中山可穂のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
5年ぶりくらいの再読。
以前これを読んだときはまだ大学生で、私の中に高校生のときに読んだ「猫背の王子」の衝撃が残っていた。「猫背の王子」といえば、何かどうしようもない忘れたくても忘れられない傷を、残されたように感じていた。
その状態を引きずったままこの小説を読んだので、よく言えば叙情的、悪く言えば感情的な作品としての捉え方しかしていなかったように思う。
さて、マラケシュ心中や花伽藍、ケッヘル等を読んでいる内に、気付けばもう数年で30歳。
サイゴンタンゴカフェを読みながら、中山可穂さんの作品は本当に深みを増したと思っていたけれども、今回「ジゴロ」を再読して、もしかしたら私自身の読解能力の方も多 -
Posted by ブクログ
「猫背の王子」の続編。
相変わらず不器用なミチル。
そのミチルが以前よりもずっと深い闇に落ちていることが分かり
なんとも言えない複雑な気持ちになりました。
ミチルには幸せになってほしい!
「猫背の王子」を読んでいないとミチルの性格、苦しみが分からないと思うので
先に「猫背の王子」をよむ事を強くオススメします。
【ぼろぼろの守護天使たちがわたしにつきまとう…。人生のすべてをかけた劇団を失い、世捨て人のように暮らす劇作家ミチル。絶望の果てに、彼女は天使の幻覚を見るようになる。この天使たちを葬るために―。イスタンブールからリスボンへ、そしてパリへ。ヨーロッパを彷徨うミチル。再生の光は果たして見つか