レイモンドチャンドラーのレビュー一覧

  • プレイバック

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    「レイモンド・チャンドラー」の長篇ミステリー作品『プレイバック(原題:Playback)』を読みました。

    『チャンドラー短編全集3 待っている』、『さらば愛しき女よ』に続き「レイモンド・チャンドラー」作品です。

    -----story-------------
    女の尾行を依頼された「マーロウ」は、ロサンジェルス駅に着いた列車の中にその女の姿を見つけた。
    だが、駅構内で派手な服装の男と言葉を交すや女の態度は一変した。
    明らかに女は脅迫されているらしい。
    男は影のように女について回った… そして二人を追う「マーロウ」を待つ一つの死とは?

    正統派ハードボイルドの伝統を築いた「レイモンド・チャンド

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    2022年10月10日
  • さらば愛しき女よ

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    「レイモンド・チャンドラー」の長篇ミステリー作品『さらば愛しき女よ(原題:Farewell, My Lovely)』を読みました。

    『チャンドラー短編全集3 待っている』に続き「レイモンド・チャンドラー」作品です。

    -----story-------------
    前科者「大鹿マロイ」は、出所したその足で以前別れた女を捜し始めたが、またもや殺人を犯してしまった。
    たまたま居合せた私立探偵「マーロウ」は、警察に調べられる。
    その後、「マーロウ」は、高価な首飾りをギャングから買い戻すための護衛を依頼されるが、自らの不手際で依頼人を死なせてしまう。
    苦境に立った彼を待っていたものは……。
    全篇に流

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    2022年10月10日
  • 大いなる眠り

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    なるほど、ハードボイルドとはこういうものかというのはわかった気がする。行動第一、とにかく自分から動きまくって、事件に自分から潜り込んでいく。論理的な謎解きを求める人には向いてないとも思った。
    終盤のマーロウの語りで明らかになる、大いなる眠り(死)に対する考え方にはドライさと情が同居するハードボイルドのかっこよさが表れていると思った。

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    2022年10月03日
  • さよなら、愛しい人

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    マーロウが時折見せる「弱さ」が意外で、読みどころの一つ。

    事件が大詰めとなり、大ボスとの対決を前にあれこれと考えを巡らせ、くじけそうになるマーロウ。

    「私には酒が必要だった。郊外の家が必要だった。しかし今のところ私が手にしているのは、上着と帽子と拳銃だけだ
    だからそれらを身にまとい、部屋を出た」(p380)

    マッチョ一辺倒ではないからこそ、かっこよさがより際立つし、そんなマーロウを応援したくなる。村上春樹作品はチャンドラーを中心にアメリカ文学をうまく掛け合わせたブレンドウイスキー。そして、こちらは原酒。やっぱり原酒にトライしたいところだ。チャンドラー万歳。

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    2022年06月23日
  • プレイバック

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    人生やり直しも楽しみ(プレイバック)
    街の権力者は法でも金と権力で何とでもなると思い上がる。だが、違った街での自由気ままな発言と行動は許されない。よく政治社会に居る「思い上がり」は権力を振り翳し、街ぐるみで自分の思った通りに動かすが、現実に「長いものには巻かれろ」の如く、言われるままの地位を持った輩でさえも多いのは寂しい限りだ。真実は虚意の世の中に潜んでいる、と言うことだ。
    「優しくなれ、さすれば生きていると言う証が見つかる」そんなミステリー小説。

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    2022年06月13日
  • フィリップ・マーロウの教える生き方

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    レイモンド・チャンドラーの著名な小説シリーズ。主人公のフィリップ・マーロウを通じて描かれる様々な名言から、編者が厳選され、テーマを与えて整理されたものです。それぞれの名言を眺めると、シリーズの場面が思い出され、マーロウのカッコよさが蘇ってきます。それは何故なのか。編者のまえがきから、その理由が分かり、本書が作られた意味も理解することができます。単純に面白いセリフを集めただけではなく、全体を通して見事にマーロウの世界が描かれています。このシリーズがいかに言葉に支えられていたものだったのだと気付かされます。本書から、心に響いた言葉を探して、それを心の奥に持ちながら人生を生きていくのも、カッコ良いと

