東野さやかのレビュー一覧
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ネタバレシリーズ3作目
今作の巨悪で「キュレーター」は思っていた
以上に、ポー達の上にいたイメージ。
そしてさらに明かされる悪には胸が痛い。
最後の方、キュレーターの発言や数字の件で思わず前のページまで戻り、黒幕の正体に気づいた瞬間は頭を抱えそうになった。再度読み進めポーの出した答えを見た時、自身もしんどくなってきた。
真犯人の動機については、あまりにも自己中すぎると感じたが、犯人にとっては他を犠牲にしてでも叶えたかったこと。だがそれにしても多くの人を巻き込みすぎた。
ブラッドショーの存在は、今作も頼れる相棒でポーにとっての光だと思う。 -
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★5 危なっかしくも応援したくなる二人、読むほどに心が解けて #ボニーとクライドにはなれないけれど
■あらすじ
コンビニ店員だったルイーズは、学費のために強盗に入った青年デルと恋仲になる。まっとうに生きることを望んだ二人だったが、つい出来心で犯罪に手を染めてしまう。その後、デルの姉ブレンダの不動産会社を手伝うことになるも、はやり事件に巻き込まれてしまい…
■きっと読みたくなるレビュー
★5 若く愛らしい恋人たちのクライム&ロードノベル。
主人公はコンビニで働く女子ルイーズと、学費を払うためにコンビニ強盗に入った青年デル。二人が恋仲になるところから始まり、幸せな暮らしを送るために日々頑張るんだけど、若気の至りと不遇さで思うように進まないというお話です。
全6篇の連作短編なので、海外の連続ドラマを観ているような感覚で楽しめる。まずは二人の出会いから始まり、愛を確かめ合い、将来のために仕事と生活を組み立てていく。物語の後半には結婚や出産など、人生設計に関わる題材も描かれることになるのです。
タイトルに「ボニーとクライド」ってあるんだけど、決して凶悪な物語ではないですよ。むしろハートフルで、ずっーと二人を追い続けたくなるような気持ちになれます。
まず一番好きなのは、ルイーズ目線での語りですね、めっちゃキュートなんすよ。彼女はデルのことが大好きで、ふたりでの幸せを盲目的に信じてるんです。二人の将来のため懸命に生きてるんだけど、時に外部からの圧力で不安定になってしまうのです。
その意志の強さだったり、感情の起伏が丁寧に描かれてるんすよ。こんな女の子と運命的な出会いをしたら、一生かけて守りたくなっちゃいますよねー
そして何と言っても、二人の危なっかしさが魅力なんです。恋人のためを思った軽い気持ちが、想像以上の課題になったりするんすよ。最たるエピソードは「極寒」ですね。赤ちゃんに関する物語なんですが、気持ちはわかるが危なっかしくて見てらんないよ。
二人の純粋な想いがあまりに透明度が高いんですよ。思わず自分も若い頃を思い出しちゃいますね。恋人の前だと無理に大人ぶっちゃったりしてさ、よく失敗したものです。
またロードノベルってのも脳みそに優しい。彼らはニューメキシコ、カリフォルニア、ノースダコダなどを転々とするのです。装画イラストみたいに、アメリカ中部の荒野の道路に佇むイメージがなんともクールでした。いつまでも読んでいられる、温かく優しい犯罪小説でした。
■ぜっさん推しポイント
「女王さまのパーティ」の導入部分がめっちゃ強烈で大好き。
ルイーズがデルに対して結婚の意思があるかをしつこく確認するシーン。詳しくは読んで欲しいのですが、実は二人、それどころはじゃないんです!
