中山可穂のレビュー一覧

  • 天使の骨

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    「猫背の王子」の続編である。読み始めて怖くなって身体の震えを感じたのは初めてだ。嫌に現実的で嫌になった。三部作と聞いている。続きはまだか?

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    2010年04月24日
  • ジゴロ

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    この作品は重くなくさらっと読めたと思います。少し笑えるところもありました。短編ものでもおもしろいですね!なかでも「恋路すすむ」の話が良かった。

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    2010年04月24日
  • ケッヘル 下

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    すっごい気合を入れて書いたんだろうなという印象を受けました。
    が、少々くどい印象もあり。
    人間模様の描写とか、
    心の動きとかを表現する言葉は、
    相変わらず美しくて胸に刺さるんだけど、
    どこか入り込めなかった。

    初期に比べて、
    勢いがなくなってきたのかも。
    整然としすぎて、切迫感がうすれてきたのかも。
    何か、煮え切らない。

    ☆☆☆ ホシ3つ

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    2010年02月28日
  • サイゴン・タンゴ・カフェ

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    サイゴンとか、タンゴとか、異国っぽいタイトルに惹かれて購入。普通に面白い、けれどちょっとクセも強い気がした。
    個人的にはそれほど好きなタイプではないかも。

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    2010年02月13日
  • 猫背の王子

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    【自分とセックスしている夢を見て、目が覚めた―。女から女へと渡り歩く淫蕩なレズビアンにして、芝居に全生命を賭ける演出家・王寺ミチル。彼女が主宰する小劇団は熱狂的なファンに支えられていた。だが、信頼していた仲間の裏切りがミチルからすべてを奪っていく。そして、最後の公演の幕が上がった…】

    ミチルは自分勝手で、「こんな人が身近に居たら嫌だな〜」と思っていたのに、
    劇団への強い思いが分かっていくにつれて
    何でも許してあげたくなる気持ちも出てきて、
    愛おしくさえなってしまったのが不思議。
    実は不器用なだけなんですよね、きっと。
    たぶん最後まで付いてきてくれた他の劇団員も
    同じ気持ちだったんじゃないかな〜
    劇団が消滅した時、ミチルはどうなるんだろう・・・
    突然壊れてしまいそうなミチルがとても心配です。
    誰か支えてあげてー!!

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    2009年10月09日
  • 天使の骨

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    ミチルは劇作家だが、現在は世捨て人同然の暮らしをしている。
    彼女にだけ見える天使の幻覚。
    それを追うためにはイスタンブール、アテネ、ミラノ・・・と長旅に出るのだが、占い師に「西に行くとロクなことがない」と言われたのがひっかかる。
    何が起こるのか。


    「猫背の王子」の続編とのことだけど、前作を読まなくても普通に楽しめる。
    ミチルは心底演劇を愛しているらしいのだが、その様子があまり伝わらず、もっと詳しく書いて欲しい。
    と思ったら、前作に詳しく書かれているそうですね、はい。

    全体的に特に印象に残る話ではないけど、独特の雰囲気が好き。部分部分の印象が強いかな。
    ミチルがそれぞれの土地でであった人たち。
    「普通」だったら絶対会わないはずで、自分がもしミチルの立場だったら一生忘れることのないような出会いだろうなー。

    特にミチルにコートを着せた、あの女黒人店員が気になるね!どれだけ妖艶な人なんだろうー。


    トオルの存在は・・・?などのもやもやは残るけどー。


    どうでもいいんだけど、ミチルが「演劇をやるためだけに入った」大学は早稲田がモデルみたい。演劇博物館・・・。

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    2009年10月04日
  • 深爪

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    昨日買った中山可穂の小説『深爪』は、人妻に恋し捨てられるレズビアン、その人妻、その夫、と主観を変えた3編の短編による連作だった。

