レイモンドチャンドラーのレビュー一覧

  • 長いお別れ

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    何度も咀嚼して読むことで味が出そうな小説。ただストーリーを追うだけで読み進めた自分には途中間延びしたところがあったりでテンポが悪く感じる。
    物語のキーマンであるテリーとの友情が唐突な気がしたり、何故にリンダローリングと寝ることになるのか、その夫である医師は曲者だけど話の筋にはほぼ関わらないひとだったりと納得出来ないところがあるが再読で納得できるのかも。
    タイトルはテリーとのお別れがしばらく経ってもう一度訪れるから、と解釈していいのかな。であれば最後まで読まないと合点できないタイトルで好きです。

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    2020年09月20日
  • プレイバック

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    私立探偵フィリップ・マーロウの物語も遺作となった今作を以て一旦その幕をを閉じる。死体消失トリックのおざなり感に加え、女性たちと脈絡なく一夜を共にするマーロウは過去作で築き上げたストイックな人物造形が揺らぐ程に通俗的。それを『今回も(良くも悪くも)“らしい"作品だな』と受け入れられる私も随分とチャンドラー節にこなれてきたようだ。ロマンスを成就させたマーロウが次作(遺稿を別作家が加筆)にて如何なる変化を遂げるのか興味はあるが、私はここで読み納め。波乱万丈な作家の生涯に作品を通して触れる事が出来たのも感慨深い。

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    2022年10月11日
  • リトル・シスター

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    序盤から依頼人オーファメイの高慢ちきな態度に苛立ちを抑えられず、一体どの辺が「かわいい女」なのさ?と怪訝に思いながら読み進めると、過去作とは毛色の違うピリついた空気が飛び込んで来る。今作のマーロウはどこか投げやりで酷く自嘲的。持ち前のウィットなお喋りにも刺々しさが目立つ。プロットも入り組み過ぎていて流石に読み疲れたが、解説にある通り、著者の精神状態が如実に反映されているならば、そこに強い作家性を感じざるを得ない。村上氏の言う通り、次作への通過儀礼として今作はその出来栄え以上に特別な役割を担っているのかも。

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    2021年01月13日
  • 水底【みなそこ】の女

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    四作目にしてミステリー要素を全面に押し出してきたものの、前作「高い窓」以上の偶発性と力業に頼ったプロットは流石に粗目立ちする。今作の登場人物ではパットンのキャラクターがとりわけ魅力的だが、私は依頼人キングズリーの人間味が妙に愛おしく思えた。物語の舞台となる湖畔の情景描写も秀逸だが、如何にもミステリーの謎解きですよと言わんばかりの終盤の展開はやり過ぎで、物語が一気に通俗的な方向性に転じてしまった。独自の哀愁をバッサリ切り捨てた締め括り方もやや唐突。ミステリーという枠組みにまんまと絡め取られた印象が残る作品。

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    2020年04月03日
  • 高い窓

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    前二作に比べて地味だが、ミステリー要素が強く、暴力描写もないので、落ち着いた雰囲気が新鮮。脇役に至るまで登場人物のキャラクターが濃いので、彼らと対峙するマーロウの駆け引きも殊更ウィットに富んでいる。相変わらず緻密な描写が積まれているが、人物も情景も自ずと立体的になり、一度味わうとこの文体から逃れられない。終盤は所謂ご都合主義的展開だが、収まるべく所にきちんと収束する。とある文芸評論家の方が『ハードボイルドは男性用のハーレクインロマンス』と評したようで、マーロウの振る舞いに痺れる私的には言い得て妙な気も…。

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    2022年09月06日
  • さよなら、愛しい人

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    一作目で挫折しないで大正解。何故なら、正にこんなハードボイルドが読みたかったから。タフガイだけれど、決して完全無欠ではないマーロウ。自身の恐怖心を鼓舞する人間らしさも魅力的。皮肉たっぷりの台詞回しには思わず笑みが溢れてしまう。表現が比喩的過ぎたり、説明が省略され過ぎていて、状況が把握出来ない場面も幾らかあるが、深く考えるのはそれこそ野暮なのか。組織の腐敗は現代の警察小説にも通じており、古典でルーツを探るのもまた一興。邦題を「愛しき女」から「愛しい人」に改題したのは【二人それぞれの愛情】を表すためですかね。

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    2021年01月13日
  • 長いお別れ

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    ハードボイルド、むずっっ!!!
    「なんか、オシャレ…?」
    「なんか、カッコイイ…?」
    みたいな感想しかもてず…わたしがお子ちゃまだからかな?
    昔から男性が「カッコイイ」と思うものにカッコ良さを見い出せない人間なので、
    趣味じゃないってだけかもしれないけど…
    あとは、村上春樹訳で読むべきだったな。
    私が生まれる10年前に訳されたものだからか
    言葉遣いに違和感が…

    ただ、ミステリーとしては「やられた…!」感がありました。

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    2020年01月03日
  • 大いなる眠り

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    初チャンドラー、初フィリップ・マーロウ。各セクション毎の展開に関連性があるようでなかったり、ミステリー作品の構成として腑に落ちない場面は多々あれど、キャラクターの魅力ひとつあれば作品は成立するという説得力に満ちている。マーロウとオールズの関係、ガイ将軍への敬意など、魅惑的な描写に感嘆しつつも、話の筋を追うのに精一杯で、達成感より疲労感が勝ってしまった。整合性を求めるのではなく、独特の言い回しや世界観を味わってみるのが正解だったのかもしれない。次回は"Don't think, FEEL!"の気持ちで挑戦だ。

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    2019年12月17日
  • リトル・シスター