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    2022年06月04日
  • フィリップ・マーロウの教える生き方

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    本書は、マーティン・アッシャーがフィリップ・マーロウ作品から気に入った引用句が集められた本だ。
    村上春樹が好きだから買った本だけど、フィリップ・マーロウ作品が読みたくなったな。
    積読に「ロング・グッドバイ」があるので、楽しみだ。

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    2022年05月11日
  • 大いなる眠り

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    名誉をも守るための工作
    権力のある人物は自分の「名誉」を護るため、自分ではなくある組織を頼り実行させる。その実行とは本人には危害が全く及ぼされない「法に触れるやり方を選ぶ」となる。現実政治家等に見られる起訴事件などは多くがこの種の行動であり、最後は「一才無関係」と交わす手だ。

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    2022年02月10日
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    私が知らないだけでフィリップ・マーロウの有名な台詞が登場する作品。
    内容はミステリー要素ありつつどうも煮え切らず、登場人物のマーロウを除く全員が好き勝手にやってる感じでまとまりがない。
    尾行する対象の女性の過去ももう少し深掘りしてほしいところだし、追う側の背景ももっと描写があってもよかった。
    この回もマーロウがただただ振り回されて、それでも何とかハンドルを握ってマーロウの道に戻してる感じだった。

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    2021年10月15日
  • プレイバック

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    ネタバレ

    ロング・グッドバイを読んだ直後に手に取った。
    それがあまりに良すぎて、何だかちょっと物足りない感じがした。
    が!マーロウは相変わらずマーロウで、やっぱりタフで、だけど殴られて。そして優しい。そう、タフでなければ生きていけないし、優しくなければ生きている資格がないのだ。それを体現しているかのようだった。
    ただ、今までとちょっと違うのが…誰かとくっ付くことはなかったマーロウだったが、今回はラストで…あれれ?どうなるのかな。

    これで、私のマーロウを眺める旅は終わったけれど、もう少し、もう少し、あのタフでどこか優しい探偵さんのお話を読みたかったなと思う。

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    2021年06月04日
  • 長いお別れ

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    ネタバレ

    ハードボイルド小説の形を作った名作。個人的にはそれほど面白いとは思えなかったが、台詞は洒落ていて格好いい。
    有名な「ギムレットにはまだ早すぎるね」という言葉がどんな使われ方をしているのな理解できたので良かった。この台詞もやはり洒落ている。

    マーロウは探偵なので、探偵小説でもあるのかもしれないが、トリックや動機、犯人もそれほど凝っている感はなかった。
    やはりクールさ渋さを感じたい人向けだろう。

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    2021年04月03日
  • 高い窓

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    ネタバレ

    高い窓

    著者:レイモンド・チャンドラー
    訳者:村上春樹
    発行:2016年9月15日(単行本は2014.12)
    ハヤカワ・ミステリ文庫

    村上春樹訳で読み直すフィリップ・マーロウ。本作はシリーズ3作目。これは読んだことがなかった(たぶん)。一般的にも、日本では全7作中で一番知られていないかもしれないし、発表当時もアメリカでの評判はよくなかったと訳者後書きには書いてある。しかし、僕にとってはとても楽しめた作品だった。珍しくマーロウが殴られて気絶するようなシーンが全くない。殺人は3回あるが、リアルな暴力シーンがなかった。そして、謎解きがちゃんとされている作品でもあった。

    (設定)
    裕福な未亡人ミ

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    2021年03月30日
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    ネタバレ

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    著者:レイモンド・チャンドラー
    訳者:村上春樹
    発行:2018年9月15日(単行本は2016.12)
    早川書房(ハヤカワ・ミステリ文庫)

    「タフでなければ生きていけない。優しくなければ生きている資格がない」

    小説そのものより、この下りの方がずっと有名かもしれない。チャンドラーの小説に出てくることを知っていても、「長いお別れ」や「さらば愛しき女よ」あたりに出てくると思っている人もいるかもしれない。僕の印象では、この言葉は有名だけど、プレイバックの小説そのものはそんなに面白くない、と評する人が多いように思う。

