レイモンドチャンドラーのレビュー一覧

  • さよなら、愛しい人

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    仕事で訪れた酒場で事件に巻き込まれ、これをきっかけに、様々な人々の思惑の繋がりの中に絡め取られていく。主人公はその中を緩急つけながらもがき進んでいくことになります。いったい俺は何を探しているんだろうという疑問を持つ暇もないままに。
    行間にある登場人物から発せられるサインと、同じく行間にある主人公の直感とが、事件の真相に向かって読者を進ませてくれます。説明できないけれども分かる必然性が、読者を虜にするのではないかと思います。それだけ登場人物が魅力的に生き生きと描かれていて、目の前で映画を見ているかのようにはっきりと場面が浮かび、感動します。魅力的なセリフの数々。読後にこの世界の余韻に浸るひと時に

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    2018年08月04日
  • 長いお別れ

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    マーロウは、酒場でテリー・レノックスと知り合った。何度か一緒に酒を飲んだだけの仲にもかかわらず、殺されたテリーのために、マーロウは一銭にもならない調査を始める。友人への想いと真実を求めて。

    私立探偵フィリップ・マーロウ・シリーズ不朽の名作。男の友情を描いたハードボイルドとしての印象が強いけれど、ミステリーとしても秀逸な作品である。心に残る名台詞でも有名。

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    2022年04月14日
  • 長いお別れ

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    チャンドラーは長編も短編も全て好き。特にこの「ロング・グッドバイ」は最高傑作としていつまでも手元に置いておきたい本だ。

    30年ぶりに再読した。多分、3回目。
    やはり面白い。何より登場人物が魅力的だ。エリオットの引用など鼻につくと思われる方が居るかも知れないがこれはマーローの良い味になっている。

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    2020年11月09日
  • さらば愛しき女よ

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    チャンドラー長編2作目にして不朽の傑作。

    私がこの作品と出逢ったことの最大の不幸は先に『長いお別れ』を読んでしまったことにある。もしあの頃の私がフィリップ・マーロウの人生の歩みに少しでも配慮しておけば、そんな愚行は起こさなかったに違いない。あれ以来、私は新しい作者の作品に着手する時は愚直なまでに原書刊行順に執着するようになった。
    そんなわけでチャンドラー作品の中で「永遠の№2」が私の中で付せられるようになってしまったのだが、全編を覆うペシミズムはなんとも云いようがないほど胸に染みていく。上質のブランデーが1滴も無駄に出来ないように、本書もまた一言一句無駄に出来ない上質の文章だ。

    マーロ

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    2017年05月21日
  • 高い窓

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    この手の文学的要素が強い小説は読み進めるのがきつい時もあると思ってるけど、今回はミステリーとしても面白かった。
    いつも通り、ハードボイルドな渋いフィリップ・マーロウも楽しめる。


    資産家の老女エリザベス・マードックから義娘リンダを探す依頼を受けたマーロウだったが、マードック家には秘密があった…

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    70
    「我々が芝生を横切って近づいていくと、女は気怠そうにこちらに目を向けた。十メートル手前から見ると、とびっきりの一級品に見えた。三メートル手前から見ると、彼女は十メートル手前から眺めるべくこしらえられていることがわかった」

    155
    「いや、その通りだ。私はショックを受けていてね。頭が

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    2017年05月24日
  • リトル・シスター

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    訳者の村上春樹氏があとがきで述べている通り、オーファメイ・クエストが魅力的。もしかしたら訳者の思い入れがそう読ませているのかもしれないけれど。二転、三転する謎解きも読みごたえは十分だと思う。

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    2017年01月14日
  • さよなら、愛しい人

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    切ない。この切なく寂しい、それでいて暗くない読後感がチャンドラーの魅力だと思う。あまりにも漠然とした感想だけれど。

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    2017年01月11日
  • 高い窓

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    あいかわらず、最高にエンターテイメントとして面白い小説でした。他にも美点はありますが、まずそう言いたいです。主人公の魅力を十分に楽しむことができました。個人的に買って読むぞという時に、ワクワク感の伴う数少ない作家です。訳をされている村上春樹さんもそれが分かった訳し方をしていただいていると思います。
    他のチャンドラーの小説と少し違って、筋や人物背景がきちんと描かれています。それを吹き飛ばす勢いが減じているのがありますが、主人公マーロウの魅力が損なわれるわけではなく、随所でその行動に魅了されました。そして全体的に謎がすっきりと解決されています。それは人によって違うのでしょうけど、私は良かったと思い

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    2016年12月25日
  • さらば愛しき女よ

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    やっぱり・・・何度読んでも、この作品を越えるハードボイルド作品はないでしょう!あまりにもベタだけど・・・あはは
    ハードボイルド作品を読むと、どうしても探偵の原型はマーロウからきていわねーって思っちゃうんですよねぇ><
    他のチャンドラー作品も、「長いお別れ」は別として、霞んでしまいますもんね。
    それだけ私には本書が鮮烈だったわけなんです。ハメットもいいけど・・やっぱりチャンドラーかなぁ~。

