レイモンドチャンドラーのレビュー一覧

  • 湖中の女

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    私立探偵フィリップ・マーロウの四作目。

    愛してはいないが妻の行方を捜してほしいという化粧品会社の社長。
    湖近くの別荘に探しに行くと、別の女性の水死体があがる。

    女性二人の体格が似ているとあったところから、
    そこがポイントとなるのかと思いきや、
    思いがけない方向に話が転がっていった感じ。

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    2016年06月04日
  • 高い窓

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    私立探偵フィリップ・マーロウの三作目。

    裕福な未亡人に盗まれた金貨探しを依頼される。
    今回は際立った個性の脇役がいなかったせいか、今一つ。

    ハードボイルドの生みの親とされているが、
    暴力シーンは思いのほか少ない。
    死人はでるが、酷くはない。
    物足りないという訳ではないが、肩透かしなのかも。

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    2016年05月26日
  • さらば愛しき女よ

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    私立探偵フィリップ・マーロウの二作目。

    唐突な事件の始まり方、というか、巻き込まれ方が、
    とてもハードボイルドっぽい。
    というとハードボイルドに対する冒瀆だろうか、偏見だろうか。

    富豪の枠美しい妻や謎の女、沖合に停泊すると賭博の船と、
    まるで映画化してくれといわんばかりの設定のようの気がするのは、
    後の世からの後付けだろうか。

    今回も銀行強盗で服役していたと男や、元バーの経営者の妻といった
    個性際立つ登場人物が良かった。

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    2016年05月14日
  • ロング・グッドバイ

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    1953年に発表された本であることにびっくり、第二次世界大戦中の空襲やナチによる残酷な扱いを受けた心の傷は重要な意味をもってはいるものの、翻訳が新しいせいもあるのだろうが、古さを感じない。緻密な凝ったストーリーに魅了された。

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    2025年07月27日
  • さらば愛しき女よ

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    人物表現の多彩さにくらくらした。
    正直、ミステリーはあまり好きではなく、今回も「どうなるのか?」てきな興味はなかったけれど、会話や比喩のお洒落さに惹かれてページをめくった。
    村上春樹が影響を受けるのもよーくわかる。というか、ほぼ真似? と思われる箇所も。でも、いいのだろうけれど。
    次は村上春樹が訳した、別の本を読んでみよう。

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    2015年04月05日
  • さらば愛しき女よ

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    こんな有名な小説を、勘違いしていました。私。
    ハードボイルドと言えばチャンドラー。
    なのに。

    フィリップ・マーロウ。
    「タフでなければ生きて行けない。優しくなれなければ生きている資格がない」という台詞で有名です。
    確かにある意味タフですし、優しいとも言えますが、想像とは全然違うキャラクターでした。

    一人称で書かれている地の文の人称名詞が「私」なんですよ。
    ハードボイルドなのに!
    そして会話の中では自分のことを「ぼく」と言っています。
    ハードボイルドなのに!

    木枯らし紋次郎のようなクールガイだとばっかり思っていたハードボイルドな探偵は、至極真っ当な私立探偵。
    目の前で起きた殺人事件。一応警

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    2014年12月17日
  • 湖中の女

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    1943年発表だが、いささかも古臭さを感じさせない。

    本作は、ファンが泣いて喜ぶ名台詞も、マーロウ自身のロマンスも、魅力溢れる脇役やシビれるシーンも、チャンドラーマニアからの人気もあまりなく、いうならば地味な作品に位置する。

    けれども、警察権力に傷め付けられながらもストイックに謎を追うマーロウの姿は、ストレートな私立探偵小説の基礎となるスタイルを幾つも提示しており、読まずにおくのは勿体無い。

    マーロウの冷徹な視点を通した登場人物たちの造形と、湖畔などの自然や様々な情景での描写力はハードボイルドならずとも、秀れた小説技巧の手本となるべきものだ。すでに完成されていたスタイルはさらに磨き上げら

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    2014年11月24日
  • 大いなる眠り

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    村上春樹による、フィリップ・マーロウ翻訳シリーズ第4作目。
    原作シリーズとしてはこれが1作目だそうです。イッキ読みしなかったからか、筋書きが「ん?これなんだっけ?」と何度かなったけど、あとがき曰く、そういうところがチラホラあるらしい。

    しかし、このシリーズを楽しむために大切なことは、恐らくプロットを追うことじゃない。
    フィリップ・マーロウのセリフやタフなキャラクター。ミステリーでありながら、純文学のように文章そのものを楽しめばいい。

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    2025年06月02日
  • 大いなる眠り

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    レイモンド・チャンドラーの村上春樹翻訳シリーズ。過去に読んだ「ロング・グッドバイ」、「さよなら、愛しい人」がいずれも素晴らしかっただけに期待していたけれど、期待を裏切らない作品。

    チャンドラーの作品における印象的な主人公である探偵フィリップ・マーロウが初めて登場する作品である本作も、自由に、かつシニカルに動き回る彼の姿を堪能できる。

    依頼人からのさほど複雑ではない依頼を解決するために動き回るうちに、彼の周りで多くの殺人や起こり、そして行方不明になった一人の人間を見つけることが、依頼人にとっての本当に依頼ではないかと気づく。「大いなる眠り(The Big Sleep)」というタイトルは、この

