中山可穂のレビュー一覧

  • 銀橋

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    ネタバレ

    面白かった。面白かったんだけど、文庫でこの価格は信じられん。続き物だから買ったけど、この薄さで1000円近くって……。今の出版業界、よっぽどやばいのかしらといらん感情が湧き出てくる。
    内容は、アモーレさんどうなった!?って感じのラストですが続きはもうないそうなので無事でいるんだろうと思っておきます。
    『男役』の主人公ナッツがトップさんになっててよかったねぇという親の気持ちになりました。
    3作通じて一番魅力的だったのはパッパさん。本当に子どもを産んでたのか、そしてその子が亡くなってしまったのかどうかを最後まで濁していたのがパッパさんらしい描かれ方でよかった。
    宝塚では「キザる」って言い方本当にす

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    2021年12月12日
  • 娘役

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    ネタバレ

    前作に引き続き作者の宝塚愛を存分に感じられる作品だった。
    ヤクザ×ヅカという変化球は面白かったけど、片桐のヤクザ人生がうまく行きすぎてて違和感。まさか顧問になっても30歳前だとは思わなかったし、あり得ないんじゃないかしら……?そっちの人ではないので知らんけど。
    ラストは予想通りでした。そりゃ、うまく行き続けるわきゃないよなぁと……。
    でも外道をぶっ叩いた薔薇の花束を神聖な自分の女神様に届けたらあかんやろと思ってしまった。
    バラキとほたるのコンビ愛には涙しました。キリンとライオンの例えも幻想的でよかった。
    読み終わってYouTubeでリフトの動画を探して観ました。こういうのなんだ。すごいなぁ……

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    2021年12月07日
  • 娘役

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    本当にめちゃめちゃめちゃめちゃ良い。細切れじゃなく没頭して一気に読みたいけど勿体なくてゆっくりゆっくり味わいながら読んだ、最高。こんなの読んだら宝塚の世界を愛さずにはいられない。「男役」も良かったけど期待を超えてきた「娘役」。続く「銀橋」も確実に最高でしょ。
    そして中山可穂のすべてを読みたくて順調に集めているけど読み終わってしまいたくない気持ちも強い。こんなに好きになった作家は初めてだよ。

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    2021年08月29日
  • 銀橋

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    ネタバレ

    3シリーズ一気に読んだ。ラストのこの『銀橋』で、これまでの2作品で登場したジェンヌたちがどんな立ち位置になって、どう成長したのかが描かれていたのがよかった。
    作者は特定の方をイメージしていないとのことだったが、花瀬レオの芸風が先日退団した贔屓と被り、なんか思い出して泣きそうになった。電子書籍版のあとがきに、作者の次のご贔屓様が2021年3月に退団公演真っ最中とのことだったので、もしかして同じ方かもと想像したり…
    やはり男役娘役も限りあるから美しい。贔屓の退団という悲しみの中で、本当にすごく尊いものを趣味にもってしまったと頭を抱えつつも、また劇場に足を運びそのきらめきに魅了されてしまうのかな。

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    2021年05月04日
  • 銀橋

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    ラストの薔薇が落ちるとこが良いよね。そうやって続いていくんよな。
    中山可穂さんのご贔屓がどなたなのか知りたい。

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    2021年04月30日
  • 男役

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    面白かった。夢中で読んだ。

    宝塚は2度しか見たことがない(しかも東京公演)、ライトなライトなファンなので、純粋にフィクションとして楽しめた。
    何より、中山可穂さんの大袈裟でない妖艶な文体とか、気が付けば異世界に触れているみたいな誘導の巧さとか、気持ちいい。

    とはいえ、結構感情移入していた。何度か泣いた。

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    2021年01月27日
  • 娘役

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    そうそう、中山可穂さんは時に意地悪なほどに読者を平穏無事にはしてくれないんだよなー!ということを思い出した。
    すぐにでも「銀橋」を読みたいけれど、判型が揃わないので躊躇するところ。「男役」「娘役」を単行本の時に読まなかった自分を後悔するけれど、その当時は宝塚にハマっていなかったので、今このタイミングで読んで良かったんだと思うし、アンビバレンツ。

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    2020年07月19日
  • 白い薔薇の淵まで

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    こんなに激しい破滅の愛があるのか。
    中山可穂、初めて読んだけど他の作品も読みたくなったしこれもいつか読み返すだろうなと思う。

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    2020年02月01日
  • 花伽藍

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    「鶴」を読んであまりに濃密な世界観に驚いてしまって他の4篇を読まずにそのままにしていた。松浦理英子や森奈津子を経て、中山可穂もおもしろく読めるようになった。

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    2019年08月16日
  • 白い薔薇の淵まで

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    角張ったダイアモンドの原石のような、とても痛くとても美しい愛の物語。彼女たちの幸せを願わずにはいられなかった。

    知らない作家だったけどとても読みやすかった。飾り気がなく痛々しさが直にくるが、決してそれだけじゃない、そっと優しさを添えたような文章に感じた。別の作品も読んでみたい

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    2018年11月22日
  • 深爪

    購入済み

    凄くよかった!

    同姓愛者の自分でも言葉にするのが難しい女性同士の愛の複雑さが文章を通して理解できていく。
    必ず違う作品も読もう!と思えました。
    なんだかスッキリしました!

