あらすじ
ウィーンからプラハ、マンハイム、ベルリンへと、モーツァルトゆかりの土地へアマデウス旅行社のツアーは続き、復讐は重ねられる。モーツァルトしか弾かない美貌のピアニストとの恋が伽椰を更なる悲劇のうねりに巻き込んでいるのだが――。過去と現在の入り乱れた愛と憎しみが、最後に生み出した光とは?
中山可穂の長編、待望の下巻。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
部屋の片隅から交響曲が聞こえてくる……
読んでも読んでも終わらない物語
長い…すんごく長い、分厚い(約1000ページ)
そして、【面白い】。ホント凄かった。壮絶。
モーツァルトだらけ
愛と愛そして愛ッ!
憎しみ
色男(ドン・ジョバンニ)・色女(ラテン系)
悲しい・醜い復讐劇か、それとも美しい愛の物語か。
何も知らずに読み始めた方が楽しいかも。
これでもかと、本を読みたい人にはオススメ。
Posted by ブクログ
身を削って、魂を注いでいる小説って 珍しい。だから、ページをめくる手が止まらないんだ。 読後はいつも、喜びに満ち溢れる。 素敵な時間をありがとう。
Posted by ブクログ
とてもスケールの大きな話で、自然に物語の中に引き込まれました。
下巻の中盤で主な登場人物が出そろって、あの人達はここで繋がっているのだと予想が当たった部分もあれば、こんなところまで繋がっちゃったの?といった人達もいたりして。
文章も綺麗だし、この作者さんの他の作品にも俄然興味が出てきたのですが、女性同士の恋愛の話が多いのですね(この話にも出てきますが)。
柴田よしきさんの『聖なる黒夜』の麻生と山内の関係は好きで、男性同士というのは苦手意識はなくなったけど、女性同士はやはり苦手で、他の作品を読むかどうか悩みどころです。
Posted by ブクログ
同性愛に抵抗がある人にはお勧めできないけど、繊細で切羽詰った感もあって良い小説だと思いました。
「海に向かって指揮棒を振る男」って、すごくインパクトがあってカッコいい風景ですよね。そんな描写を冒頭に持ってきたセンスはすごい!
Posted by ブクログ
いやぁ〜読み応えのある小説でした。
愛憎渦巻くドロドロとした、割と湿り気の強い話でした。色んな意味で。
主人公達にぐーっと感情移入できたから、読んでるときの集中度が高かった。
みっちりと隙間無くストーリーを(湿り気のあるモノで)積み上げていった感じ。
と思ったら、最後の方にご都合主義的なところがあったのと、オチのインパクトの弱さが引っかかった。
最後まで怪しいと思ってたヒトが結局犯人でした・・・と・・・・・うーん・・・・・。
「殺人事件が起る→犯人は誰だ」というのはもちろんのこと、ただストーリーを追うだけじゃなくて+αがある小説は読んでて飽きない。
この小説は全体がモーツァルトと密接に関係していて、実際の曲名や楽器の種類の細かい名前等々の要素も組み込まれてる。
そして主人公の現在の恋愛事情+主人公の過去の恋愛事情+教授の過去+殺人事件+モーツァルト
と、これらの要素が集約して事件を解決に導く。この構成力は凄い。
Posted by ブクログ
作者の中山さんは、苦しいシーンは本当に苦しそうに書き、ほんわかするシーンはくすぐられているように書き、情熱的なシーンはノリノリで書いているように感じられる。文章に作者の気持ちが色濃く反映されてしまうあたりが本作でも表れていて、楽しめた。
鍵人の過去話や、濡れた獣のようなアンナのエピソードは楽しく読めたが、本筋の殺人事件の解決編が長々とした会話で説明されているあたりは、着地点を誤ったような気がしてしまう。周囲の人間に翻弄され続けた鍵人の人生を思うと悲しくなってしまう。
過去に卑劣な罪を犯した人間が罰されるのには心底スッキリした。ただ、千秋と篤之を不幸のドン底に突き落としたのは伽耶にも責任があるはずなのに、何も償わずに一方的に永訣を告げるのはどうかと思った…。真犯人が罪を償うのもあやふやになっている気がする。
伽耶はアンナを今後一生幸せにできるのだろうか?