感情タグBEST3
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hard
gentle
誰からも何も求めないかたくなな気持ち
娘はこの本を「葉っぱの絵本」と呼んで、筆ペンでたくさんの絵を描いて、そして私の膝の上に乗って、「読んで」って何度も言った。
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かの名言が非常に映える、
静かに展開する大人の本。
この作品はマーロウの周りにかなりの
女が出入りし、そのうち何人かとは
…な関係にまでなる、かなり色香漂う本です。
でもそれでいてムッツリでないところが
作家そのものの技量なんですね。
非常にいい感じでした。
決して派手な謎解き等、出てきません。
でも読ませてくれるのです。
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フィリップマーロウという探偵が主人公のシリーズですが、普通の探偵小説とは趣が違っているこのシリーズ中でも、特に不思議な雰囲気漂う内容でした。小説内に出てくる話題も、脱線が激しく(それはそれで魅力的なのですが)、まるで話の主題はどうでも良いことのように、それ以外のいわば外野が、魅力たっぷりに勝手に主張している、そんな感覚で読ませていただきました。
全体的に暗い雰囲気が漂っています。主人公が謎を解決していくのですが、それが気力を削いでいくような気にさせられます。なんというか、嫌な予感というものが当たっていく、それも次々に、そういう感覚でした。しばらく余韻が残りますし、しばらく読み返す気がしませんが、あと何年かしたら再度読んでみたい、その時はどう感じるだろうか。
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マーロウが落ち着ける安息の場所へと導くために、チャンドラーはこの本を書いた気がする。途中で本筋のストーリーとは関係ない人々が出て来て、寄り道のような会話のやり取りがあった。でもこの本の訳者の清水さんもその意図がいまいち把握できてなかったような感じが多分あって、翻訳にその?がにじみ出てしまってた。結果読み手としての自分も?マークだった。何かの信念が必要なんだよと言ってる気もしたのだが…。
村上春樹の翻訳で是非読んで見たいなぁ。着実に翻訳作品を増やしてるからでるかもね。
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レイモンド・チャンドラーの長篇作品のラストを飾る作品
マーロウのあの有名な台詞も出てくる
内容は、相変わらずダラダラ続く展開に間延び間を感じてしまうが、一貫してハードボイルドな雰囲気をかもし続けている
ラストに、まさかの人物も出てくる
マーロウの決断はいかに
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『長いお別れ』に比べて、マーロウが色々な人に対して同情的(この言葉がぴったりとは思えないが)なように感じられた。
だが、やはり相変わらず「この人が現実にいたらいいのに」と思わされる。
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これも何回も読み返している。疲れ切ったマーロウだけが印象に残る。だけどなにしろあの名セリフ「しっかりしていなかったら云々。やさしくなれなかったら云々」がでてくるやつだし。
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ハードボイルドの巨匠、レイモンド・チャンドラーの遺作。
この世の中は大体気に入らないことばかりだけど、自分の生き方にはつくづく嫌気が差すけど、それでもなんとか生きていくんだっていう、不条理で、でも不思議と前向きなんじゃないかと思う本。
最後の場面、主人公が絞り出す、
「強くなければ生きていけない、優しくなければ生きている資格がない」
"If I wasn't hard, I wouldn't be alive. If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive."
って台詞は、ヤセ我慢としてのダンディズムの極致だと。
ヘミングウェイの何かの作品で「全ての優秀な人間は楽天的だ」って台詞があるんだけど、それと同じ意味と読んだ。
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面白かった。フィリップ・マーロウシリーズの最後の作品、というかチャンドラーさんの遺作らしい。
依頼主もわからぬままに、ある女性の尾行をすることになったマーロウが…みたいな話。
チャンドラーさんの本って、殺人事件が起こって、それをマーロウが解決していくっていう形なんだけど、極端な話、犯人なんかどうでもよくて、マーロウがどういうふうに様々な局面に向き合うのかが一番面白いと思う。
一番の謎はマーロウは一体何を考えているのか、ってことな気がするし。
この本で一番びっくりしたのは、紳士な警官が出てきたこと!