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    2014年10月26日
  • サグラダ・ファミリア[聖家族]

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    【本の内容】
    将来を嘱望されながら、ある事件をきっかけに落ちぶれてしまったピアニスト響子。

    酒に溺れながら孤独に生きる彼女のもとに、かつて恋人だった透子が戻ってきた。

    ある日突然、赤ん坊を抱いて。

    しかし、女同士のカップルと赤ん坊の不思議な関係は、突然の透子の死によって壊れてしまう。

    希望を失いかけた響子の前に一人の青年が現れた―。

    切ない愛と新しい家族のかたちを描く、恋愛小説の傑作。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    真赤な血を連想させる毒々しいバラの花束、土を掘って埋めた死んだ猫の骨…この小説にはそんな不吉な表現が山ほど出てくるけれど、でもなぜかシャガールの絵のように、使われる

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    2014年08月26日
  • 白い薔薇の淵まで

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    二人の女性の至上の愛を描いている作品。エッセイやあとがきまで読んで、いかにこの作品が計算されて書かれているかが確信できた。

    良いところは、生々しい女の性が的確に書かれているところと、下品じゃないところ。そして、繊細で、痛みに必死で耐えてる塁に惹かれる。

    イマイチなところは、クーチが「陽のあたる場所にいる女性」すぎて、時々共感できないところ。話の終わり方も…少しポカンとしてしまったけど、納得はできる。

    一気に読みきってしまった。
    深見真さんが著者の中山可穂さんの本を絶賛していたのが、この本を読んだきっかけだが、本当に読んでよかった。
    女同士の恋愛に抵抗がなく、切実な思いのこもった恋愛小説を

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    2014年06月22日
  • 白い薔薇の淵まで

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    間違った。これがセクシャリティーに気づいて初めて読んだ本だ。
    主人公の塁みたいに自由に生きたいと思った。ちょうど、塁は8歳上の女性に恋をしたんだけれど、当時自分もそうだった。そして、ノンケと言うことも、彼氏がいると言うことも…。愛し合っていたと言うことも…。結末はこの本とは違うけれど、すごく、思い出深い本です。

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    2014年06月18日
  • ケッヘル 下

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    部屋の片隅から交響曲が聞こえてくる……

    読んでも読んでも終わらない物語
    長い…すんごく長い、分厚い(約1000ページ)
    そして、【面白い】。ホント凄かった。壮絶。
    モーツァルトだらけ
    愛と愛そして愛ッ!
    憎しみ
    色男(ドン・ジョバンニ)・色女(ラテン系)
    悲しい・醜い復讐劇か、それとも美しい愛の物語か。
    何も知らずに読み始めた方が楽しいかも。
    これでもかと、本を読みたい人にはオススメ。

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    2014年04月04日
  • 猫背の王子

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    ネタバレ

    燃えるような恋愛だったり、時として儚く狂おしい恋愛だったりといろんな側面を持つ百合小説である。ミチルさんはたくさんの女性と関係をもつ事で意中の女性へ嫉妬をさせ、恋の駆け引きを楽しんでいたのだろうか。私自身は異性愛者(ノンケ)だが、ミチルさんが目の前に現れたら惚れてしまうだろう。実際、ミチルさんに虜になった登場人物たちに感情移入をしてしまった。最後は切なかったがそれすらも美しいと思ってしまった。

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    2014年03月04日
  • 弱法師

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    三篇とも胸にズンッとくる話、言葉、雰囲気だった。正に狂おしいという表現がぴったり合う。
    特に好きなのは二作目の「卒塔婆小町」。形はどうあれ、あの二人は間違いなく愛し合っていたのだと思う。

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    2013年10月16日
  • 悲歌

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    隅田川、定家、蝉丸。
    能の知識がこれっぽっちもないのが、残念。

    久しぶりにこの人の本を読むのだから、大切に読みたいと思ったんだけど、気づけばほぼ一気読み。

    蝉丸は読んでいてキリキリしてくるわっ!
    誰にでも容易に薦められそうな内容でもない気がするが。

    そして、あとがきが印象深い。
    自分は紙の本が好きで、電子出版は意識にも上ってこないんだけど、著者自身がその手軽さを意識しているなんて思いもしなかった。

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    2013年09月08日
  • 弱法師

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    「報われない恋」というテーマの中編を三編収めた作品集、今回はレズビアン的要素を抑えているのが特徴というか。

    表題作(弱法師と書いて「よろぼし」と読む)も悪くないが何と言っても白眉は「卒塔婆小町」。

    自暴自棄になった主人公が捨てた原稿をホームレスの老婆が拾うシーンから始まり人の業というものを凝縮したような終わりを迎える編集者と作家の壮絶な物語は圧巻としか言いようがないのだった。

    ラストの鎌倉を舞台にした「浮船」がまた良いんだ。

    財布の一番奥にしまわれていたぼろぼろになった写真――……切ないよなあ。

    それはそれとして結局最後まで明かされなかったけど、薫子おばさんの職業はいったい何だったん

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    2013年06月08日
  • 猫背の王子

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    久々に、心掴まれて揺さぶられる本を読めた。
    没頭できた。
    幸福だった。

    中山可穂さんの本は『弱法師』以来。これからまた大事に読もうと思う。

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    2013年04月21日