レイモンドチャンドラーのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
▼フィリップ・マーロウ第4作。まさに太平洋戦争真っ最中に書かれたようです。とはいえアメリカは体力があったので、そんなに日本の戦時下ものみたいなことはなくて、余裕を感じます。
▼「警察の仕事は山ほど問題がある。
政治と似ている。
それは最良の人間を要請しているのだが、
そこには最良の人間を惹きつけるものは
皆無だ。
だから我々としては
手に入る人材でやっていくしかない。
そしてこのような結果が
もたらされることになる」。
・・・名文句。
<警察の仕事>を、ほかのなんの仕事に置き換えても、使えます。
▼大富豪の奔放な妻が行方不明に。マーロウが雇われて調査開始。夫人が滞在した湖の畔の別荘。その別荘の管理人的な夫婦の、妻の遺体が湖底から発見される。さらに夫人の浮気相手のひとりだった男も殺される。さらに過去の、
<セレブの間で麻薬を処方してた悪徳医師の妻の自殺に見せかけた殺人事件>
も絡んでくる。マーロウも襲われる。
正直に言うと錯綜してわかりづらい。
わかりづらいけど一向に構わないで読めます(笑)。そういうことのための小説ではないのです。
▼ネタバレすると
悪い女がいて、
ショービジネスとかでのし上がった。
悪徳医師の看護師もやっていた。
その医師の妻を殺した。
そのあたりのことを、大富豪夫人の浮気相手に知られた。
それからその悪い女は生き延びるために刑事の妻になった。
なんだけどやがて捨てて逃げた。
湖畔の別荘管理人の妻になった。
そこで再開した大富豪夫人を殺して、自分にみせかけて湖に沈めた。
さらに自分のことを知っている、浮気相手の男も殺した。
自分が殺した金持ち夫人になりすまして大金を握って逃げようとした。
だが結局元夫の刑事がその女を殺した。
みたいな流れなんですが、結構細部が「???」だったりします(笑)。 -
Posted by ブクログ
▼なんとなく
<フィリップ・マーロウをイチから再読して、続けて原りょう作品をイチから再読しよう計画>進行中。マーロウ長編第3作。高い窓。
▼いつも通り金持ちの腐敗した家族関係。そして前作「さらば愛しき人よ」にも通じる、しょーもない奥さん。それに心を支配された娘。高い窓から、セクハラ上司を突き落とした記憶。その弱みを握る男。強請。徐々に明らかになる、過去からの隠された真実・・・。
▼これまでの3作の中では、「第2作」「第3作」は普通にミステリとして面白かったか・・・。いや、第3作がいちばんそういう意味ではかっちりしていたような気もします。ただたしかに、辻褄を超えた、よくわからない<マーロウ節>みたいな響きはやや薄かったかも。でも満足です。ということはつまり、語り口そのものでかなり満足してしまっているのだろうな、と思いました。 -
Posted by ブクログ
チャンドラーのほかの作品と同様。ミステリとしてはさほどではない。話が妙にこみいっているわりに、驚きの真相や、ハラハラの展開もない。本書の読み所は、そこじゃない。
疲れている。いつになく、ふてくされて、毒づいて、空虚で。そういう、疲弊したマーロウ=チャンドラーが実に味わい深い。
例えば以下のようなところ。
‘
”ふん、映画スターがなんだ。ベッドを渡り歩く達人というだけじゃないか。おい、もうよせ、マーロウ、今夜のお前はどうかしているぞ。”
(p138)
ハードボイルドだ。村上春樹や、原リョウさんへの影響を与えたのは、「長い別れ」より本書かもしれない。本書の先に、この2人の日本作家を感じた。 -
Posted by ブクログ
▼<レイモンド・チャンドラーの長編を、村上春樹訳で発表順に再読。それが済んだら原りょうさんの作品を発表順にやっぱり再読、楽しもう>
という自己企画に沿った読書です。2~3年かかるかもしれません。その第1弾。
▼やはり傑作「長いお別れ」に比べると。いや、恐らく他のシリーズ作品全般と比べても。なんせ第1作ですから、
<フィリップ・マーローのひとり語り的文明批評>
が割と少ないですね。でもスタイルとしてはそれはもうある。
そのスタイル事態がやっぱり魅力。
▼一方で、段取りが複雑で・・・・・だいぶわからない(笑)
以下一応ネタバレっちゃネタバレですが
(ネタバレしても意味は無いと思いますが)
①高齢大富豪がいて、マーローを雇う。
②大富豪にはアッパラパーな娘がふたりいる。下の娘がサインした小切手がある。これを払えと、Aさんという男がから連絡が来た。多分何かの、下の娘の醜聞を握っているのでは。これを調べて、良い子にさせてほしい。というのが依頼。
③マーローが調査。Aさんというのは本屋さんだけど裏でエロ本を扱っている。
④Aさんを尾行していたら、とある夜中の屋敷で悲鳴。中に入ると、Aさんが射殺体になっている。そばには全裸の、「アッパラパーな下の娘」がいる。ラリッてる。
⑤どうやら、「大富豪の下の娘」をラリらせて、エロ写真を撮ったんだろう。それで大富豪を脅すつもりだったんだろう。
⑥マーローは下の娘を家に帰す。事件をもみ消そうかな、と。
⑦翌朝だったか、大富豪の家の運転手が他殺体でみつかる。下の娘に惚れていたらしい。で、この運転手がどうやら、Aさんを殺して逃げた。
⑧Aさんのエロ本事業を、乗っ取ろうと、仕事の部下だった女と、その愛人の男が暗躍する。
⑨が、その男の方は、「Aさんの恋人だった若い男」に殺される。
⑩さらに、どうやら、「アッパラパーの、上の娘」の「元旦那」と関係ある「町のヤクザ」が、この件の関係者を殺して回っている。なぜか?