    この「主人公が人妻に恋をし、ふられる」というのは中山可穂の作品に繰り返し現れるプロットなんだけど(おそらく作者が実際に経験したのだろう)、今回は相手の視点から書くなど、より客観的にとらえる試みもなされている。それは一つの成熟ではあるんだけど、私は『感情教育』の頃のような、文章に当たり散らすような荒っぽい作品の方が好きだったかもしんない。

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    2009年10月04日
  • 熱帯感傷紀行 -アジア・センチメンタル・ロード-

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     わたしのたったひとつの望みは、記憶喪失になることだった。あのひとにつながるすべての記憶を忘れたい。忘れなければ生きていけない。
    (P.67)

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    2009年10月04日
  • ジゴロ

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    これは割と最近読んだ本。
    本命の人が居ながらにして毎夜毎夜他の人の肌を求めては夜の街でギターを弾き、歌声を響かせる。そんな主人公カイのもとに寄ってきては離れたり一瞬の人生の交錯に溺れる女性達の姿が濃く描かれている中で、やはりこの作家さんならではの濃密な描写と生々しい情景の切り取りが強い本だと思います。
    これまでの著作での主人公が割と直情的だったのに対しこの作品の主人公は「待て」を覚えた猫のような印象を受けますね。
    短編集なのに主人公のぶれを感じないのもまた魅力。なかなか好きかも。

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    2009年10月04日
  • 熱帯感傷紀行 -アジア・センチメンタル・ロード-

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    本人の紀行文であるがゆえに、それだけ距離をおいて読める、とも、逆に、切ない、とも言える。私にはないエネルギーに圧倒される。

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    2011年10月13日
  • 天使の骨

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    絶望した人が再び立ち上がるときには力強くなっていると思いたい。
    ただ同性愛を絡める必要ってあんのか?あんだろうな、わからんけど。
    そのうち前作も読もうかとも思うけど、覚えていたらばの話。

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    2009年10月07日
  • 弱法師

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    「弱法師」「卒塔婆小町」「浮舟」の3話からなる短編集。話が美しすぎて私にはちょっと・・・。「卒塔婆小町」の将来有望な若手小説家が、美人ではあるが男性を愛せない編集者に恋をして身を削っていく様はよかったです。

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    2009年10月04日
  • ジゴロ

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    久々再読したら、おおうこんな救いのない?話だったかとびっくりした。カイは主人公だけど主人公じゃないのですね。

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    2009年10月04日
  • 弱法師

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    能の「弱法師」、「卒塔婆小町」、「浮舟」を素材とした短編集。
    たまにはこういうのもい...いかな?
    能だと、聴覚、視覚的に美しいせいか、何故かすんなりと物語に入って行けるけど、現代の小説家がアレンジするとこんなにも重い話だったのかと気づかされる。

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    2009年10月04日
  • 天使の骨

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    「猫背の王子」の続編。
    全てを捨てることが出来たら、辛くてもしあわせだろうと、そんなことを思った。

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    2009年10月04日
  • 熱帯感傷紀行 -アジア・センチメンタル・ロード-

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    友人が同じ作者の「感情教育」という本が面白いというので、大学の書店に行ってみたら、
    その本は品切れで、この本があった。
    題名の良さでつい買ってしまったが、
    もの凄く新鮮に感じた。
    金子光晴の「マレーシア蘭印紀行」や沢木耕太郎の「深夜特急」とはまた違った文章のタッチで、
    女性らしさが出ていて、面白かった。

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    2009年10月04日
  • 猫背の王子

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    2009.04.18. 再読
    ときどき、ミチルさんに無性に会いたくなる。

