あらすじ
翻訳家のなつめは、人妻・吹雪と激しい恋に落ちる。吹雪の家で逢瀬を重ね、子供の昼寝の間に快楽をむさぼる日々。女同士の恋、家庭を壊すつもりなどなかったのに、会えば会うほど溺れてゆき、愛するがゆえに傷つけあわずにはいられない。一方、吹雪の夫・マツキヨは、幼い息子を守るため、そんな妻を受け入れ家庭を再生しようとするが――。一途で、不器用で、あたたかい、愛と赦しの物語。
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Posted by ブクログ
初めて読んだ中山可穂さんの作品。
とても面白かった。
私は読書が苦手で一冊文庫本を読むのに約1週間かかるけれど、女性同士の恋愛作品が好きで興味のあったこちらの作品は2時間半くらいで読み終えた。
女性同士の恋愛に熱く燃える彼女たちの描写は恋愛中の浮かれているキラキラした様子や、喧嘩中のドロドロした様子、いろいろ描かれてて面白かった。
でも特にグッときたのは不倫された旦那さんが父1人で3歳の息子を育てる様子。
親権を獲得するため手探りに必死に行動する様子は読んでて悲しくなった。
不倫て結局パートナーを傷つけることになるんだなと。
凄くよかった!
同姓愛者の自分でも言葉にするのが難しい女性同士の愛の複雑さが文章を通して理解できていく。
必ず違う作品も読もう!と思えました。
なんだかスッキリしました!
Posted by ブクログ
こんなに一生懸命生きられるんだ、すばらしい。
自分はどうなんだろう。
最後まで生きて、燃え尽きた、楽しかった、と言えるだろうか。
よい一日をお過ごしください。
Posted by ブクログ
人妻と恋愛をするビアンのおんなと、不倫をするおんな、その旦那の目線で書かれた連作短編。描く目線によってテーマが変わっておもしろかった。各々の目線が描くすれ違いが切ないし、人生はこんなものだと思う。一番感情移入したのは旦那。かわいそうで愛おしくて、一番しあわせになってほしいと思いました。おんなの強さと弱さが共存するところが存分に描かれていました。激しく嵐のような恋愛に胸がえぐられました。
Posted by ブクログ
レズビアンの妻の恋愛がメインといえばメインなのだが、マツキヨの息子に対する愛情に、一番胸を打たれた。
吹雪に対して身勝手だなぁ、と思ったり、なつめに対して面倒臭いなぁ、と思ったりもしたけれど、結局誰のことも憎めない。
愛は理屈じゃないから。
Posted by ブクログ
これからどうなるのか気になって面白かったけれどあんな女に好き勝手させていいはずがない。でも男女の恋愛と違って、女は本当に感情で動いてしまうんだなぁ。どこをつついても欠陥だらけだ。ただ「魔王」をだしてくるところはうまいなぁと思った。
中山可穂さん初めて読んだけど他のも読みたいと思いました。
Posted by ブクログ
と、ゆーわけで中山可穂にドップリです。
コレは読んでて辛かった・・・。もーマツモトキヨシが可哀想すぎる・・・!!
ふざけんなー!あのおんな!なつめでいいじゃないかー!
てゆーか誰も幸せになってないぞこんちくしょー。
Posted by ブクログ
ホモセクシュアルは、ゲイにしろビアンにしろ複雑な人間関係を持ち込みやすいので、小説としてはわりと書きやすい分野だと思う。この3連作も最初はビアン不倫のねっとりしたエロスがテーマかと思ったが、視点が転換するたびに違うテーマ性を帯びてラストは家族愛の形までも描き出してしまい、なかなか面白い話だった。マツキヨの性格がいいので救われるのかなあと思う。だって一番可哀想(笑)この人のビアン小説はもう少し読んでみたい。
Posted by ブクログ
ジャンル人妻らしい作品。正直主人公の恋人だった人妻より、その旦那のほうに感情移入してしまった。主人公でなく新しい恋人と出て行った妻を憎むでなく残された息子のために動く旦那と主人公の交流が面白い。
Posted by ブクログ
久しぶりに読んだ恋愛小説が、ビアン物。性別は関係なく恋愛は恋愛だよねと思う。登場人物3人のそれぞれの視点で書かれた連作短編集。
1番振り回された子供視点はない。大人は勝手だと責められても仕方がない内容。
恋愛とは不条理なものだ。いい人が幸せになるとは限らないのだから。
本もドラマも映画も恋愛物を見ると、必ず思うことがある。『みんが幸せになることは不可能である』。
Posted by ブクログ
レズビアンもの。
あーそう言う方向に行ってしまうのかー、と感じてしまった。
既婚者女性と独身女性。
考え方の違いもあって上手くいかない、かと思いきや、一気にその人に夢中になってしまうこともあり……
矛盾が入り混じり、少々混沌としたイメージ。
個人的には「赦し」があったのかどうかは何とも言えない。