中山可穂のレビュー一覧

  • ケッヘル 上

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    なんだかすげぇ久しぶりに文庫一冊読み終わった。
    ちょいエロ気味だけど、ピアノとモーツァルトが出てくる話だからスラスラ読めた。
    好きな世界だから、かなりのめり込んで読んだ。
    話も、色々参考になりそう。

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    2009年10月04日
  • ケッヘル 上

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    一気に引きずり込まれた。

    モーツアルトの曲はケッヘル番号で整理されている。
    鎌倉のゴミは12分別。
    そして、少年の生い立ち。
    レズビアンである伽耶の生い立ち。
    殺人事件。

    ぐっちゃらぐっちゃらになりながら、とにかく爆走。

    起こりすぎる事件?過去にせよなんにせよ、もう目が離せず一気読み。
    暗いし、重い部分も多くて、心を塞ぐんだけど。
    何しろ高速をぶっぱなすデコトラ三台を走行中に乗り継ぐみたいな感じなもんで、憂鬱なんてどこへやら。

    高所恐怖症の探偵。

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    2009年10月04日
  • ジゴロ

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    この人は女性同士の恋愛しか描きません。基本。

    けどいつも主人公はユニセックスな名前で。
    (ちなみに今作は“カイ”)
    あらすじを読むたびに、私はいつも
    「今度は男女の恋愛物じゃないか」
    とどこかで期待しながら手に取ってしまう。

    女性同士の恋愛を否定するつもりはない。
    (むしろエロティックだと思う)
    けど
    この人の描く主人公がいつもあまりに素敵すぎて、どこかで
    「こんな男性がいてくれたら…!」と願ってしまうみたい。
    だって今のところ(笑)私まだビアンじゃないし。
    こういう少年ぽい人に非常に弱かったりして。

    でもどっちにしても、こんなかっこいい人、なかなかいないよねぇ。
    だから読んでしまうのか

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    2009年10月29日
  • 弱法師

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    【かなわぬ恋こそ、美しい―雨の気配を滲ませた母子に宿命的に惹かれ、人生設計を投げ捨てたエリート医師(「弱法師」)。編集者の愛を得るために小説を捧げ続けた若き作家(「卒塔婆小町」)。父と母、伯母の不可思議な関係に胸をふるわせる少女(「浮舟」)。能のモチーフをちりばめ、身を滅ぼすほどの激しい恋情が燃えたつ珠玉の三篇】

    深くて叶わぬ愛。
    それがこの3作品で共通に感じたことでした。
    人が人を好きになるには性別も年齢も何も関係ないんだということがとても伝わり、
    どれも泣きたくなるような作品でした。
    そしてどれも苦しいほどの恋を描いているのに、
    文章が綺麗なのですーっと心に染み渡っていきます。
    3作品と

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    2009年10月10日
  • 深爪

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    ホモセクシュアルは、ゲイにしろビアンにしろ複雑な人間関係を持ち込みやすいので、小説としてはわりと書きやすい分野だと思う。この3連作も最初はビアン不倫のねっとりしたエロスがテーマかと思ったが、視点が転換するたびに違うテーマ性を帯びてラストは家族愛の形までも描き出してしまい、なかなか面白い話だった。マツキヨの性格がいいので救われるのかなあと思う。だって一番可哀想(笑)この人のビアン小説はもう少し読んでみたい。

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    2009年10月04日
  • 天使の骨

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    カッコよくてすさんでいて傷つきやすい女性の役者のお話だった。
    しかしこんな人が実際に演劇をしていたらファンになるかもしれないね。

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    2009年10月04日
  • 弱法師

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    どの話も美しく、そして痛い程に切ない。登場人物たちの、身を切るような胸苦しい感情に私自身も苦しくなり、読みながら涙を我慢出来なかった。小説を読んでこんなに苦しい涙が溢れてきたのは初めてだ。素晴らしい作品だと思う。けれど、私には辛すぎて、きっともう読み返すことはないと思う。

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    2011年08月05日
  • 弱法師

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    この人の描く恋愛は、いつも命懸けというか、全身全霊というか。
    愛するがゆえに疲弊し、深く傷ついていく気がする。

    能なんて碌すっぽ知りゃせんので、能の曲目を下敷きにされてもピンと来んのですが。
    唯一「浮舟」は源氏モノなので、予備知識無くともすんなりと設定の意味がわかった。
    ・・・いや、もしかしたら大学で源氏関連の曲目に触れてたのに全然思い出せてないのかも・・・。
    謡曲とか見せられても、どうにも眠たくなってしまうんよね。。。

    3篇のうち、一番良かったのは「卒塔婆小町」。
    叶わぬ恋に身を焦がして焦がして焦がしつくした繊細な作家の狂気が、胸に迫る。
    絶望するほどに想い続けた理由は不明にしても。

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    2009年10月04日
  • 弱法師

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    泣きました。三つのお話が入ってるんですが、後ろにいくにしたがって、とん、どん、すがしゃーんって感じで泣きました。こんなにまで誰かを想えたら、つらい恋でも、いいな。