    なんといっても、主人公の私立探偵マーロウの人物像が魅力的すぎる。
    これこそ男の鏡!みたいな考え方。決して幸せでも大金持ちでもない。でも彼の中には静寂があり、少しシニカルな物言いもなんだか全てが私にはヤバイの

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    2013年10月04日
  • リトル・シスター

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    村上春樹訳のマーロウシリーズ
    訳者もあとがきで書いていますが(「結局誰が誰を殺したのかと訊かれると、急には答えられない」)、とにかく話の筋が分からない。難解。つじつまが合わない。その支離滅裂さ(それでも芯は押さえられている)は病的なものを感じます。
     それでも引き込まれる。後半の主人公が適地に乗り込むシーンあたりの描写には、そこから姿勢を正して読んでいただけると感動します。そこだけを読んでも良い。
     何が何だか分からない状態のまま読み進めるのは苦痛ですが(そして最後まで分からない)シーンごとの描写は秀逸ですので、良い文章を読みたい方には、他には無い悦楽を味わっていただけるのではないかと思います

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    2012年11月06日
  • リトル・シスター

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    ネタバレ

    フィリップ・マーロウ・シリーズ

    マーロウの元にやってきた依頼人・オーファメイ・クエスト。行方不明の兄オリンの捜索。オリンの住んでいたアパートの捜索。オリンの部屋を物色するヒックスと名乗る男。捜索中に殺害された管理人クローゼン。クローゼンが電話をかけた相手。ホテルに呼び出されたマーロウの前にあらわれたヒックスの遺体と謎の女。女優メイヴィス・ウェルドとオリンの関係。殺害されたギャング・スピンクの秘密。オリンの遺体発見。マーロウの手に入れた写真とネガの秘密。スティールグレイブの秘密と死。依頼人オーファメイの謎とラガーディー医師の秘密。

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    2012年09月22日
  • 高い窓

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    フィリップ・マーロウものの長編はこれで全部読み終わったことに…
    7編しか書かれていないことが悔やまれてならない。

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    2012年07月03日
  • 湖中の女

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    先に「ベイ・シティ・ブルース」を読んでいたこともあって、すんなり文が入ってきた。一番好きなセリフがカットされていたのは残念だが、犯人を知っててなお楽しめる探偵ものも中々出合えない。

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    2012年06月30日
  • 湖中の女

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    短編である程度わかってしまっている流れはあったがそれを気にさせない面白さだった。かっこいいなあクソッ。

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    2011年06月11日
  • さらば愛しき女よ

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    多分女の子は「長いお別れ」よりこっちが好きだと思う。
    熱烈なキスのあとにハンカチで唇を拭うマーロウに痺れました。新聞記者さんとの関係にもすっごいときめく。
    ハードボイルド小説なのに、どっちかっていうとよこしまな楽しみ方をしてしまいました。

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    2010年07月12日
  • さらば愛しき女よ

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    マーロウの気の利いたセリフがかっこいい。
    まだまだ読んでいないものが多いので、時間かけても読みたいな

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    2010年05月31日
  • さらば愛しき女よ

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    愛の在り方を考えさせられる。切ない結末に涙を禁じ得ない。チャンドラーのマーロウ物では押さえておいて間違いない作品だと思います。

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    2010年04月05日
  • 高い窓

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    プレイバックとかのように
    決してこの作品はエロスやロマンスがある
    作品ではありません。

    しかしながらこの作品には静かながらも
    一種の情熱があるのです。
    なんと言えばいいのでしょう、内なる熱といいましょうか。

    今回マーロウが依頼を受けた案件は
    裏がいっぱい秘められた依頼。
    色々は事実が現れては消えていきます。
    そして最後は読者も驚くであろう事実が…

    マーロウはやはり女性には優しいですね。
    女性にかけた言葉が非常に印象に残りました。

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    2009年11月09日
  • プレイバック

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    かの名言が非常に映える、
    静かに展開する大人の本。
    この作品はマーロウの周りにかなりの
    女が出入りし、そのうち何人かとは
    …な関係にまでなる、かなり色香漂う本です。

    でもそれでいてムッツリでないところが
    作家そのものの技量なんですね。
    非常にいい感じでした。

    決して派手な謎解き等、出てきません。
    でも読ませてくれるのです。

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    2009年10月23日
  • 湖中の女

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    第二次世界大戦下の時期に執筆されたこともあって、マーロウ他登場人物が戦争や徴兵について言葉空少なに語るシーンだけが取り上げられることの多い作品で、非常にもったいない! 良作ですよ!!
    まず、タイトルの勝利。そして、セリフの勝利。
    そっとドアをノックした先、『私の好きな場面じゃないな』の件はもう、鳥肌モノ。

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    2009年10月04日