中山可穂のレビュー一覧

  • 銀橋

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    本書にはファンタジー要素はないので、純粋に宝塚小説として楽しんだ。完全なフィクションとはいえ、あれやこれや勝手に連想しつつ…。今度、宝塚の舞台を生で観る機会には、今までよりもっともっと、敬愛の念を高めて観たいと思った。

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    2021年05月23日
  • 男役

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    最初のうちは宝塚ファンとして興味深く読み進めたが、途中からは、純粋にフィクション、小説として楽しんだ。何てロマンチックなお話…!これからの彼女たち、も気になるところ。三部作読破予定。

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    2021年05月12日
  • 白い薔薇の淵まで

    ネタバレ 購入済み

    評判を見て購入

    評判を見て購入しました。絶望的に性格の相性が悪いふたりが肉体的に相性が良いとこうなってしまうという
    例を延々と読んでいた感じがしました。
    BLではよくある話で、特に片割れが闇のような過去を持っていて、ノンケがそれを受け止めようとも受け止めきれず
    終わりや破滅に向かうような。
    ただこれは「一般文芸」で「2001年に」「山本周五郎賞受賞」をしているのがやはり一線を画す要因なのかなと。
    時代を経ようとも色あせない文学もあるけど、これはその時代に読んでこそのタイミングや共有感があってこその受賞作なんだろうなあ。
    文学にまで「昇華」させた筆力と経験あってこそだと思った。

    内容について。

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    2020年09月14日
  • 猫背の王子

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    ミチルみたいな人と一緒になっても、あったかい幸せは掴めない。そうわかっていても離れられない、依存させてしまうような魅力がミチルにはあるのだと思う。私も小説の中のミチルという女性に恋に落ちた。王子様みたいだけど乙女でもあって、クールなのに情熱も持っている。やっぱりこういう女性はずるいな。あとやっぱり仕事と恋愛はわけなきゃだめだ。
    中山可穂という作家さんを知って、好きになった1冊。

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    2020年05月26日
  • サイゴン・タンゴ・カフェ

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    5つの短編。舞台はブエノスアイレス、京都、横浜、ホーチミン、ハノイとさまざまだが、どの話にもタンゴが何らかの形で関わる。そして不運というか貧乏籤をひいてしまったような女の人達が登場する。それでも逆境に負けずに踏ん張る姿は好感が持てる。

    しかし、最後の『サイゴン・タンゴ・カフェ』だけは趣が異なる。いろんな愛の形があっていいとは思うけど、主人公達の生き様に共感できない。

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    2019年05月24日
  • 男役

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    何かの書評で知り読んでみた。

    宝塚を舞台にしたファンタジー。
    新人公演に大抜擢された永遠ひかる、トップスターの如月ひかる。二人を見守るファントムさん。そして、ファントムさんのかつての相手役。
    よく出来たファンタジーでした。

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    2018年09月16日
  • 愛の国

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    ネタバレ

    思い入れ込みで星3つ。個人的にはミチルには再び舞台に立って欲しかった。演劇に殉じて、世界を革命して欲しかった。恋に殉じるのが作者の答えなら仕方ないとは思う。「天使の骨」のラストがあまりにも美しかっただけに、久美子の死や日本の変わりようには衝撃を受けて、しばらく受けつけなかった。それでも、好きです。

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    2018年06月25日
  • 弱法師

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    ネタバレ

    能の演目『弱法師』『卒塔婆小町』『浮舟』を現代風にアレンジした短編集。
    それぞれ独特の雰囲気に圧倒され、厳かで静かに進む文章に引き込まれる。

    特に『卒塔婆小町』は破滅の道へ追い込まれていく二人の様子に目が離せなくなる。
    一昔前の文豪の多くが自らの命を断つ理由が少し分かった気がする。
    他人からは決して理解してもらうことのない愛だったけれど、二人の愛は叶えられたのだと思う。

    そして源氏物語をモチーフにした『浮舟』。
    あの話をこの設定にするとは驚いた。
    「男が本気で女に惚れたら、奪うもんだ」
    「女が本気で女に惚れたら、引くもんだ」
    姉弟のセリフは実に奥が深い。

    死をも辞さない究極の愛に圧倒され

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    2018年04月21日
  • 花伽藍

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    女性の同性愛の短編集。初中山さん。
    最初の「鶴」読んですぐ、蠱惑的で、妖艶な言葉の数々に引き込まれた。それでいて太鼓、入墨などがぱっきりと清々しい。
    自分のものではないからこそ燃え上がる愛と自分のものではない切なさ。女性同士の官能と、自分が男性ではないもどかしさ。

    他の短編も、愛が始まった時は何もかも素晴らしいのに、いったん上手くいかなくなると、未練も恋も残っているのにお互いが傷付いて別れてしまうのが悲しい。
    最後の老婦人だけ、添い遂げられて、哀しい話だけど救われる。

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    2017年06月12日
  • 猫背の王子

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    読み始めはそうでもないのだけど、一旦物語に引きずり込まれると、あっという間に終わってしまう。
    何となく中途半端に終わった様な気がする反面、
    綺麗なラストだったとも思ってしまう。
    まぁ、続編を読んでみよう。