    2009.10.21. 再読
    舞台を見たので、演劇つながりで。

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    2009年11月21日
  • ジゴロ

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    ダブツというあだ名の男の子から好かれている女子高生がカイに惚れる話の "ダブツ"。この章を、僕が思っている彼女のレズビアン小説という先入観で読むと軽く裏切られるのだが、それは気持ちの良い違和感だった。読後感は爽やかだったりする。死に至る病気でありながらも相手が求めるセックスに応え続け、そして最期を迎える "恋路すすむ"。これは壮絶な話なのだが、その内容の割にラストシーンは感動的だったりする。この二つの話に代表されるように、過去に読んだ中山作品の中では比較的軽い気持ちで読めた作品だった。と思ったら、本人が文庫本あとがきで「肩の力を抜いて楽しみながら書いた」と言っていた。中山可穂を未読の人は、短編なら気楽に読める点ではこの作品から読むと良いかも。長編なら「サグラダ・ファミリア」をお薦めする。

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    2013年02月22日
  • ジゴロ

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    「ただひとりの女を愛し続けるために、百人の女と寝ることもある」この言葉に引かれて買ってみたらちょっとびっくり。「ダブツ」が一番すきかな。(2006/06/24)

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    2009年10月04日
  • 天使の骨

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    <あらすじ>
    「猫背の王子」の続編。しかし、単体でも勿論読める。
    主人公・王寺ミチルは、人生の全てをかけた劇団を失い、共に劇団を運営していた片腕であり戦友の姫野トオルを失い、涙すら流れない世捨て人のような暮らしをしている。何の目的もなく絶望の中で生きているミチルの前にぼろぼろの羽をつけ俯きながら放浪する天使の幻覚が表れる。徐々に天使の数は増え続けるが、しかし、天使は何をするわけでもない。ただ目の前に表れるだけだ。そのことを相談した木内雅野(ミチルの劇団のレビューを好意的に書いてくれていた雑誌記者)に紹介されたミュージカルの脚本書き、という仕事から逃げ出すためにとっさに口をついた「旅に出る」という言葉。そして偶然に出会ったミチルの熱狂的なファンから「いつか再び劇団を旗揚げしてほしい」と資金を渡され、何かから逃げるように彼女はあてのない旅に出る。天使を葬るために、芝居から逃げる為に、ヨーロッパを彷徨うミチルに、再興は訪れるのか...。

    <感想>
    終始、この中で描かれるのは圧倒的な「喪失感」だ。もう取り返しのつかない、どうすることもできないほどの喪失感に主人公ミチルは囚われている。その喪失とは、劇団の解散であり、トオルの不在に起因している。前作「猫背の王子」を読んでから本書を読むと、まるで同一人物とは思えないほどに憔悴しきったミチルの姿に驚く。ここで彼女にしか見えない天使が表れる。と書くと、まるで陳腐なファンタジーのようだが、しかし、天使たちは数を増やしても何の救いにもならない。気が滅入るだけなのだ。
    そんな身動きのできない怯えきった主人公の前に表れる脇役達が、今回は非常に興味深い。やさしかったり突き放したり、でも底ではミチルへの愛が感じられる雅野。又、ミュージカルプロデューサーの戸井美奈子。とくに、戸井美奈子の「こういう手合いはどの業界にもいる」ようないやらしい描き方は、秀逸。結局、全てに興味を失っていたミチルを長い旅へと(逃げ出す為とはいえ)出かけさせる程、虫酸の走る人物描写に成功している。ミチルが旅先で知り合う全ての脇役たち、とくに息子の死の原因を探るためバックパッカーをしている50代の女性、南啓子の存在も大きい。これら魅力的な脇役は、全体的に澱んで停滞したムードを吹き飛ばす程、リアルだ。この小説の元となる旅を実際に行ったという作者のリアルな視線を、そこには感じる。
    そして、一度も表には出てこない姫野トオル。ミチルの「圧倒的な喪失感」を読者も共感を持って眺められる訳は、この「絶対に表に出てこない、もう一人の主人公」のせいだといえる。結局、トオルとの決着は長い旅をもってしてもついてはいない。ただ、幾ばくかの晴れやかな感情の上昇と、幻覚の天使達の消失によって、旅の終わりを気持ちよく受け入れることができる。私は、早く続編が読みたい。

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    2009年10月04日