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    2009年10月04日
  • ジゴロ

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    どのような愛の形を描こうと、やはり筆力、そう感じさせられる。
    このような題材を、このように読ませる……それは著者にとっては身を削ることでもあろうけれど。

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    2011年10月13日
  • 猫背の王子

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    9/4 再読。初めに読んだときは文章がもっと乱雑な印象だったけど今度は落ち着いた印象だった。処女作の魅力に溢れた一冊。

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    2009年10月04日
  • 弱法師

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    恋とは死に至る病である。


    中山可穂というとレズビアンの小説のイメージが強い。確かに私もそう思っていたし、この中にもその話はある。付け加えるならこの中には性描写も無い。それで魅力が半減したと思うのはきっとすごく勿体無い、と私は思う。
    かなわないものの前で、人はこれほど無力で、これほど美しいのかと言うことを存分に教えてくれる3作。前述のとおり、ここには激しい描写は精神的にも肉体的にも無いけれど、ひたひたと圧倒させる筆力は素晴らしい。

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    2010年04月29日
  • 熱帯感傷紀行 -アジア・センチメンタル・ロード-

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    作家買いしたくなるぐらいになると、作者の事が知りたくなるんだよね。だから中山可穂の本がとても気に入ってる人はこれ読んでも普通に気に入ると思う。

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    2009年10月04日
  • ジゴロ

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    著者があとがきでも書いているとおり、この人の本は息苦しくなるほど濃密な文章のものが多いけれど、これは明るくて読みやすい。新宿二丁目で路上で歌を歌って愛を振りまくレズビアンのカイ。1人の女を愛するために100人と寝るのだという彼女の我儘な論理は、どうしようもないけれど愛嬌がある。レビューのなかには「自分にもわかりやすい男女の話にはならなかったのか」というものがあったけれど、「レズビアンとは女であり同性愛者であるという二重に不可視の存在として扱われているのだ」(堀江有里『「レズビアン」という生き方 キリスト教の異性愛主義を問う』)という言葉を思い出すと、多分この女同士の関係とは必然なのだろうと思う

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    2009年10月04日
  • 弱法師

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    短編が3つ収録されてるんですけど、
    2つめの「卒塔婆小町」になんでかかなり号泣しました。恋愛小説で初めて泣きました。

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    2009年10月04日
  • 弱法師

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    医師のエリート・コースを進んでいた男が、ある母子に惹かれていき、その人生が大きく変っていく「弱法師」。女性編集者と若き青年作家との壮絶な愛が描かれる「卒塔婆小町」。父・母・娘・伯母の奇妙で不思議な人間関係がヘヴィな「浮舟」…の三つの中編を収録。「卒塔婆小町」は、最近読んだ中で 最も感動した物語。

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    2009年10月07日
  • 熱帯感傷紀行 -アジア・センチメンタル・ロード-

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    中山果穂は女同士の恋愛の小説ばかり書いていて、実はそれも大好きで、ほとんど読んでいますが、この本は最初、いいと思わなかった。なのに、何度も読むうちどんどん好きになっていった不思議な本です。作者は失恋してアジアをバックパック旅行するのだけど、ほろほろ切なく泣いてばかりの作者に共感するわけでもないのに、何故かアジアにセンチメンタルジャーニーしたくなるのです。

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    2009年10月04日
  • ジゴロ

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    電車で読む本を、と思って背表紙のあらすじだけで手に取ったのですが、面白かった。新宿二丁目で歌うビアンのカイ。そんなカイにかかわる人たちを描いた恋愛小説。女同士の恋愛というのは、どこかうすぼんやりとした美しさが存在するように描かれがちですが、ぼんやりした感が無くてよかった。自分に正直に生きることも悪く無いな、と思わせる一冊です。同性愛に対して気負いが無く、恋愛のひとつとして書かれているところが気に入りました。そして、みんながどこか寂しいところも。

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    2009年10月04日
  • 天使の骨

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    処女作「猫背の王子」の続編として書かれたものが「天使の骨」だ。と言っても、それぞれは独立した物語としても読める。しかし、僕は「猫背の王子」を読んでから、この「天使の骨」を読むことをお薦めする。受ける感動は確実に倍以上違う。小説はまさにこれからどうなるのか、というところで終わってしまう。ミチル以外の登場人物もすべてが魅力的であり、それら脇役?達の今後も含めての続編を、いつかは読んでみたい。

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    2009年10月07日
  • 猫背の王子

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    彼女の作品は既に「マラケシュ心中」を読んでいたので、この処女作を読む前には心の準備はできていた。何といってもレズビアン小説である。偏見は無いが知らない世界だし、これまではそれをテーマにした小説を読もうとも思わなかったし。適切な例えでは無いと思うが、「マラケシュ心中」はビートルズで言えば「サージェント・ペパーズ」を何の情報も先入観も無しで聴いたようなものだった。そしてそれを気に入ったので、じゃぁ1stアルバムから聴いてみよう…ということだ。「マラケシュ心中」はかなり重かったが、どことなく洗練された完成品という雰囲気だった。しかし、このデビュー作は違う。まさに1stアルバム。荒々しいラフな魅力が全

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    2013年02月22日