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    2017年05月21日
  • リトル・シスター

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    映画はイマイチのと村上氏のコメントをみたので、逆にどんなものか観てみたい。初めて読んだチャンドラーがこれでよかったのか、と今になって思う。

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    2014年05月15日
  • さらば愛しき女よ

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    ハードボイルドてわかりにくい。心理描写は少ないけれど、すべての推理が終わったときの、マーロウの心中描写は見事だった。いわゆる「砂の器」系の小説だと、すべて読み終えてわかった。誰にも知られたくない過去がある、と書くのは日本の推理小説家。「私は空しい冒険から戻ってきたお人好しのばか者だった」とチャンドラーは何も語らないのに全てを語る。書き込めないのがおしいなー。名作。

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    2014年04月05日
  • さらば愛しき女よ

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    ネタバレ

    フィリップ・マーロウとの付き合いは今後またまた深くなるに相違ない。
    その実、「ロンググッドバイ」以前にも邂逅を果たしていた私であったがたぶんそれは渋柿信介という一少年にだいぶ昔出会ってしまっていたからだ。
    私自身のこういったタイプの人間との出会いの原点がそこにはあった。
    既存のという枠にはめられた人物像を推し量るには、やはりフィリップマーロウに立ち戻らねばなるまい。
    そういった発見を再三もたらした今回の一冊であった。

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    2014年02月28日
  • ロング・グッドバイ

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    レイモンド・チャンドラーの長いお別れ、村上春樹訳。
    まずそのタイトルに惹かれた。ロング・グッドバイ。
    なかなか粋なタイトルである。

    フィリップ・マーロウの織り成す物語に、
    読んでみて大分想像してたものと違っていた。
    いわゆる推理物と呼ばれる、事件が起きて推理していって犯人を暴いていく、
    そんな王道パターンとはどこかズレているような、
    まずもって、人間臭さが全開である。そして何処までもキザな。
    そんなフィリップ・マーロウという男の魅力を存分に味わう、
    読んでいくうちに珈琲を深く味わうような、
    そんな苦味にも似た切なさがそこには広がっていた。

    ハードボイルドとはこういうことなのかもしれない。

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    2025年04月01日
  • さらば愛しき女よ

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    ハードボイルドはミステリーの一ジャンルであるわけだけど、この作品に謎解きもプロットも求めちゃいけないと思う。マーロウのかっこよさとセリフや喩えといった表現のすばらしさ、そして何より作品全体に貫かれているチャンドラーの美学を楽しむ作品。続きが気になると、次へ次へとページをめくるのてはなく、一字一句を味わってこその作品。

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    2013年12月22日
  • 高い窓

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    村上春樹訳の『ロング・グッド・バイ』を読む前に、フィリップ・マーロウに出会いたくて読んだ1冊。ハードボイルドってこういうもんなのね。フィリップ・マーロウが取り敢えずクールで素敵。村上春樹が影響を受けているのが痛いくらいにわかった。2010/100

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    2013年09月13日
  • プレイバック

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    マーロウが落ち着ける安息の場所へと導くために、チャンドラーはこの本を書いた気がする。途中で本筋のストーリーとは関係ない人々が出て来て、寄り道のような会話のやり取りがあった。でもこの本の訳者の清水さんもその意図がいまいち把握できてなかったような感じが多分あって、翻訳にその?がにじみ出てしまってた。結果読み手としての自分も?マークだった。何かの信念が必要なんだよと言ってる気もしたのだが…。
    村上春樹の翻訳で是非読んで見たいなぁ。着実に翻訳作品を増やしてるからでるかもね。

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    2015年06月04日
  • さらば愛しき女よ

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    今度のマーロウは、咽喉を締め付けられても薬中にされても諦めない

    皆があっと驚くやり方で事件を一気に解決へと向かわせる

    マーロウは分かっていたようだが、その推理は最後の最後になってようやく語られる

    真犯人を警察に任せるのは、フィリップ・マーロウらしい

    ということで、畳み掛けるようなラストは見応えあった

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    2013年03月21日
  • プレイバック

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    レイモンド・チャンドラーの長篇作品のラストを飾る作品

    マーロウのあの有名な台詞も出てくる

    内容は、相変わらずダラダラ続く展開に間延び間を感じてしまうが、一貫してハードボイルドな雰囲気をかもし続けている

    ラストに、まさかの人物も出てくる

    マーロウの決断はいかに

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    2013年03月21日
  • リトル・シスター

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    村上春樹のチャンドラー物、三作目。
    解説にもあるとおり、話の辻褄が合わなかったり、読んでいて分かりづらくなるという欠点はあるものの、やっぱり文章がおしゃれ。女性が多く登場するが、だれが一番の食わせ物か、最後まで分からない。ラストに向けてドライブがかかりすぎて空回り感があるのが残念。
    (2012.9)

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    2012年11月07日
  • さらば愛しき女よ

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    男前すぎるセリフに、乾いた文書。これがハードボイルドなんだ、と納得。ちょっと臭すぎると笑いながらも憧れたりします。

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    2012年10月30日