    ともあれ、この有名な言葉を村上春樹が果たしてどう訳しているのか。な

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    2023年05月20日
  • プレイバック

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    「プレイバック」(レイモンド・チャンドラー :村上春樹 訳)を読んだ。
    やはり清水俊二版で育った世代なので、村上春樹版の例のセリフはちと堅苦しい感じがしてまだ馴染めずにいる。
    この作品はさ、矜持こそ失ってはいないもののかなりお疲れ気味のマーロウがいてちょっと違和感があるよ。
    やれやれ。

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    2021年01月08日
  • さよなら、愛しい人

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    チャンドラーが残した七冊の長編小説のうち、これで三作を読んだわけだけれど、村上春樹氏の翻訳がいよいよこなれて来て、とても読みやすくなっているように感じた。

    「ロング・グッドバイ」も「大いなる眠り」も、やや村上氏にもチャンドラーを翻訳するということへの愛があふれるゆえ気負うところがあったような、僅かなぎこちなさみたいなものを感じたのだけれど、そういうサイドブレーキを引いたまま運転しているような印象が綺麗サッパリなくなっていてとても愉快にこのタフでいかした私立探偵との旅を感じて読み進めることが出来たように思える。
    もちろんそれは、この作品そのもののもつクオリティやパワーが他の作品に比べてもやはり

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    2020年12月09日
  • 湖中の女

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    チャンドラーは評論を含め全て読んでるはずなのにこの作品は印象が薄い。
    初期に傑作を沢山読んだせいかもしれない。

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    2020年11月10日
  • さよなら、愛しい人

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    マーロウはかっこいいですね、シェイクスピアの言い回しがかっこいいです(シェイクスピア読んだことないんですが)。

    今回は伏線がたくさんあり、ミステリアスな内容です。気合入れて読まないと、伏線回収で付いていけなくなります(私です)。

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    2020年10月26日
  • 長いお別れ

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    何度も咀嚼して読むことで味が出そうな小説。ただストーリーを追うだけで読み進めた自分には途中間延びしたところがあったりでテンポが悪く感じる。
    物語のキーマンであるテリーとの友情が唐突な気がしたり、何故にリンダローリングと寝ることになるのか、その夫である医師は曲者だけど話の筋にはほぼ関わらないひとだったりと納得出来ないところがあるが再読で納得できるのかも。
    タイトルはテリーとのお別れがしばらく経ってもう一度訪れるから、と解釈していいのかな。であれば最後まで読まないと合点できないタイトルで好きです。

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    2020年09月20日
  • プレイバック

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    私立探偵フィリップ・マーロウの物語も遺作となった今作を以て一旦その幕をを閉じる。死体消失トリックのおざなり感に加え、女性たちと脈絡なく一夜を共にするマーロウは過去作で築き上げたストイックな人物造形が揺らぐ程に通俗的。それを『今回も(良くも悪くも)“らしい"作品だな』と受け入れられる私も随分とチャンドラー節にこなれてきたようだ。ロマンスを成就させたマーロウが次作(遺稿を別作家が加筆)にて如何なる変化を遂げるのか興味はあるが、私はここで読み納め。波乱万丈な作家の生涯に作品を通して触れる事が出来たのも感慨深い。

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    2022年10月11日
  • リトル・シスター

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    序盤から依頼人オーファメイの高慢ちきな態度に苛立ちを抑えられず、一体どの辺が「かわいい女」なのさ?と怪訝に思いながら読み進めると、過去作とは毛色の違うピリついた空気が飛び込んで来る。今作のマーロウはどこか投げやりで酷く自嘲的。持ち前のウィットなお喋りにも刺々しさが目立つ。プロットも入り組み過ぎていて流石に読み疲れたが、解説にある通り、著者の精神状態が如実に反映されているならば、そこに強い作家性を感じざるを得ない。村上氏の言う通り、次作への通過儀礼として今作はその出来栄え以上に特別な役割を担っているのかも。

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    2021年01月13日