中山可穂のレビュー一覧

  • 銀橋
    「専科」を取り上げるとは、正直憎い…!渋い…!
    宝塚と言えば…
    トップになるための競争が激しい
    トップをみんな目指す
    と思われがちだが、実際の舞台はそれだけではないのだ。
    必ず、二番手がいて、三番手がいて、脇役がいて…だけじゃない。
    演技がうまい人が舞台を引き締め、歌がうまい人・ダンスがうまい人が世...続きを読む
  • 猫背の王子
     中山可穂先生の小説は「レズビアン小説」と称されることが多いらしい。今作で初めて先生の作品を読んだ私個人としては、この表現は間違いではないが、決してそれだけではないだろうと感じた。

     主人公の王寺ミチルは芯の通った人物で、ひたすら演劇に身を捧げている。ただぼんやりと人生を浪費し女を貪るようなキャラ...続きを読む
  • 娘役
    実在する宝塚について書くからこそ、ファンタジーであるとわかる仕掛けを取り入れないといけない。それが、男役でのファントムであり、娘役ではヅカファンのヤクザだった、とのこと。

    中山さんの筆力がやっぱりすごい。斬新な設定にもかかわらずこんなこともあるかもしれないと思わせられた。

    最近は宝塚について、マ...続きを読む
  • 白い薔薇の淵まで
    昔の恋人を思い出しました、
    深く深く愛して
    すべきことや理性とか関係なく
    気持ちに正直に生きるのは
    失うものも多いけど心が求めてしまうのだと思う。
  • ダンシング玉入れ
    中山さんの宝塚三部作の一つ『娘役』で主人公はご贔屓さんの最後の晴れ舞台を見れずに死んでしまったので今作はどうだろうかとはらはらしながら読み進めましたが……
    哀切漂うラストにああ…と声が漏れてしまった
  • ダンシング玉入れ
    殺し屋さえも虜にするヅカ沼恐るべし…笑笑

    私も生粋のヅカオタなので、主人公が堕ちるポイントが嫌というほどよく分かって、終始ニヤつきながら読みました。

    コメディベースなのでさくっと読めます。

    作者さんもあとがきで書かれてますが、舞台となっているのはコロナ禍以前の宝塚の世界。客席降りしかり出待ち入...続きを読む
  • 弱法師
    剥き出しの無垢な精神が不器用に傷ついているさまに触れると、不意にざっくりと斬りつけられることがある。(P.121)

    「人間嫌いだと言うひとに限って、人間が人一倍好きなんですよ。期待しすぎて裏切られるから嫌いだなんて言うんだ。僕も同じだからよくわかる」(P.149)

    愛はおいしく、そして栄養満点で...続きを読む
  • 弱法師
    恋とは死に至る病である――

    難病を患う少年と、彼を助けようとする医師であり継父である男との、その関係を越えた純愛の物語《弱法師》
    かつて優秀な編集者だったホームレスの女が振り返る、若き作家との身を滅ぼすほどの恋の物語《卒塔婆小町》
    父と母、そして大好きな叔母との許されない愛の形を描いた物語《浮舟》...続きを読む
  • 弱法師
    文章が美しすぎます。
    こんなに研ぎ澄まされて、一滴一滴絞り出すように紡がれた文章と出逢えたことが幸せです。
    この文量でこの濃度、必要な描写がすべてなされていて、しかも美しいのです。

    『卒塔婆小町』と『浮舟』がとくに好きです。
    恋をすること。想い続けること。心が引き裂かれること。

    愛について考える...続きを読む
  • ダンシング玉入れ
    中山可穂さんの待望の新刊!
    初期のヒリヒリするような恋愛小説を求める人には「ありゃ?」と思われるだろうけれど、
    「元気で小説を書いてくれるだけでありがたい」と思う私…。
    宝塚愛も溢れ、ゼロアワーからのハードボイルド愛も溢れ、
    笑いも悲しみも愛も毒も美味しく煮込まれたような小説でした。
  • 白い薔薇の淵まで

    最高でした

    こんな感じの女性同士の恋愛小説を読みたかったので今最高の気分です。私にとってこのお話は夢です。
  • ダンシング玉入れ
    「この小説で描かれる宝塚歌劇団は著者のイマジネーションおよび妄想の産物であり〜」とあとがきにあるがヅカオタならわかる、だいたい描かれている通りだと。宝塚を知らない人からしたらそもそもダンシング玉入れという競技がほんまにあるのかどうかも分からんよね。ほんまにあるのですよ。

    「生きるとは金を使うという...続きを読む
  • 白い薔薇の淵まで
    天才作家に出会ってしまった…………………………………………


    2023.4.1追記
    久しぶりに読み返したら新たなことに気づいて感動しつつ,脳みそ揺さぶられるみたいな感覚にまたまたなりました
    わたしの心臓ハガネすぎて普段全然ドキドキとかしないんだけどこれ読んでる時は16ビートきざんでる
  • 男役
    宝塚を見始めて約10年程になりますが、こちらの作品は宝塚の世界の"リアルとファンタジーの狭間くらいの世界観"として十分に楽しませてもらいました。幾度となく読み返しています。宝塚ファンとしては、あるよねーわかるわかる、と言うことと、それはちょっとないかなーということの混じり具合が、あまりリアルすぎずに...続きを読む
  • 銀橋
    面白かった。面白かったんだけど、文庫でこの価格は信じられん。続き物だから買ったけど、この薄さで1000円近くって……。今の出版業界、よっぽどやばいのかしらといらん感情が湧き出てくる。
    内容は、アモーレさんどうなった!?って感じのラストですが続きはもうないそうなので無事でいるんだろうと思っておきます。...続きを読む
  • 娘役
    前作に引き続き作者の宝塚愛を存分に感じられる作品だった。
    ヤクザ×ヅカという変化球は面白かったけど、片桐のヤクザ人生がうまく行きすぎてて違和感。まさか顧問になっても30歳前だとは思わなかったし、あり得ないんじゃないかしら……?そっちの人ではないので知らんけど。
    ラストは予想通りでした。そりゃ、うまく...続きを読む
  • 娘役
    本当にめちゃめちゃめちゃめちゃ良い。細切れじゃなく没頭して一気に読みたいけど勿体なくてゆっくりゆっくり味わいながら読んだ、最高。こんなの読んだら宝塚の世界を愛さずにはいられない。「男役」も良かったけど期待を超えてきた「娘役」。続く「銀橋」も確実に最高でしょ。
    そして中山可穂のすべてを読みたくて順調に...続きを読む
  • 銀橋
    3シリーズ一気に読んだ。ラストのこの『銀橋』で、これまでの2作品で登場したジェンヌたちがどんな立ち位置になって、どう成長したのかが描かれていたのがよかった。
    作者は特定の方をイメージしていないとのことだったが、花瀬レオの芸風が先日退団した贔屓と被り、なんか思い出して泣きそうになった。電子書籍版のあと...続きを読む
  • 銀橋
    ラストの薔薇が落ちるとこが良いよね。そうやって続いていくんよな。
    中山可穂さんのご贔屓がどなたなのか知りたい。
  • 男役
    面白かった。夢中で読んだ。

    宝塚は2度しか見たことがない(しかも東京公演)、ライトなライトなファンなので、純粋にフィクションとして楽しめた。
    何より、中山可穂さんの大袈裟でない妖艶な文体とか、気が付けば異世界に触れているみたいな誘導の巧さとか、気持ちいい。

    とはいえ、結構感情移入していた。何度か...続きを読む