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    2017年05月06日
  • 悲歌

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    鈍感な私でも作品として纏まりに欠けるように感じたが、スランプと聞けば頷ける。
    とはいえ、作品全体、あとがきに至るまで狂気のようなものがちょくちょく顔を出し、それが凄みとなって突き刺さってくる。多少のアラもその勢いに搔き消える。

    あ、表紙には騙されないように。

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    2016年05月30日
  • サグラダ・ファミリア[聖家族]

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    自暴自棄から立ち直っての復活コンサートという流れは感動的だが、直後の大喧嘩に唖然。「余韻ってものがあなたにはわからないの?」ほんとそれ。
    他にもそういう流れが多いのは、読者の気持ちを掻き回すにはもってこいのやり口なんだろうけど、私には合わない。性描写の多さや登場人物の放蕩ぶりもちょっと引く。

    そういう人達の偽装結婚って結構メジャーなことだと思ってたけどそうでもないのかな。

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    2016年05月28日
  • 弱法師

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    ネタバレ

    「弱法師」「卒塔婆小町」「浮舟」という、能楽をモチーフにした3編からなる作品。
    私にとって初の中山作品で、彼女が主に女性同士の恋愛を描く作品を書いている作家さんだと知らずに読んだ。
    標題作はふ~んという感じで終わったが、卒塔婆小町を読み始めてからは周りの音が耳に入らないくらい完全に作品に引き込まれた。
    今は墓地に住むホームレスとなったある敏腕編集者と、ある夭逝した天才作家との激しい関係を描いた作品。
    女性にしか恋愛感情を持たない女性編集者を愛し、彼女に愛を受け入れてもらうためだけに自らの命を削り100冊の作品を書き上げていく作家。
    その狂気ともいえる創作活動をたどるうち、作家の編集者への狂おし

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    2016年02月20日
  • 熱帯感傷紀行 -アジア・センチメンタル・ロード-

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    著者の旅行記。
    中山可穂さんが女1人でアジアを渡り歩く様は、逞しさと危なっかしさが混在してて、まさに失恋から逃げているよう。
    たかのてるこさんとかとは全然違った旅行記です。

    以前、何度も何度も読み返した本だったんですが、久しぶりに読んだから以前と印象が違いました。
    危なっかしさにセンチメンタルを感じ、どっぷりつかれてたのが今ではもっと自分を大事にしてあげて〜、と心配するようになってました!

    でも、こんな旅は自分では絶対できないし、しない気がするので、憧れは変わらず抱きました。

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    2015年08月26日
  • ケッヘル 下

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    作者の中山さんは、苦しいシーンは本当に苦しそうに書き、ほんわかするシーンはくすぐられているように書き、情熱的なシーンはノリノリで書いているように感じられる。文章に作者の気持ちが色濃く反映されてしまうあたりが本作でも表れていて、楽しめた。
    鍵人の過去話や、濡れた獣のようなアンナのエピソードは楽しく読めたが、本筋の殺人事件の解決編が長々とした会話で説明されているあたりは、着地点を誤ったような気がしてしまう。周囲の人間に翻弄され続けた鍵人の人生を思うと悲しくなってしまう。
    過去に卑劣な罪を犯した人間が罰されるのには心底スッキリした。ただ、千秋と篤之を不幸のドン底に突き落としたのは伽耶にも責任があるは

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    2015年07月05日
  • ケッヘル 上

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    アマデウス旅行社を経営する鍵人の話と、そこに勤めることになった伽耶の話と、アマデウス旅行社にやってきた客の謎の死が描かれている。ミステリーというよりは、孤立した寄る辺ない人々がモーツァルトで結び付けられていく恋愛譚といったおもむきがある。鍵人も伽耶もヨーロッパや日本をふわふわと漂っていて、意気投合するのもわかる。2人の人生について細々とした描写を積み重ねてきたので、下巻でどう話が転がっていくのか気になる。

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    2015年06月30日
  • 白い薔薇の淵まで

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    私は同姓愛に偏見を持っていません。
    でも、身近にいないので実感というものがありません。
    中山さんは女性同士の恋愛を書かれる方です。

    最初に読んだのがこの本で、興味を持ち「猫背の王子」「天使の骨」も読みました。
    こんなにすんなりと読めると思ってませんでした。
    喜八朗ってとてもいい人。こーゆー男性が私の側にいたらいいのに。
    塁とクーチも素敵です。
    塁は魅力的だけど、クーチはもっと魅力的なんだろう。
    最後はハッピーであって欲しい。

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    2014年06月15日
  • 熱帯感傷紀行 -アジア・センチメンタル・ロード-

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    ネタバレ

    著者が仕事の行き詰まりや失恋のショックから逃避するためアジア各国を巡った時のエッセイ。

    著者の破滅的な行動とアジアの煩雑な雰囲気があいまって面白かった。

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    2013年12月23日
  • 天使の骨

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    前作ほどの痛みはない…それはもちろん、この物語が過去の痛みを癒すための彼女の旅記録だからだ。
    展開がはやく、それゆえ主人公の感情の起伏がはげしいように見えるが、読み終えて見るとおだやかなひとつの川の流れだったことがわかる。
    素敵だ。

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    2013年01月08日
  • 白い薔薇の淵まで

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    「それでも、胸がぎしぎし鳴るの。髪なんか真っ白になっちゃって。わたしのせいだわ」
    2012/10/10-10/24

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    2012年11月03日