みうらじゅんのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
自分なりのゆるい仏教の解釈と自らが仏教にはまったきっかけを記したエッセイ。
専門家ではなく一好事家だからこそのとっかかりやすい語り口がよかった。
ついメインではなく端の方にいるヤツに愛着が湧いてしまう独特な着眼点の源泉は仏像好きの生い立ちからきて、それはある種の大乗思想なのだとわかる。
諸行無常、諸法無我といった仏教の概念を「後ろメタファー」「自分なくし」「比較三原則」というキャッチーな造語で日常生活に落とし込むみうら流説法が満載。
最後の辛いときも「そこがいいんじゃない」と修行として乗り越えるという発想が特にみうら氏らしくてこれからは心の片隅に「そこがいいんじゃない」と言ってくれる小さいみうら氏を住まわせようと思った。 -
Posted by ブクログ
清張がこんなに茶目っ気のあるおじさんだとは思わなかった。
だって、自分が原作のドラマや映画にちゃっかり脇役として出演しているんだもの。本書では、みうらじゅんが色鉛筆でそのうち12脇役を描いている。しっかり笑える。
佐野洋×山村正夫の清張対談が読ませる。パチンコ好きだったとか、風呂嫌いだったとか、英会話の個人レッスンも受けていたとかいった裏話も出てくる。清張は経済的事情で上の学校へは行けなかった。もし行っていたら、学者にでもなって、清張ワールドはなかったかも、と佐野は推測している。さもありなん。
写真の一枚。ユニフォーム姿で、真剣にバットを振る清張の姿がなんとも可愛い。 -
Posted by ブクログ
なにごともモノやかたちから入るタイプの人がいる。みうらじゅんもそう。憧れの住職になるため、マイお寺を得るために、まずは仏像から入った。仏像の写真を撮って整理しまくった。寺巡りもした。あげくは仏教系中高一貫校にまで入ってしまった。すごい。
マイ仏教がすべてを包摂する。ウルトラマンも、ジョン・レノンも、吉田拓郎も、ボブ・ディランも、すべてがマイ仏教のなかで解釈できてしまう。逆に、これら現世のものを通してマイ仏教を見つめなおすこともできる。
200ページ足らずのスカスカの本なのに、なんかとてつもなく遠く・心静かなところにたどり着いたような気がする。もしかしてこれって涅槃寂静の境地? -
Posted by ブクログ
すっごくいい本だった。
まず「自分なくしの旅」ね。自分はサークルでコピーバンドをやっているんだけど、先輩に「もっと自分らしさを出した方がいいよ」って言われたんです。確かに「モノマネだけじゃ自分がやる意味なんてないか」「モノマネならもっと上手い人いるしな」って思うけど、そもそも「自分」なんてものもなければ、「自分がやる意味」なんてものがあると考えていること自体が煩悩まみれというわけですね。じゃあ、かえってみうらじゅんの言うようにその人に「憧れて」、自分を「なくし」てしまう方がいいのかもしれない。そんなことできっこないんですが。だって褒められたいし。煩悩煩悩。
そしてポジティブなあきらめ。これは僕もよく言ってるな。「諦める」って悪いことじゃない。「期待しない」って悪いことじゃない。そうすることで素直に「今」を生きられる。がっつかないで少し離れたところから見る。そうすることで見えてくるものもあるはずだよね。諦めるからこそ得られるものもあるはず。「裏切られた」なんて思わなくて済むしね。
ご機嫌取りはコールアンドレスポンス。これ肝に銘じないとな。たまには誰かのために生きてみるのも悪くないかもしれない。
悪人正機。煩悩と修行(をすることで涅槃に達したい)というのは相反するものだけど、いずれにせよ「欲望」なのは変わらない。「涅槃に達したい」と思うことこそが最大の煩悩でもあるわけだ。そう考えたら、自分なんてものはないわけだから「自分」にできることなんてないと、仏を最大限信じて煩悩のままに生きる「悪人正機」も悪くないのかもしれないね。
「そこがいいんじゃない!」。これね、最近実践したんです。渋谷に僕の行きつけの某映画館があるんですけど、そこには券売機はなくて(オンラインで予約することはできるけれど)カウンターでチケットを買うんです。はじめてそこに行った日はオンライン予約の存在を知らなくてカウンターでチケットを買ったんだけど、そのときの店員さんがめっっっちゃくちゃサバッッッサバだったんです(今ではその方のことも密かに好きです)。人に話しかけることが苦手な僕は、「覚悟決めて話しかけたのになんだこの愛想のなさは!」と思ったわけです。少なからず「こっちは金を払う客だぞ!」とも。でもその日、①映画のチケット、②その映画のパンフレット、③別の映画の前売り券を買いに、なんと3回もカウンターに行くハメになったんです(自分のせい)。だから「あの愛想のなさがいいんだろう!」と自分に言い聞かせて、そして「たびたびすみません」と心のなかでつぶやいてカウンターに行くことにしました。それを繰り返すうちに気がついたのが、「○○ください」というと、その途端に「△△円です」と返ってきて、その一秒後に商品が出てくるんですよ。究極のシゴデキだったんです。まずは素直にそこが素敵だった。そしてだんだんその愛想のなさも、この人はこのコミュニケーションを仕事だとしか思っていないと、多少どもった程度でこの人は何も気にしないだろうと感じられるようになってきたんです。「この人は自分を見ている」という感じがしなくなった途端にかえってその「冷たさ」は心地よくなってきて、気がつけば僕はそのお姉さんとそこの劇場のトリコになっていました。言葉ひとつ、認識ひとつでこの世界は辛くも楽しくも生きられる。「そこがいいんじゃない!」。魔法のコトバです。……まあ、もうチケットは事前にネットで買うんですけどね。
自分の生活にも結びついて、フッと笑えてきて、もともと仏教大好きなのもあって、とにかく良著でした。こういう捉え方があってもエエじゃない!
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