レイモンドチャンドラーのレビュー一覧

  • ロング・グッドバイ

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    ネタバレ

    物語に惹き込まれて、悲しさに浸っていた。苦しくはない悲しさだったように思う。
    テリーとの出会い、それから別れが尾を引いて、次から次へと無関係なようでいて、繋がっている流れにマーロウは関係していた。介入していた。
    また、再読したい。今度は静かな夜に、お酒とデスクライトで本を照らして、そういう雰囲気の中で、もう一度読みたい。

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    2025年12月09日
  • プレイバック

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    『これほど厳しい心を持った人が、どうしてこれほど優しくなれるのかしら?』、彼女は感心したように尋ねた。
    『厳しい心を持たずに生きのびてはいけない、優しくなれないようなら、生きるに値しない』

    これを読みたかったから、読書をしていたのかもしれないな。

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    2025年12月07日
  • ロング・グッドバイ

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    読んでいてアメリカっぽさ、無骨な感じを受けていました。でもヘミングウェイほど感傷的ではなく独特で、徹底的な一人称視点なのに真相に辿り着けない…
    ドライだけどカラフルな感じ。

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    2025年10月31日
  • さらば愛しき女よ

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    本書はレイモンドチャンドラーによる長編小説の二作目である。『大いなる眠り』を書き上げ、一定の地位を築き上げた著者による次回作ということで、野心的であった処女作以上に気合が入っていたであろうチャンドラーは、敬愛するダシールハメットに再度頼りつつも、その影響下から脱却しようと試行錯誤していたであろう点が随所で伺える。

    まずフィリップマーロウの性格だ。前作において皮肉を交えつつも一定の静けさを保っていた彼は今作では本当によく喋る。しかもその発言の隅々にまで皮肉を張り巡らせている。必要以上に相手を煽り小馬鹿にするような発言が目立ち、口を開けば捻くれた言葉を吐くような次第でその本意がいまいちつかめない

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    2025年09月13日
  • ロング・グッドバイ

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    村上春樹さん訳のハードボイルド小説。長くて途中やや眠かったですが、最後まで読むと面白かったです。マーロウカッコいい。

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    2025年08月21日
  • ロング・グッドバイ

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    ハードボイルドの古典。レイモンド・チャンドラーの探偵フィリップ・マーロウシリーズの最後の作品。ハードボイルドとは、主人公の無骨で筋の通った生き方、行動を慈しみ楽しむものだと思う。そこには浮世の経済合理性や名誉はなく、ただた個人的な「筋を通す」「原理原則を曲げない」それだけがある。そんな非現実的な生き方ができる本当の意味で「タフな」男の物語をたのしむというかなりマニアックなジャンルだと思うが、チャンドラーがそれを確立したと思う。村上春樹がなぜ彼を好きなのかよくわからないが、根底には「原理原則を曲げない」生き方への憧れがあるのだろうか。文体のシンプルなところも好きなのだろう。たまに主人公に「やれや

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    2025年08月18日
  • ロング・グッドバイ

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    「ハードボイルド」の意味を、ようやくこれを読んで理解できた気がする!!

    これがザ・ハードボイルドね!って自信満々に言いたい。

    ハードボイルドってそもそも何?ってレベルの私なんだけど、文学で、感情を交えず、始めから終わりまで、客観的な態度・文体で対象を描写しようとする手法らしい。

    この小説、マーロウという主人公=語り手の感情が全く出ず、淡々と周りの情景、出来事を描いていくスタイルで、王道なミステリーのプロットがこんな風に純文学になるなんて!!そんなことあるんだ、知らなかった!すごい!
    と驚いてる!!

    ストーリー自体がすごい斬新な設定とか、そういうことではなく、語られ方が斬新!!

    すご

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    2025年07月24日
  • さよなら、愛しい人

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    ▼(本文より)私には酒が必要だった。高額の保険が必要だった。休暇が必要だった。郊外の家が必要だった。しかし今のところ私が手にしているのは、上着と帽子と拳銃だけだった。だからそれらを身にまとい、部屋を出た。

    ▼言い回しの次元でしかないとも言えますが、思わずにやりとしてしまいます。小説というのは、物語というのは、結局は言い回しの次元であると言えます。パチパチ。

    ▼私立探偵フィリップ・マーロウ長編シリーズ第2作。

    ①大いなる眠り(The Big Sleep, 1939年)
    ②さよなら、愛しい人(Farewell, My Lovely, 1940年)
    ③高い窓(The High Window,

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    2024年11月04日
  • ロング・グッドバイ

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    令和におけるチャンドラーを読める幸せ。生きていてよかったと思える1冊である。清水訳も読んでいるが、それでも読む意義については、長ったらしい春樹解説を見てほしい。

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    2024年10月13日
  • 長いお別れ

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    本というものには読むタイミングが存在すると思う。
    同じ本でも、読む人間に合う年齢、季節がそれぞれの読者で違う気がしている。
    「長いお別れ」は、自宅にあったのでずっと昔に読んだことは確かだけど、全く内容を覚えていなかったので再読した。きっと以前に読んだ時はただ字を追っていただけで中身が入ってきていなかったのだと思う。読むタイミングが合っていなかったんだろうなぁ。
    ほかの方の感想を読んでも、歳を重ねて読んだらよく読めたと書いている方が多くいるようだった。

