中山可穂のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
いやぁ〜読み応えのある小説でした。
愛憎渦巻くドロドロとした、割と湿り気の強い話でした。色んな意味で。
主人公達にぐーっと感情移入できたから、読んでるときの集中度が高かった。
みっちりと隙間無くストーリーを(湿り気のあるモノで)積み上げていった感じ。
と思ったら、最後の方にご都合主義的なところがあったのと、オチのインパクトの弱さが引っかかった。
最後まで怪しいと思ってたヒトが結局犯人でした・・・と・・・・・うーん・・・・・。
「殺人事件が起る→犯人は誰だ」というのはもちろんのこと、ただストーリーを追うだけじゃなくて+αがある小説は読んでて飽きない。
この小説は全体がモーツァルトと密接に関係し -
Posted by ブクログ
この人は女性同士の恋愛しか描きません。基本。
けどいつも主人公はユニセックスな名前で。
(ちなみに今作は“カイ”)
あらすじを読むたびに、私はいつも
「今度は男女の恋愛物じゃないか」
とどこかで期待しながら手に取ってしまう。
女性同士の恋愛を否定するつもりはない。
(むしろエロティックだと思う)
けど
この人の描く主人公がいつもあまりに素敵すぎて、どこかで
「こんな男性がいてくれたら…!」と願ってしまうみたい。
だって今のところ(笑)私まだビアンじゃないし。
こういう少年ぽい人に非常に弱かったりして。
でもどっちにしても、こんなかっこいい人、なかなかいないよねぇ。
だから読んでしまうのか -
Posted by ブクログ
【かなわぬ恋こそ、美しい―雨の気配を滲ませた母子に宿命的に惹かれ、人生設計を投げ捨てたエリート医師(「弱法師」)。編集者の愛を得るために小説を捧げ続けた若き作家(「卒塔婆小町」)。父と母、伯母の不可思議な関係に胸をふるわせる少女(「浮舟」)。能のモチーフをちりばめ、身を滅ぼすほどの激しい恋情が燃えたつ珠玉の三篇】
深くて叶わぬ愛。
それがこの3作品で共通に感じたことでした。
人が人を好きになるには性別も年齢も何も関係ないんだということがとても伝わり、
どれも泣きたくなるような作品でした。
そしてどれも苦しいほどの恋を描いているのに、
文章が綺麗なのですーっと心に染み渡っていきます。
3作品と -
Posted by ブクログ
この人の描く恋愛は、いつも命懸けというか、全身全霊というか。
愛するがゆえに疲弊し、深く傷ついていく気がする。
能なんて碌すっぽ知りゃせんので、能の曲目を下敷きにされてもピンと来んのですが。
唯一「浮舟」は源氏モノなので、予備知識無くともすんなりと設定の意味がわかった。
・・・いや、もしかしたら大学で源氏関連の曲目に触れてたのに全然思い出せてないのかも・・・。
謡曲とか見せられても、どうにも眠たくなってしまうんよね。。。
3篇のうち、一番良かったのは「卒塔婆小町」。
叶わぬ恋に身を焦がして焦がして焦がしつくした繊細な作家の狂気が、胸に迫る。
絶望するほどに想い続けた理由は不明にしても。
理 -
Posted by ブクログ
著者があとがきでも書いているとおり、この人の本は息苦しくなるほど濃密な文章のものが多いけれど、これは明るくて読みやすい。新宿二丁目で路上で歌を歌って愛を振りまくレズビアンのカイ。1人の女を愛するために100人と寝るのだという彼女の我儘な論理は、どうしようもないけれど愛嬌がある。レビューのなかには「自分にもわかりやすい男女の話にはならなかったのか」というものがあったけれど、「レズビアンとは女であり同性愛者であるという二重に不可視の存在として扱われているのだ」(堀江有里『「レズビアン」という生き方 キリスト教の異性愛主義を問う』)という言葉を思い出すと、多分この女同士の関係とは必然なのだろうと思う