中山可穂のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
【本の内容】
ぼろぼろの守護天使たちがわたしにつきまとう…。
人生のすべてをかけた劇団を失い、世捨て人のように暮らす劇作家ミチル。
絶望の果てに、彼女は天使の幻覚を見るようになる。
この天使たちを葬るために―。
イスタンブールからリスボンへ、そしてパリへ。
ヨーロッパを彷徨うミチル。
再生の光は果たして見つかるのか?
魂の巡礼を鮮烈に描く青春小説の傑作。
第6回朝日新人文学賞受賞作品。
[ 目次 ]
[ POP ]
よごれた血のつく羽を縮ませて、地面を歩く天使たち。
その姿は薄汚く、どうしようもなく穢れてみじめで憐れさと悲しみを漂わせている。
それは旅に出た頃のミチル -
Posted by ブクログ
再読。それも何度目か分からないほど。
中学の頃に今でもどうしようもない気持ちを湧かせる友人に薦められた一冊。山本文緒さんが嫉妬したという作品。
王寺ミチルはカイロプラクティックという劇団を主催する。レズビアンであり、女たらしの、永遠の少年を魂の双子に持つ。横暴と傲慢と純粋と絶望の甘さに酔うナルシスト。
彼女を支えた人々は彼女を愛し、憎み、守り、叩き潰し、演劇の神様のもとへ引き摺り出す。
栄光は一瞬で彼女を焼いて影にしてしまう。こびりついた影のなかで彼女の心臓はやはり演劇の神のもとで一脈を生み出す。
血で濡れたような文章。坂を転げる身は炎に巻かれている。中山さんの処女作はまるで生まれたての赤 -
Posted by ブクログ
中山可穂といえば、レズビアンものだと思って読み始めたら今回の短編は全てがそうではなかったので、驚いたけれどこれはこれで新鮮だし、面白かった。
長編小説程のインパクトはないかもしれないけれど、タンゴで繋がった5つの短編は、どれも鳥肌が立つような話だった。
タイトルになっている「サイゴン・タンゴ・カフェ」はほかの4つより少し長めで、小説を書く事についての幸せや苦しみがとてもリアルに感じられた。
一人の人間をめぐるいくつもの恋物語が、ファンタジックでありながら、生々しさを感じるのは、やっぱりリアリティを感じるからなのかもしれないなと思う。
中山可穂のように同性愛ものを書く作家さんは少ないけれど、中山