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    春樹版チャンドラー三作目。三作も読むと村上春樹の魅力の原点はやはりチャンドラーから来ているのだなと感じた。訳者も言っているが、内容云々ではなくマーロウ節を愉しむべきだと。内容が複雑で些か読むのに時間が掛かってしまった…まあ面白かった^^ 星三つ半。

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    2019年09月16日
  • リトル・シスター

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    お気に入りの私立探偵フィリップ・マーロウシリーズ。
    今回のはとても登場人物が多く、話も込み入っていてシリーズの中でも分かりにくい作品でした。
    毎回マーロウは損な役回りをさせられていますが、今回も同様、それ以上かもしれないです。何とか探偵免許は剥奪されなかったのと別ルートで報酬もらえたのが救いかな。
    それにしても依頼者のオーファメイが気にくわないな。
    チャンドラーの作品は男性と女性の書き方に差がありますが、女性の闇を見せられた気がしました。
    読後のスッキリ感が薄いですね。
    ウイスキーで流し込んで胃袋の底に落としこみたい作品でした。

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    2019年08月03日
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    ネタバレ

    チャンドラーの小説は、省略が多くて、途中でストーリーについていけなくなる事が多いんだけれど、これは話がそんなに長くないせいか、最後まで迷子にならずに済みました。しかしあの有名な台詞、角川春樹のせいで私たちの世代(アラフィフ)にはすっかりお馴染みなんですが、日本以外ではそんなに知られていなかったとは・・・。広告代理店の力、恐るべしですね。

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    2018年12月08日
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    いつも楽しみにしてるフィリップ・マーロウシリーズの村上春樹翻訳、6作目。ロング・グッドバイや高い窓には劣るけども、楽しめます。次の7作目で最後か。

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    「銃ではなにごとも解決しない」と私は言った。「銃というのは、出来の悪い第二幕を早く切り上げるためのカーテンのようなものだ」

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    「厳しい心を持たずに生きのびてはいけない。優しくなれないようなら、生きるに値しない」

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    2018年11月06日
  • さらば愛しき女よ

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    (108)比喩の訳わからなさにイヤにならなければ面白く読める。メガネさんに鍛えられていれば大丈夫。中国茶のように云々。

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    2018年12月14日
  • 湖中の女

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    読んでいる最中、何度も中断が入ったため、いまひとつ話に熱中できなかった。決してつまらない話ではなかったのだが...。やはり一気に読まなければいけないと思った。

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    2018年10月15日
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    同じ小説なのですが、清水さん訳とは全然違った印象で読ませていただきました。どちらかといえば、しっかりとした筋で、読みやすい印象でした。読後の感想としても、どこで何が起こったのかがよく分かりました。ただそれ故に、この作品の独特の分からなさ、不気味さが減ってしまっている印象があり残念でした。もちろん残っていますし、その中で十分面白かったのですが。
    主人公が、面識の無い弁護士からの電話で急に事件に巻き込まれていきます。そこからその背景を知りたいという主人公の悪い性格が出てきて、事件が進んでいく。それだけでは陳腐な物語ですが、そうさせない、それぞれの場面があり、それを楽しむのがチャンドラーを楽しむとい

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    2018年10月12日
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    ネタバレ

    私立探偵フィリップ・マーロウの七作目。

    違和感。
    マーロウはこんな男だったのか?

    尾行した女について行った街だからなのか。
    突然のヘリコプターの登場も、
    最後のプロポーズも違和感しかない。

    あの、有名なセリフを確認できたのは良かった。

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    2018年02月03日
  • 大いなる眠り

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    村上春樹翻訳作品を読みたくなって手に取った一冊。割りと刑事ものは好きなんだけど、そこまで刺さらなかったなぁ。登場人物の姉妹がどうも好きになれないというか。新宿鮫的な話のほうが好きな自分はどうなんだろう。

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    2017年08月15日
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    ミステリで最も印象的な文章は何?と訊かれた時に、真っ先に思いついたのはこの台詞、

    「しっかりしていなかったら、生きていられない。やさしくなれなかったら、生きている価値がない」

    だった。フィリップ・マーロウの代名詞とも云えるこの台詞が出てくるのはチャンドラー最後の長編である本作なのだ。

    マーロウは馴染みのない弁護士からある女性の尾行を頼まれる。弁護士が指示した駅に行くと確かにそこには女がいた。その女は男と会話したり、コーヒーを飲んだり、暇を潰していたが、やがて動き出した。付いた場所はサンディエゴのホテル。マーロウは彼女の部屋の隣に部屋を取り、盗聴する。やがて駅で話していた男が現れ、その女性

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    2017年06月04日
  • 湖中の女

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    フィリップ・マーロウは4作目の本作で初めてロスを離れる。化粧品会社の社長から頼まれた妻の失踪事件を追って、彼の別荘があるロス近郊の湖のある山岳地帯の村に入り込む。そこの湖から女性の死体が上がる。その女性こそが社長の妻だろうと思われたが、別の女性の死体だったことが解る。そしてマーロウは別の事件に巻き込まれ、命を狙われる。

    本書のテーマは卑しき街を行く騎士を、閉鎖的な村に放り込んだらどのように活躍するだろうかというところにある。しかもその村は悪徳警官が牛耳る村であり、法律は適用されず、警官自体が法律という無法地帯。つまり本書は以前にも増してハメット作品の色合いが濃い。
    この閉鎖的な村で関係者を渡

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    2017年05月25日
  • さらば愛しき女よ

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    ネタバレ

     これぞハードボイルド!黒人街のバー、謎の依頼人に謎の女、富豪、宝石泥棒、賭博の停泊船…あんまりミステリーを読んでなかったわたしでも、「ミステリーっぽいーー!」ってなる要素がそこかしらに散っている。
     マロイが切ない。なんとも言えぬ哀切な感情が胸に残る。

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    2017年01月14日