他のマーロウシリーズでは、警棒で事件を解決とか、タフぶり過ぎているとか、悲しいくらい頼りにならなかったりみたいな警官ばかりが出てきてたので驚いてしまった。
訳者あとがきによると、チャンドラーさんが実際に取材した警官がとても紳士だったので、そういうタイプの警官も書かねば、と思ったらしい。へえ。
あとは、ホテルの老紳士も印象に残っている。
訳者のひとも言っているように、なんでこんな人物が登場する必要があったのかは全然わからないけど、雰囲気を持った、心に残る人物だった。
わき役ではホテルの受付のジャックとルシルも好きだった。
ストーリーにはあんまり関係ないけど、やたらラブラブなホテルのフロント係。いい味出してたと思う。
あ、あとリンダ・ローリングが登場したのにもびっくりした。
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ロング・グッドバイを読んでから読むと、ちょっと肩すかしをくらう。
いちばん印象的だったのは、窓を懐中電灯でパッパッってやるところ(笑)。
さすがフィリップ・マーロウ。タフな男だ。
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「レイモンド・チャンドラー」の長篇ミステリー作品『プレイバック(原題:Playback)』を読みました。
『チャンドラー短編全集3 待っている』、『さらば愛しき女よ』に続き「レイモンド・チャンドラー」作品です。
-----story-------------
女の尾行を依頼された「マーロウ」は、ロサンジェルス駅に着いた列車の中にその女の姿を見つけた。
だが、駅構内で派手な服装の男と言葉を交すや女の態度は一変した。
明らかに女は脅迫されているらしい。
男は影のように女について回った… そして二人を追う「マーロウ」を待つ一つの死とは?
正統派ハードボイルドの伝統を築いた「レイモンド・チャンドラー」が、名作『長いお別れ』ののち、4年の沈黙を破って発表した問題の遺作。
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「レイモンド・チャンドラー」の私立探偵「フィリップ・マーロウ」を主人公とする長編シリーズ全7作品のうちの最終作品(1958年発表)… 「レイモンド・チャンドラー」にとって遺作となった作品で、これまでのシリーズとは異なる「マーロウ」の行動等があって、謎を秘めた作品とも呼ばれているようです、、、
また、作中で「マーロウ」が語る、
「しっかりしていなかったら、生きていられない。
やさしくなれなかったら、生きている資格がない」
"If I wasn't hard, I wouldn't be alive.
If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive."
という印象的な科白が有名な作品でもありますね。
「マーロウ」は弁護士「クラウド・アムニー」からの依頼を受け、ユニオン駅で特急から降りた女「エレナー・キング」を尾行する… 彼女は駅で男と話した後、海辺の町エスメラルダへ行きホテルに宿泊した、、、
それを追ってホテルの隣室に泊まった「マーロウ」は、「エレナー」とユニオン駅で話していた男「ラリー・ミッチェル」の会話を盗み聞きし、「エレナー」が「ラリー」に恐喝されていることを知る… その後、「エレナー」は別なホテルに移るが、「マーロウ」は、別な私立探偵「ロス・ゴーブル」から尾行されたり、ヤクザ者「リチャード・ハヴェスト」に襲われたり、雇い主の「アムニー」と交渉したり、「アムニー」の秘書「ヘレン・ヴァーミリア」との関係を深めたりしつつ、「エレナー」との接触を試み、徐々に「エレナー」に近付いて行く。