ルイーズのあまりのめんどくせー女っぷりにドン引きでしたね~。でもそのくらい彼氏のことが好きなんだなってことがよくわかるエピソードでした。 -
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ワシントン・ポーシリーズ5作目 上巻
押花を添えた謎めいた殺人予告、監視体制下の毒殺、連続殺人事件の捜査をするはずが、ポー馴染みの病理医エステル・ドイルが殺人容疑で逮捕され…。
片や捜査の目をかいくぐる連続毒殺事件、片や密室殺人の並行する2つの事件を追って奔走するポー。ストーリーが気になるのはもちろん、仕事とはいえ2つの事件を股に掛け、フル回転すぎるポーの働きぶりに倒れやしないかと勝手に心配になる私(謎目線)
思うように操作が進まず苦悩するポーと変わらず支えてくれるティリー、そしてカムバックしたボス フリン。シリーズが進み登場人物も増えて、事件も最難解で残虐だけどこの3人の会話は互いに『わかってますよ感』があって、独特のテンポ感。シリアスな場面が続く中、重く詰まった空気を緩めてくれるような安心感がある。
上巻のオチはくすっと笑える落とし所。ボタニストの正体、密室殺人のトリックは下巻へ持ち越し。窮地のエステルを救えるのはポーだけ。
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ネタバレ冒頭の殺害シーンの猟奇性から、どうもヘビーな内容のようだと覚悟したけれど、捜査が進むにつれてどんどん悍ましさは増し、とどめを刺すかのようなラストが待っていて打ちのめされた。
ポーの独断はこれで正しかったのか、結論の出ない問題だと思う。でも出来ることを最大限やったポーの良心を支持したい。
自殺のチャレンジが現実にあったことだというのを知らず、私たちが生きる世界はなんと悲しいんだろうと思った。この小説だって恐ろしい殺人事件が引き起こされるけれど、こういった罠は至るところに存在するのかもしれない。
最初から最後まで飽きさせない展開で、三作目にして更にパワーアップしたかのような内容だった。優秀な人たちの仕事ぶりを追っていくのは単純に楽しいし、ポーとティリーの信頼関係が揺るぎないものになっていて胸が熱くなった。
四作目も読む予定。 -
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今作は、あの精神的にも肉体的にもタフなワシントン・ポーがカウンセリングを受けている場面から幕開し、「一体、何があったのか?」と一気に引き込まれた。
物語は、現在のカウンセリングと凄惨な事件の回想が行き来しながら進み、少しずつ全容が明かされていく。こうした構成はシリーズ初で、新興宗教や心理的アプローチが盛り込まれている点も、これまでの作品とは一線を画す。
特に注目したいのは、被害者の体に刻まれた難解なタトゥーで、『プリズン・ブレイク』を彷彿とさせる。
相変わらず癒やしをくれるティリーと、鼻持ちならないライナス、そして彼をポーがどう「料理」するのかも見どころの一つだ。上巻のラストで示唆される、恐ろしい「デスチェア(死の椅子)」の正体とは一体何なのか、下巻で明かされる事件の全貌を早く突き止めたい。 -
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ワシントン·ポーシリーズ5作目
ようやく読めた!
安定の読みやすさ、
ただ、登場人物は相変わらず多めだけど
登場人物表が付いていて 助かります。
栞にも使えるし、あっちこっちページをめくる事もなく読めて これは本当にありがたい✨
上巻冒頭、西表島から始まり 恐ろしいものが見つかったようで…何やら事件のにおい
パッと場面が変わりイギリスのグラスゴー
農薬を買う男
そして、またまたパッと場面変わり番組収録スタジオ。で、収録中に毒殺事件発生。
リズム良く展開して惹き込まれていきます。
父親殺しの容疑者となった
エステル·ドイルのために奔走する
ワシントン·ポー の姿がとてもかっこいい
2本立ての事件がどう展開していくのか
あら?そういえば、西表島の方は?
