中山可穂のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ「弱法師」「卒塔婆小町」「浮舟」という、能楽をモチーフにした3編からなる作品。
私にとって初の中山作品で、彼女が主に女性同士の恋愛を描く作品を書いている作家さんだと知らずに読んだ。
標題作はふ~んという感じで終わったが、卒塔婆小町を読み始めてからは周りの音が耳に入らないくらい完全に作品に引き込まれた。
今は墓地に住むホームレスとなったある敏腕編集者と、ある夭逝した天才作家との激しい関係を描いた作品。
女性にしか恋愛感情を持たない女性編集者を愛し、彼女に愛を受け入れてもらうためだけに自らの命を削り100冊の作品を書き上げていく作家。
その狂気ともいえる創作活動をたどるうち、作家の編集者への狂おし -
Posted by ブクログ
作者の中山さんは、苦しいシーンは本当に苦しそうに書き、ほんわかするシーンはくすぐられているように書き、情熱的なシーンはノリノリで書いているように感じられる。文章に作者の気持ちが色濃く反映されてしまうあたりが本作でも表れていて、楽しめた。
鍵人の過去話や、濡れた獣のようなアンナのエピソードは楽しく読めたが、本筋の殺人事件の解決編が長々とした会話で説明されているあたりは、着地点を誤ったような気がしてしまう。周囲の人間に翻弄され続けた鍵人の人生を思うと悲しくなってしまう。
過去に卑劣な罪を犯した人間が罰されるのには心底スッキリした。ただ、千秋と篤之を不幸のドン底に突き落としたのは伽耶にも責任があるは