⑪「元旦那」が「大富豪」と仲良しで、大富豪を脅せるから。だいぶこのあたりから不明確。
⑫マーローは一部殺人が「ヤクザやの手下だ」と確かめる作業途中につかまるが、
⑬やくざの情婦になぜか助けてもらい。脱出、反撃、現場のヒットマンたちを倒す。
・・・・というようなことなんですが、やっぱり分からない(笑) -
Posted by ブクログ
フィリップ・マーロウは、酔っぱっていたテリー・レノックスと仲良くなる。彼の妻は億万長者の娘。ある日、その彼の妻が殺され、容疑がテリーにかかる。テリーは罪を自白した遺書を遺して逃亡先のメキシコで自殺するが、テリーが犯人とは思えないマーロウは真相をつきとめようとする…。
誰が良い人で誰が悪い人なのか見極めながら読んでいくドキドキ感が続きました。怪しい登場人物が多く、気が抜けません。
お酒と中年男、美しくミステリアスな女…ハードボイルドです。
主人公マーロウの人の依頼を断れない優しいところがありつつも冷静なところや、お金には断固クリーンなところに好感が持てました。
登場人物が多く、594ページもあるけれど、キザ過ぎないカッコいいセリフで飽きることはありませんでした。最後の章は特にカッコよくて繰り返して読みました。真実にたどり着くまでが長かったからこそ楽しめたんだと思います。 -
Posted by ブクログ
昔、大型書店でバイトしていた頃、バカ売れしていたレイモンド・チャンドラー。読んでみたいと思っていた元祖ハードボイルドミステリーを初めて手に取った。
主人公のフィリップ・マーロウがカッコ良すぎ。極上のいい女も登場。ミステリーに引き込まれ面白くて一気読み。どんでん返しもあり、十分に楽しめた。
大金持ちの妻を撲殺したと言う友達を逃亡させる私立探偵のマーロウ。友達の無実を信じ続ける。次の依頼人は金髪の美しい女。アル中の人気作家である夫が行方不明で探して欲しい、と言う。そして、2つの事件が交差していく。
マーロウの癖が強い。ストーリーも粗削り。警察は殴りまくりの違法捜査するし、マーロウは隙だらけで普通は逮捕される事案。事件の結末も謎が残る。そして題名通り…長い。
でも良いんです。空気感が素晴らしいから。秒で別世界に連れて行かれる。マーロウと女達の描き方が美しい。オシャレな会話に痺れた。
有名なセリフを記しておこう。
「さよならをいうのはわずかのあいだ死ぬことだ」
「ギムレットにはまだ早すぎる」
本作から来てたのか。
いろいろな訳者が翻訳されている。今回は、オーソドックスな清水俊二訳を選んだが、読みにくさもあった。次は他の方の訳で読んでみよう。理解も感じ方も違うのだろうなぁ。 -
Posted by ブクログ
村上春樹訳
長編ミステリー読んだの初めてだけど楽しめました。
エピローグ難しかったけど読み応えあって私みたいにただただ読んでた身としては、なかなか言語化できないこの作品の魅力を伝えていた。
そして、フィリップマーロウが最高に魅力的なので他のシリーズも読んでみたいと思った。
ミステリーとして楽しむのはもちろんだけど、人間関係とか当時のアメリカの空気感、ジャンルの枠を超えて評価されるべき作品だとかんじた
あと、個人的に寝る時にみる夢で作品をみるとかなり没頭してると捉えてるんだけど、今回はそれでした。夢にでてきました。こういうオールドアメリカの世界観に弱い