沙汰を持ち込んで欲しくないなと思ってしまうのだが、シリーズの盛り上がりとしては仕方ないことだろうか。
椎名の結婚話は清々しくお祝い出来たのだが、美空と漆原は何故かそういう気になれない。
これも『きれいすぎる』からだろうか。
それよりも僧侶の里見と漆原の友情関係の方が楽しく見守れる。