碧野圭のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
最初の数ページを読んだ時は読み始めたことを後悔した。図書ガールを読んだ後でもありこの後の逆転劇を感じていても、主人公にのしかかる悲劇は読んでて辛いものでした。負の連鎖はその後全編の約半分近く続き、予想通りの展開。しかし前半の痛めつけもあってとても心地よく読みすすめることができる。いくらなんでもうまく行き過ぎでは?と思わなくもないが、本来の主人公のポテンシャルが手繰り寄せた幸運なんだと思い納得しておく。この物語はワーキングマザーを応援する雑誌作りを題材にしたワーキングマザー応援小説という入れ子構造なんだと、読み進めて気がつく。
それにしても雑誌刊行のプロセスがよくわかりますね。出版社のお話だけに -
Posted by ブクログ
ネタバレ書店ガールでおなじみの作者の原点。自身の15年に及ぶ出版社勤務の経験を活かした作品。
前半は本当にむかむかと気分が悪く、腹の立つ展開。
後半は主人公・和美の逆転攻勢…に見えるのだが、実は違う。
結局、人間関係や根回し下手で、実直に仕事に取り組んでいた和美が周囲の意見に耳を傾けたり、上司の立場を慮ったりという組織人としての成長を遂げ、周囲とも瓦解して一件落着。。と見えた。
つまりは仕事の能力よりも組織の一員としての振る舞い方や、管理職として部下や後輩を育てたり、多くの人脈を持つ人間が社会を勝ち上がっていくものだと示唆されているような気がした。
ごもっとも。能力主義など日本社会では夢物語。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ職業物のアンソロジー、全6編。収録作品は全て書き下ろし
独身女性が、仕事に悩みながらも前進していく話。
読むまで、順風満帆のまま暮らしているの話を連想していたが、ゆずこしょうの効いた物語で一喜一憂しながら読めた。
(窮状認識+報告連絡相談)×努力×忍耐=成長or成果
・大崎梢「ウェイク・アップ」→元売れっ子漫画家
・平山瑞穂「六畳ひと間のLA」→通信講座の英語講師
・青井夏海「金環日食を見よう」市営プラネタリウム解説員
・小路幸也「イッツ・ア・スモール・ワールド」→ディスプレイデザイナー
・碧野圭「わずか四分間の輝き」→スケート専門のスポーツ記者
・近藤史恵「終わった恋とジェット・ラグ」→団 -
Posted by ブクログ
なんかイメージと違うなーというのが最初の印象でした。
書店のお仕事小説ということで、もっと楽しくお仕事しているかと思ってたのに、なんだか読み進めるうちになんかこうモヤモヤしたものが胸内にたちこめるようなあまり気分良くない感じを受け取りました。
女性の戦いとか特にそう。
それを一気に越えてくれたのが男性陣の存在でしたね。
タイムスリップして明治とか昭和とかに行ったっけ?と思うくらい女性蔑視がひどかったです。
そこで手を組む女性二人がカッコイイのですが。
しかし現実にもこんな現代でも女性蔑視の風潮ってあるのですね?
作者が女性か男性か知らないのですが、そこらへんが自分的には目から鱗でした。
でもそ -
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再読。
全日本ジュニア選手権、全日本選手権への招待出場、世界ジュニア選手権とどんどん階段を上がっていく主人公。
学業との両立、自己管理の甘さ、周囲の変化についていっていない様子がよく表れている。
日本のトップスケーターはまともな学生生活を送っていない、スポーツエリートの傲慢な言葉など、所々に出てくる描写が気になった。
2012.7.10
シリーズ三作目。
フィギュア王国名古屋を舞台にした女子フィギュアスケーターの成長物語。
高校生の主人公が、サブタイトルのとおり世界へと飛翔していく。
自分の技量や才能に心がついていっていない様子がよく表れている。
表舞台に立つ人は、早く大人にされてしまうの -
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(No.12-12) フィギュアスケート小説です。
内容紹介を、表紙裏から転載します。
『高1の秋、中部ブロック大会で優勝した竹中朱里は2ヵ月後、全日本ジュニア選手権大会へと駒を進めていた。世界ジュニアの出場権がかかった試合当日、朱里は体調を崩し、スケート靴のトラブルにも見舞われ絶体絶命のピンチに。ところが演技中に朱里のとった行動は周囲をあっと驚かせる。
スケート少女の苦悩と成長を活写する人気シリーズ続編。文庫書下ろし。』
前作 age15 で、悩んだ末に頑張って入った高校は朱里にとって大正解でした。一時ギクシャクした明子先生ともすっかり元通りになり、朱里はこれからも先生と一緒にやって行き