東野さやかのレビュー一覧

  • ラスト・チャイルド 下

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    下巻に入り展開は早くなった、という感じではないもののしっかりとしたラストまでの流れが出来上がっていて、また刑事の捜査のパートも、妹の行方を追う少年のパートも心理描写もしっかりしていてじっくりと読みこめました。

    明らかになる真実は意外であるとともに、思い返すと伏線も張られていて非常によく、ラストもなかなか感動的。暗い感じであった話を見事に締めてくれました。

    誘拐事件解決というミステリーとしての面白さの中で、家族のつながりや友情、愛や信仰なども問いかけてくるミステリの枠に収まりきらない小説だと感じました。

    アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長編賞
    英国推理作家協会賞最優秀スリラー賞
    2011年版

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    2012年12月19日
  • ラスト・チャイルド 上

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    双子の妹の誘拐事件を機に家庭が崩壊してしまった兄ジョニーが妹を行方を捜すミステリー。

    作品全体に漂う雰囲気や、登場人物たちの様子がどことなく暗くそういう雰囲気の本が好きな自分には、どんどん引き込まれて行きました。

    父親が失踪し、母親はろくでなしの男とともに薬に溺れているにもかかわらず、妹を追い続けるジョニーの描写が巧みです。このような状況なのでなんとか強くなろうと頑張っているのですが、まだ13歳なため時折見せる子供っぽい口調や様子が、余計に深く響きます。

    この事件の担当の刑事のハントも事件にこだわり続ける様子や、家族との関係について苦悩する様子がしっかりと描かれていてこちらの描写も良かっ

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    2011年12月30日
  • ラスト・チャイルド 下

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    【レビュー】「謝りたい」と願う心は、内から湧き上がってくる綺麗なもの。それに対して「赦す」心は、そっと降りてくる啓示のように強さに満ちていて、ある時ふと訪れるもの。人と人の絆は、こうやって時間をかけてはじめて、紡がれていくものなのだな、と印象深く感じた小説。

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    2011年11月12日
  • ラスト・チャイルド 下

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     ジョン・ハート、3作目にして最高傑作。読み終えて、心底そう思えた。痺れた。

    家族とは? 友情とは? 愛とは? 生きていく上で避けて通れない様々な問題について、この作品はずばずばと問いかけてくる。

    主人公の双子の妹が行方不明になっている。関与した者、目撃した者、そして真相を突き止めた者、ラストにはそれぞれの胸中を想像しないわけにはいかず、読んでいるだけで息苦しささえ感じた。事件を通して描かれる様々な問題に、リアリティを感じたからかもしれない。
    作中に答えはあるのか? 
    登場人物がそれぞれの答えをみせてはくれる。しかし、それぞれの答えは異なり、読者は彼らと同じ苦悩を味わうことになるかもしれな

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    2012年05月13日
  • ラスト・チャイルド 上

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    誘拐された双子の妹アリッサ。
    彼女の誘拐をきっかけに幸せだった家庭は崩壊する。
    母と息子を置いて失踪した父。
    全てを失い酒と薬に溺れていく母。
    そしてそんな過酷な状況でも、妹の無事を信じ
    家族の再生を願う息子ジョニー。
    あまりにも儚く残酷な設定だが、信念を曲げないジョニーの姿に
    どこか救われる想いが生まれる。
    次から次へと出てくる一筋縄ではいかない登場人物たち。
    謎が謎を呼ぶ展開。
    まさに息つく暇なしのミステリーの傑作である。

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    2011年01月21日
  • ラスト・チャイルド 上

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    電車乗り越したぜぃ
    絵が見える、けど終わりは見えない!キングみたい。でも頭重苦しい感じは若干弱し。にしたって重い話なのにどっぷりつかっちまった。
    面白かった!

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    2010年10月02日
  • ラスト・チャイルド 上

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    ジョン・ハートの最新長編。期待に違わず面白かったです。
    一年前に双子の妹が誘拐され罪悪感と絶望で父親が失踪、支えを失い残された母は土地の有力者につけこまれて無気力状態。残された最後の子供(The Last Child)のジョニーは13歳の少年ならではの生真面目さで独自に妹の行方を捜し続けていますが、、、。物語は担当刑事ハントとジョニーの2人の視点から交互に語られて進行。前2作同様に設定はやるせなくつらく悲しく作品全体の雰囲気も重いのですが、今回少年が語り手であることもあってか、読後感は意外にも爽やか。読み終わってタイトルの妙に改めてうなりました。

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    2010年05月09日
  • キングの死

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    親子、夫婦、兄弟のわだかまりが、これでもかってくらいギュウギュウに詰まったお話。最後に明かされる真実は、ハリウッド的というか、米国映画的にキレイにまとまっております。お勧め。

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    2010年04月30日
  • キングの死

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    北上次郎氏お勧め本。絶対的権力者の父親の死によって、抑圧されていた自分を取り戻していく長男と妹。父親殺しの犯人として追い詰められていく長男。話の展開が見えずに、結構最後までドキドキした。読んでてストレス満載。長男がはっきりしない奴なんだ。だけどこの人の気持ちが私には良くわかるなあ。こういうはっきりしない性格は好きなんだ。この辺の好みでこの本の評価は分かれると思う。

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    2011年07月17日
  • ブラックサマーの殺人