などと考えながら下巻へ。
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4作目のワシントン・ポーシリーズ。ジェームズ・ボンド強盗団、売春宿での変死、残されたラットの置物、サイバーハッキング、MI5による監視と妨害と先の読めない展開、そしてシリーズお馴染みの二転三転する展開も加わって…。
ポーの閃きとティリーの渾身的なサポートが絡み合い、謎解きが進み始めるのに合わせてこちらのページを捲る手もノッてくる。事件の全貌が見えてきた中盤以降のスピード感は、ポーやティリーにぐいぐいと腕を引っ張られているような感覚。
今作はぐっと厚みが増して更に重量も中々だけど無駄なページは1ページもなく、むしろ最初から最後まできちんと読ませる内容。会話のテンポ感も良いので最後までページ数の多さを感じなかった。
いやむしろ本は厚ければ厚いほど読み応えがあって嬉しいかもしれない。毎度先は気になるけどまだ終らないで…!と思いながら読んでいる気がする。
魅力的な登場人物が新たに増えたことで、スケール感も今までより一段広くなった感じがするし、このキャラクター達の属する組織や存在そのものがこの後のストーリーの伏線になったりするんだろうか。
血なまぐさい始まりからまさかの連続の終盤まで、しっかり作者の掌の上で転がされてしまった感があるけど、個人的には同シリーズの中で一番好きだった。きっと今後も更新されていくことだろうけど。
見知らぬ人から入手したケーブルには手を出さない、教訓としてしっかり胸に刻んでおこうと思う。 -
Posted by ブクログ
六年前に解決した殺人事件の被害者が生きていた──? 衝撃の事実から幕が上がる〈ワシントン・ポーシリーズ〉第二作。
巧妙な罠を仕掛ける犯人と、真相解明に動くポーたちの攻防から目が離せない今作。とあるタイムリミットがあることで地道な捜査時間に緊迫感が生まれ、先の読めない展開にどんどん夢中になった。逸る気持ちを抑えながら、証拠を探すようにしっかりと文章を読み込む時間はとても贅沢で楽しかった。
前作の『ストーンサークルの殺人』の後日談や捜査メンバーの関係性の変化など、シリーズものゆえの楽しみを作ってくれているところも良い。少ししっくりこない部分はあったものの、前作よりもミステリーの色が濃く感じられてとても好みだった。
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ネタバレハートの話題になったデビュー作。やはりじっくり読ませて厚みがある。
ジョン・ハートは1965年生まれ。
この本は2006年発刊 当然パソコンも携帯電話も出てくる。海外のミステリは、過去の名作、というのを最近読んでいるので、一気に今の世界に戻った。
分厚い文庫で600数ページ
ワークは弁護士の父が持つビルの中に、自分も事務所を持つ弁護士だった。
父親は極貧から身を起こして、今では町で知らないものはない最も裕福で、有能な成功者だと見られていた。
だが、家庭では低俗な見栄っ張りで、傲慢な専制君主だった。
ある夜、不幸な結婚から自殺未遂を繰り返す妹(ジーン)が、療養施設時代に知り合った女性と同棲していることを知った父が、それをとがめて争っていた。とめようとして入った母に、横に振った父の腕が当たり、母は階段から落ちて死んでしまった。
父は事故だったといいくるめ、家族もそれに同意した。
亡くなった母は病院に送り、父に言われるままに、妹はその後すぐ自分の家に、ワークは幼馴染の愛人の元に行き早朝自宅に帰った。
父に電話がかかり、出て行ったまま帰らなかった。
そしてそのまま父が失踪し、一年半が過ぎた。
仕事で法廷に入ろうとしたワークに、父が見つかったという知らせが入る。
父は胸と頭を撃たれて殺されていた。
事件の夜、ワークは自宅に帰り朝まで一緒にいた、という妻の証言も、彼を犯人でないとする根拠にはならなかった。
父の弁護士から聞いたところ遺産は莫大な金額であることがわかる。
父の遺言は当然それまで知らなかった。しかし仕事柄もあり、それは通らない話だと思われた。
ワークは自分が犯人ではないと断言できる。
そうなれば考えられるのは、不幸な星の元に生まれた妹のジーンだろう。
この妹だけは命に代えても救わなくてはいけない。
彼は、自分の無実を信じない(同業者を含め興味本位で情け容赦のない)人々の中で、数少ない協力者を頼りに捜査を始めるが、次第に追い詰められていく。
ハートの作風は、人物の行動の裏に、その心理がにじみ出るような情景(町の様子や細かいしぐさ)を書くことで、より読者の感覚を増幅させる。情感豊かな筆致で物語りに引き込まれる。
ストーリーは家庭の暗部で、他人に知られたくない部分を描き出す。主人公の父親の傲慢な生き方に縛られる家族の苦しみや、自分を見失いたくないというそれぞれの葛藤が、事件の解決に向かうにつれ、露わになり闇が深まっていく。
ワークは成長過程で味わい続けてきた、不合理な父の縛りから逃れ、妹とともに自立していく、家庭、家族の中のミステリでありながら、考えさせられる部分も多い。
他の登場人物も、重要な場面で心温まる役割をこなし、話を盛り上げ、解決に導いていく、とても面白く一気に読んでしまった。