奥乃桜子のレビュー一覧
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実態を持つ神々は、豊穣と繁栄をもたらす反面、一度荒ぶれば恐ろしい厄災を国にもたらす。
兜坂国の斎庭は、神を招き、もてなす場。
地方の郡領の娘である綾芽は、親友の死の真相を探るため上京する。そこで偶然にも荒ぶる女神を鎮めた綾芽は、斎庭の女官として取り立てられるのだが……。
神々をもてなし、鎮める場である斎庭(後宮)を舞台とした、和風ファンタジー小説です。
1ページ目から専門用語が多く、世界観も独特なのではじめは少し入り込み辛いですが、神と人との関係に焦点を当てた熱い展開でのめりこんでしまいました。
ミステリ要素を絡めた勢いのある小説展開とは裏腹に、友情と愛情、神と人、人と御霊など、それぞれの登 -
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このレーベルの本を読むのは初めてです。
ネットで調べてみると、オレンジ文庫は、どうやらコバルト文庫から派生したレーベルらしい。
コバルト文庫、昔は氷室冴子や新井素子などを比較的よく読んでいたものです。
さて、本題であるこちらの本ですが、知財と少し関係する業界にいる者としても、よく調べてあるなと思います。
このネタだと、「面白い恋人」事件、「フランク三浦」事件は出てきますよね。
そして、やり手インハウス弁理士の北脇がピンチに陥るところからは一気に読めました。
恋愛模様があまり前面に出ず、スパイス程度になっているのも良い感じです。
続きがあったら読みたいくらいですが、いまの時点で出ていないところ -
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ネタバレ読み終わった時「いい終わり方だったなあ」と単純に思った。
話は決して単純ではない。
古代和風ファンタジーとはなっているが、世界観は独自性に富んでいて、まずその世界観や設定を飲み込むので序盤は手一杯になる。
神に振り回される世界。
神のご機嫌を取らなければ国が滅ぶ。
そんな世界で、主人公は親友の死の謎解きもすることになる。
ファンタジーにミステリ、これのどこが単純か。
しかも主役二人はさておき、黒幕を含めて意外な二面性が見えてきたり、後から思えば違和感があった部分は伏線になっていたんだなと驚かされること多数。
世界観を把握するのに手一杯だったため拾い切れていないが、細部に渡って丁寧に練られて書 -
購入済み
お仕事小説面白いです。
会社の中でも地味な部類の部署、知財部をテーマにした小説でとても楽しめました。開発部とのちょっとした確執のシーンなど、会社あるあるがいっぱいで是非オススメです。
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『それってパクリじゃないですか?』『それってパクリじゃないですか?2』『それってパクリじゃないですか?3』に続く完結編。
中堅飲料メーカー、月夜野ドリンクに勤める主人公・藤崎亜季。元は開発部に配属されていたが、新たに創設された知的財産(知財)部に異動となり、畑違いの職務に悪戦苦闘。とはいえ、親会社から出向している上司、北脇の厳しい指導で徐々に力をつけてきた。器用な方ではないが、前向きで真面目であり、粘り強く、仲間思いなのが亜季の長所。
一方、上司の北脇。クールで何事も卒なくこなしているように見えるのだが、陰では血のにじむような努力をしてきた。亜季のことも実は大切に思っているが、人間関係には不 -
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『それってパクリじゃないですか?』『それってパクリじゃないですか?2』の続編。
主人公・藤崎亜季は中堅飲料メーカー、月夜野ドリンクに勤める。元は開発部に配属されていたが、畑違いの知的財産(知財)部に異動となった。親会社から出向してきた上司、北脇の厳しい指導に悪戦苦闘。若干、抜けているところはあるものの、真面目でねばり強い性格を生かし、徐々に知財部員としての仕事にも慣れてきた。一見、冷たい北脇も、実は情に厚い面があり、また、亜季の頑張りも認めてきている様子だった。
だが、ここのところ、北脇の指導が急に厳しさを増しており、いろいろ考えて亜季は自信をなくしたり落ち込んだりである。
そんな折、月夜 -
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とても読んでて楽しかった。
知財部が企業の中で何をしているのか、侵害訴訟や、警告書、無効審判、特許庁の関係。難しい言葉も分かりやすく説明されていた。侵害訴訟の話はハラハラした。
知財に興味を持ち、軽い専門書をいくつか読んで知財戦略がどのように行われるのかを知った上で読んでみた。そしたら、知識としてあったものが、生きて頭に入ってきた印象を受けた。
メーカーを舞台にしたお話は読んだことがなかったが、各々の部署がいかに連携し、かつ会議を重ね自分の部署視点の意見を出しているかがわかった。
読んでて気づいたこととして、世間の真正面にたつ可能性が高いのは営業の方たちであること。物語の中で、自社の製