東野さやかのレビュー一覧
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下巻に入り展開は早くなった、という感じではないもののしっかりとしたラストまでの流れが出来上がっていて、また刑事の捜査のパートも、妹の行方を追う少年のパートも心理描写もしっかりしていてじっくりと読みこめました。
明らかになる真実は意外であるとともに、思い返すと伏線も張られていて非常によく、ラストもなかなか感動的。暗い感じであった話を見事に締めてくれました。
誘拐事件解決というミステリーとしての面白さの中で、家族のつながりや友情、愛や信仰なども問いかけてくるミステリの枠に収まりきらない小説だと感じました。
アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長編賞
英国推理作家協会賞最優秀スリラー賞
2011年版 -
Posted by ブクログ
双子の妹の誘拐事件を機に家庭が崩壊してしまった兄ジョニーが妹を行方を捜すミステリー。
作品全体に漂う雰囲気や、登場人物たちの様子がどことなく暗くそういう雰囲気の本が好きな自分には、どんどん引き込まれて行きました。
父親が失踪し、母親はろくでなしの男とともに薬に溺れているにもかかわらず、妹を追い続けるジョニーの描写が巧みです。このような状況なのでなんとか強くなろうと頑張っているのですが、まだ13歳なため時折見せる子供っぽい口調や様子が、余計に深く響きます。
この事件の担当の刑事のハントも事件にこだわり続ける様子や、家族との関係について苦悩する様子がしっかりと描かれていてこちらの描写も良かっ -
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ジョン・ハート、3作目にして最高傑作。読み終えて、心底そう思えた。痺れた。
家族とは? 友情とは? 愛とは? 生きていく上で避けて通れない様々な問題について、この作品はずばずばと問いかけてくる。
主人公の双子の妹が行方不明になっている。関与した者、目撃した者、そして真相を突き止めた者、ラストにはそれぞれの胸中を想像しないわけにはいかず、読んでいるだけで息苦しささえ感じた。事件を通して描かれる様々な問題に、リアリティを感じたからかもしれない。
作中に答えはあるのか?
登場人物がそれぞれの答えをみせてはくれる。しかし、それぞれの答えは異なり、読者は彼らと同じ苦悩を味わうことになるかもしれな -
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ジョン・ハートの最新長編。期待に違わず面白かったです。
一年前に双子の妹が誘拐され罪悪感と絶望で父親が失踪、支えを失い残された母は土地の有力者につけこまれて無気力状態。残された最後の子供(The Last Child)のジョニーは13歳の少年ならではの生真面目さで独自に妹の行方を捜し続けていますが、、、。物語は担当刑事ハントとジョニーの2人の視点から交互に語られて進行。前2作同様に設定はやるせなくつらく悲しく作品全体の雰囲気も重いのですが、今回少年が語り手であることもあってか、読後感は意外にも爽やか。読み終わってタイトルの妙に改めてうなりました。 -
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ワシントン・ポーシリーズ1作目。
ストーンサークルで起こる連続焼死事件の謎を追うミステリです。
翻訳文体が苦手で海外小説には少し苦手意識があります。本書も最初は読むのに少し時間がかかりましたが、慣れるとスイスイ読み進められました。
人気作品だけあって、とても面白かったです。
なにより、ポーとティリーのコンビが良い。
ポーは正義感が強く、時にはそれが行き過ぎてしまったり組織の事情に忖度しないことで厄介者扱いされることになるのですが、やっぱり正義を貫く主人公は好感度が高いです。
ティリーを虐めている職場の奴にきっちりしっかり制裁を加える姿が格好良いです。
天才的な頭脳を持ちながらもコミュニケーシ -
Posted by ブクログ
ミステリー書評
読書レベル 中級
ボリューム 582頁
ストーリー ★★★
読みやすさ ★★★
トリック ★★★
伏線・展開 ★★★★★
理解度 ★★★★
読後の余韻 ★★★★★★!
※英国推理作家協会賞ゴールドダガー受賞
一言書評:
最後の余韻が最高!私は好みだったなー
また、1パラグラフ(段落)が10ページ前後なので、読書時間があまりとれない時でも手に取りやすい!そして登場人物もしっかりキャラ立ちしているので感情移入もしやすい。
敢えていうなら、そこまで重要ではないシーンも多く描写されているので少し長い、、、かなと。伏線部分、伏線でない部分とを描写すると仕方ないかもですな。 -
Posted by ブクログ
Audible!!
iPhoneやFacebookみたいな現代のツールが普通に出てくるのに、物語の雰囲気はどこかアガサ・クリスティーの古典ミステリーをぎゅっと濃縮したみたい。この時代感のズレがすごく面白くて、今の話なのにちょっと懐かしい、不思議な感じが味わえる作品でした。
ポーとブラッドショーのコンビが二人でポワロの役割をやってるように感じたかな〜
ポーの大胆な行動力や勘の良さと、ブラッドショーの柔らかさや天然のユーモアの組み合わせが絶妙で、二人が一緒に動くと、自然とポワロ作品っぽい空気が漂ってくる。
一人の名探偵が全部こなしてた魅力を、二人で分担してるような感じで聴いていて妙に心地よかっ