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    ポーが殺人の容疑で捕まえて刑務所に送ったカリスマシェフのジャレド・キートン。しかし、そのキートンに殺されたはずの娘が6年ぶりに姿を現わす。しかもDNAも一致している。本当は殺人は起きていなかったのか?6年ぶりに現れた娘は本物なのか?という謎に挑むミステリです。
    1作目はフーダニットですが、2作目の今作はハウダニットものになっています。
    個人的は1作目より2作目の方が好きでした。

    キートンが保釈されるまでに事件を解決しなければいけないというタイムリミットがあるので、緊張感があってドキドキハラハラしました。

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    2025年12月22日
  • デスチェアの殺人 下

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    ネタバレ

    特に後半、短い章が変わるごとに今までの認識が覆され新たな事実が現れる。そして悲しい真実とそれに伴う犠牲にショック。このシリーズの魅力はティリーとポーの信頼関係による絶妙なる会話。再結成を次巻で期待してます。

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    2025年12月21日
  • ストーンサークルの殺人

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    ワシントン・ポーシリーズ1作目。
    ストーンサークルで起こる連続焼死事件の謎を追うミステリです。
    翻訳文体が苦手で海外小説には少し苦手意識があります。本書も最初は読むのに少し時間がかかりましたが、慣れるとスイスイ読み進められました。

    人気作品だけあって、とても面白かったです。
    なにより、ポーとティリーのコンビが良い。
    ポーは正義感が強く、時にはそれが行き過ぎてしまったり組織の事情に忖度しないことで厄介者扱いされることになるのですが、やっぱり正義を貫く主人公は好感度が高いです。
    ティリーを虐めている職場の奴にきっちりしっかり制裁を加える姿が格好良いです。
    天才的な頭脳を持ちながらもコミュニケーシ

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    2025年12月20日
  • デスチェアの殺人 上

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    トラウマ療法士にカラスの恐怖から9ヶ月前の事件を語る形で進んでいく。まずのっけから驚くポーと病理学者エステルの婚約。変わり者同士の結婚は名前がそうだから納得。そして相変わらず天真爛漫なブラッドショウに癒される。

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    2025年12月19日
  • デスチェアの殺人 下

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    いつもながら章が短く、最後に惹きつける一文があるため、ページを巡る手が止まらない。え!次回作はどうなるの?

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    2025年12月16日
  • ボタニストの殺人 下

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    ネタバレ

    射撃残渣の検査が陽性になった理由がわかってスッキリ。
    ボタニストが、シュタールを指名した理由がちょっと弱かったかなーと思ったが、最後の最後にポーが、ボタニストとシュタールの関係を明らかにしたところは鮮やか!

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    2025年12月11日
  • ボタニストの殺人 上

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    刑事ワシントン・ポーの第5作
    最初から日本の西表島が出てきてよかった!!
    (あんまり関係ないけど)
    被害者が亡くなる理由がわからず、謎すぎる。
    下巻も楽しみ!

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    2025年12月11日
  • ストーンサークルの殺人

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    直感でなんとなくこの人犯人っぽいなーと思う人物がいて、その直感は結果的に当たってはいたものの、動機や立ち回り方が全く予想外で1つ進展したと思ったらまた新しい謎が出てくるし、終盤まで展開が二転三転してずっと面白かったです。
    フリンやギャンブルなどの現実味のある人物がいてくれるおかけで、ポーの真っ直ぐすぎるくらいの正義感やティリーの世間知らずの天才ぶりがより引き立っていたように思います。

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    2025年12月11日
  • ストーンサークルの殺人

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    ミステリー書評
    読書レベル 中級
    ボリューム 582頁
    ストーリー ★★★
    読みやすさ ★★★
    トリック  ★★★
    伏線・展開 ★★★★★
    理解度   ★★★★
    読後の余韻 ★★★★★★!
    ※英国推理作家協会賞ゴールドダガー受賞
    一言書評:
    最後の余韻が最高!私は好みだったなー
    また、1パラグラフ(段落)が10ページ前後なので、読書時間があまりとれない時でも手に取りやすい!そして登場人物もしっかりキャラ立ちしているので感情移入もしやすい。

    敢えていうなら、そこまで重要ではないシーンも多く描写されているので少し長い、、、かなと。伏線部分、伏線でない部分とを描写すると仕方ないかもですな。

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    2025年12月08日
  • ブラックサマーの殺人

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    プロローグがとても好き。

    ポーが指名手配に?!
    ってとこから一気に加速していって、最後はきちんと解決してくれるのよね。

    ポーの仲間達がなんだかんだ力あわえて捜査してくれるところが愛おしい。

    犯罪内容は残酷なんだけど、あのチームを見てたらこの先が気になるんだなー!

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    2025年12月06日
  • グレイラットの殺人

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    Audible!!

    iPhoneやFacebookみたいな現代のツールが普通に出てくるのに、物語の雰囲気はどこかアガサ・クリスティーの古典ミステリーをぎゅっと濃縮したみたい。この時代感のズレがすごく面白くて、今の話なのにちょっと懐かしい、不思議な感じが味わえる作品でした。

    ポーとブラッドショーのコンビが二人でポワロの役割をやってるように感じたかな〜
    ポーの大胆な行動力や勘の良さと、ブラッドショーの柔らかさや天然のユーモアの組み合わせが絶妙で、二人が一緒に動くと、自然とポワロ作品っぽい空気が漂ってくる。
    一人の名探偵が全部こなしてた魅力を、二人で分担してるような感じで聴いていて妙に心地よかっ

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    2025年12月06日