そして、ある夜、「エレナー」が「マーロウ」の部屋を訪れ、彼女の部屋のベランダに「ミッチェル」の射殺死体があると言って助けを求める… しかし、「マーロウ」が部屋を訪ねてみると「ミッチェル」の死体は消えていた、、、
翌朝、ホテル側に確認すると、「ミッチェル」は夜中のうちに荷物をまとめて出発したという… しかし、「ミッチェル」の車に荷物を積みこんだと証言する車庫の夜警「セフィリノ・チャング」が死体となって発見されたことから、「マーロウ」は警察に事情を話し、協力体勢を取ることを決断する。
そして「ミッチェル」の車が無人の砂漠で発見される… その頃、エスメラルダの警察署に、「エレナー」の舅で「キンゾルヴィング」と名乗る老人が現れ、「エレナー」と結婚していた息子が「エレナー」に殺されたとして起訴していたことが判明、、、
無罪になったものの「エレナー」は、その土地を逃げ出し、どこか遠い土地で名前を変え、新しい人生を歩もうと西海岸へ逃げてきたのだった… 「マーロウ」は老人を追い返すとともに、「ミッチェル」が消えた謎を解き、真相を明らかにする。
レストラン経営者「クラーク・ブランドン」が「エレナー」を愛してしまい、彼女を守るためにミッチェルを殺して運び出し、砂漠に車だけ残して、死体をヘリで運んで海に捨てた… というのが真相でしたが、「マーロウ」は「エレナー」の幸せのため、「ブランドン」の犯行に見逃し、エスメラルダを後にする、、、
ロサンジェルスに戻った「マーロウ」に『長いお別れ』(未読ですが…)で登場した金持ちの未亡人「リンダ・ローリング」がパリから国際電話をかけてくる… 彼女の誘いを受け、「マーロウ」はパリへ飛ぶことにする というハッピーエンドっぽいエピソードで本作は締めくくられます。
「レイモンド・チャンドラー」の遺作となった作品なので、これはこれで良かったのかな… という感じですが、、、
古くからのファンには、ちょっと納得いかない展開とエンディングのようですね。
以下、主な登場人物です。
「フィリップ・マーロウ」
私立探偵
「クラウド・アムニー」
弁護士
「ヘレン・ヴァーミリア」
アムニーの秘書
「ベティ・メイフィールド(エレナー・キング)」
謎の婦人
「ヘンリー・キンゾルヴィング」
メイフィールドの義父
「クラーク・ブランドン」
<ランチョ・デスカンサド>の経営者
「ジャック」
<ランチョ・デスカンサド>のフロント係
「ルシル」
<ランチョ・デスカンサド>の交換手
「ラリー・ミッチェル」
ブランドンの友人。恐喝屋
「ロス・ゴーブル」
カンサス・シティの私立探偵
「ジョー・ハームズ」
タクシーの運転手
「ジャヴォーネン」
<西風荘>の探偵兼副支配人
「セフィリノ・チャング」
<西風荘>の車庫の夜警
「ヘンリー・クラレンドン」
<西風荘>に滞在している老人
「マーゴ・ウェスト」
<西風荘>に滞在している婦人
「リチャード・ハヴェスト」
やくざ者
「アレッサンドロ」
エスメラルダ警察の部長
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人生やり直しも楽しみ(プレイバック)
街の権力者は法でも金と権力で何とでもなると思い上がる。だが、違った街での自由気ままな発言と行動は許されない。よく政治社会に居る「思い上がり」は権力を振り翳し、街ぐるみで自分の思った通りに動かすが、現実に「長いものには巻かれろ」の如く、言われるままの地位を持った輩でさえも多いのは寂しい限りだ。真実は虚意の世の中に潜んでいる、と言うことだ。
「優しくなれ、さすれば生きていると言う証が見つかる」そんなミステリー小説。
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私立探偵フィリップ・マーロウの七作目。
違和感。
マーロウはこんな男だったのか?