    今回再読して改めて、なんて渋くて面白い話なんだ…と思った。
    マーロウの男っぷりといい、脇キャラも個性的で良い。ハンサムでお洒落でどことなく危険

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    2024年08月04日
  • 長いお別れ

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    フィリップ・マーロウの魅力が最も際立つ名作。 どこかニヒリスティックな印象の漂う普段のマーロウとは裏腹に、思い入れのある友人を探すために奮闘する彼の姿には胸が熱くなった。

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    2024年07月30日
  • ロング・グッドバイ

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    本読みならば一度は読んでおかなくてはいけないと思った中の1冊。
    翻訳小説を読むのは何十年ぶりだし、翻訳を担当した村上さんの作品はエッセイしか読んだことがないし、なんと言っても分厚いし・・・という不安要素はあったのだが、フタを開けてみれば、元は外国語で書かれていたという不自然さがどこにもない。
    村上氏がアメリカに滞在している時のことを書いたエッセイを読んでいたせいだろうか。氏の描くアメリカの風景に馴染みがあるような気がして読みやすかった。分厚いけど。

    マーロウは、パンドラの箱を開けたばかりか、最後に残っていた「希望」まで引きずり出して吊し上げてしまうような、依頼された仕事はやらずに、余計なこと

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    2024年06月03日
  • ロング・グッドバイ

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    文章に酔える。
    原作の世界観を残したまま村上春樹の文体/世界観も感じることができて最高の一冊。登場人物の多い海外文学への抵抗感もこの人なら消え去ってしまう。
    自分に大きな影響を与えた作品を翻訳するって本当に凄い。

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    2024年05月08日
  • ロング・グッドバイ

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    ネタバレ

    美しい話だった。そして題名の意味が最後の最後にわかるそのまとめ上げ方が最高だった。話の途中に、男同士の友情として描かれる一節がまさにハードボイルドで…そしてその場面があるからこその最後の最後に題名が効いてくる…染み渡る話でした。

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    2024年01月31日
  • ロング・グッドバイ

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    ネタバレ

    10代に挫折して本棚の肥やしになっていたものを引っ張り出して再読。
    10年越しに読んで思うことは、マーロウはなんて気高く不器用な男だったのだろうか。
    10代の私ではそのことが分からなかった。

    何を感想として残せばいいか分からないくらい、読んだ後に寂寥感に苛まれる。
    人生を象徴するような出会い、別れ、非情さ、優しさが詰まっていた。マーロウに共感しながらも、同時に、役者あとがきにもあるようにその実何光年も離れたところにいる人間だろうという言葉に強く頷く。
    優しさや誠実さは、時に深く人を刺す。
    もう彼とのギムレットは飲んでしまった。

    この先この本が本棚から消えることはないだろうし、何度でも読み直

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    2023年04月05日
  • 水底【みなそこ】の女

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    ネタバレ

    レイモンド・チャンドラー屈指の作品だと思います。
    『長いお別れ』『大いなる眠り』などの作品の影に隠れていますが…。
    ストーリー、魅力あるキャラなどは『長いお別れ』に匹敵すると思います。
    70年近く前に書かれたミステリとは思えぬ完成度、表現力、文体です。

    罪を重ねる美しい女、愛しい女にこれ以上罪を犯させないようにしたかった男はついに…。

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    2023年03月20日
  • 長いお別れ

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    ボリューミーな物語とマーロウの格好良さ全開の一冊だった。
    あの名言の元ネタが本書とは…
    自分の無知が恥ずかしいと思った。
    春樹さんが翻訳した版も読んでみたいな~♪

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    2023年03月04日
  • 長いお別れ

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    翻訳本の中では、わたしの最も好きな本。

    レイモンドチャンドラーの魅力は、その個性的な登場人物と味わい深い会話。どのページから開いても独特な空気感を味わうことができ、何度読んでも飽きません。
    村上春樹訳も清水俊二訳好きですが、装丁は古くからある清水さんの方が好きです。
    物語終盤の「ギムレットには早すぎるね」が決め台詞。

    あいにくとギムレットの味がよくはわかりませんが、まあ、とりあえずやられちゃいますね。

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    2023年01月18日
  • ロング・グッドバイ

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    私立探偵、フィリップ・マーロウのどこまでも冷静で、どんな事態におちいっても、ユーモアを忘れない、いわば超人的なナイス・ガイさにやられた。

    事件も、網をくぐって、くぐったすえに、複雑な様相を呈している全体像に驚き、終わりも予想外だった。

    会話も面白く、人物、一人一人に魅力があるので、読む者を飽きさせない。

    傑作。

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    2023年01月07日
  • ロング・グッドバイ

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    村上春樹版の『長いお別れ』
    こちらも大好きな本です。
    とりあえず解説を堪能して、清水俊二訳と比較するといった楽しみもありますよね。
    装丁のデザインは、なぜこんなにも簡素なのでしょう。

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    2022年10月17日