尾行した女について行った街だからなのか。
突然のヘリコプターの登場も、
最後のプロポーズも違和感しかない。
あの、有名なセリフを確認できたのは良かった。
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ミステリで最も印象的な文章は何?と訊かれた時に、真っ先に思いついたのはこの台詞、
「しっかりしていなかったら、生きていられない。やさしくなれなかったら、生きている価値がない」
だった。フィリップ・マーロウの代名詞とも云えるこの台詞が出てくるのはチャンドラー最後の長編である本作なのだ。
マーロウは馴染みのない弁護士からある女性の尾行を頼まれる。弁護士が指示した駅に行くと確かにそこには女がいた。その女は男と会話したり、コーヒーを飲んだり、暇を潰していたが、やがて動き出した。付いた場所はサンディエゴのホテル。マーロウは彼女の部屋の隣に部屋を取り、盗聴する。やがて駅で話していた男が現れ、その女性ベティに無心する。マーロウはベティの部屋に入ってその男を殴るが、逆にベティに殴られてしまう。
その後ホテルを移ったと思われたベティがマーロウの部屋に現れ、無心をした男ミッチェルが移転先のホテルで死体になっているという。しかしマーロウが行ってみると死体はなかった。
長編の中でも一番短い本書はあまり事件も入り組んでいなくて理解しやすい。登場するキャラクターも立っているので十分満足できる。
ただシリーズの最後を飾る作品としては物足りなさ過ぎる。
逆に本作がマーロウシリーズの入門書としてもいいかもしれない。
この頃のチャンドラーはもう精神的にも肉体的にもボロボロだったらしい。『長いお別れ』を発表してからの5年間は愛妻の死、イギリス政府と泥仕合をすることになった国籍問題、そしてそれらが心を蝕んだ故にアルコールに溺れ、治療のための入院など、まさに人生としての終焉を迎えているかのようだ。そんな中で書いたのが本作。だからなんとなくマーロウも“らしくない”。そして本作発表の1年後、チャンドラーは没する。
そしてこの題名。これは全く内容と関係ない。“バック”と付いていることから前向きではなく、後ろ向きであることがうかがえる。これはもしかしたら既に自分の作家としての能力に限界を感じたチャンドラーが昔の全盛期をもう一度と望んだ心の叫びなのかもしれない。
舞台がロスでないなど、マーロウにこだわる読者の中では色々と不満があるようだが、個人的にはやはりあの台詞に出逢えた事がうれしく、十分満足できた。
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チャンドラーの遺作にしてマーロウ最後の作品。事件が終わった後にパリの女からプロポーズされるのが、プレイバックというより蛇足かも(笑)
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相変わらずマーロウはダンディですが、
ほかの作品よりも疲れていて孤独で自棄になっているような気がします。
ストーリーの核になる事件も、
気の毒な人たちが引き起こした気の毒な事件で、
その下らないかんじが、いっそうくたびれさせているみたい。
「しつかりしていなかつたら、生きていられない。
やさしくなれなかつたら、生きている資格がない」
マーロウにだって、
幸福になる権利はあるとおもうので、
この終わり方、わたしは好感がもてます。
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女の尾行を依頼されたマーロウはロサンゼルス駅に着いた列車の中にその女ベティー・メイフィールドをみつける。ベティーがミッチェルと話している。彼女が彼のことを嫌がっていることは見ただけですぐに分かる。ベティーはミッチェルに恐喝されているのだ。
この作品はチャンドラーの遺作。マーロウがベティーに感情的になっている部分が多くて面白かった。
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フィリップ・マーロウシリーズの中では一番好きな作品です。
あの有名な「強くないと、生きていられない。優しくなかったら、生きている資格がない。」(ただ、清水俊二さんは「しっかりしていないと…」と訳しておられますが)という言葉は、私の目指す生き方そのものとなりました。
男臭い世界かもしれませんが、男性だけではなく是非女性の皆さんにも呼んでいただきたい一冊です。
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カサブランカのハンフリー・ボガードを彷彿とさせる主人公。
一時期このシリーズにはまって全シリーズ読みました。
こういう男、恋するにはいいけど、一緒に生活はできないよね…
2008.11.30 シエナのNさんに譲渡
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理由も知らされずに一人の女の尾行を依頼されたマーロウを待っていたのはひとつの死だった。
チャンドラーの遺作。
今読むとリリカルすぎに思えるチャンドラーだけど、これは妙な暗さが前面に出てきてる。悲惨さとかはないのだけれど、なんとなく厭世的な感じがするんだよなぁ。
マーロウもストイックさが減ってるし。かなり違和感を感じながら読んだ。
そして有名すぎるほど有名なマーロウの台詞「やさしくなれなかったら、生きている資格がない」がここで出てきたことに驚いた。
「長いお別れ」で読んだような気になってたんだよね。そしてもっとドラマティックな場面で語られたんだとも。
それもあってか、なんかもやもやした読後感になってしまった。