東野さやかのレビュー一覧
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ネタバレ3作目はやっぱり何を書いてもネタバレなので、たいへんうまくまとまっている、本書の前文より抜粋させていただきます。
ラスト・タウンについて
最後の町ウェイワード・パインズへようこそ。
シークレットサービスの捜査官イーサン・バーグは三週間前、アイダホ州ウェイワード・パインズにやってきた。この町の住民は誰と結婚するか、どこに住むか、どこに勤めるかを指示される。
子どもたちは町を創設したデイビッド・ピルチャーは神であると教わる。何人も町から出ることは許されない。質問をするだけで命が危ない。
しかしイーサンは知ってしまった。町の周囲にめぐらされた電気フェンスの外側には驚くべき秘密があり、フェンスは外のおぞましい世界から町を守るために存在していること。その秘密があるために、全住民は正気を失った男と彼を信奉する一団にすべてを管理されている。
フェンスを突きやぶられたら最後、力で劣る人類の生き残りなど、一瞬にして淘汰されてしまう。
以上抜粋。
スケールの大きなエンターテインメント小説でした。
冒険小説として、また恋愛的な要素もあり、ページを繰る手が止まりませんでした。
最後になりましたが、この物語の面白さを、このサイトで紹介してくださったフォロワーの方々にお礼申し上げます。
どうもありがとうございました! -
Posted by ブクログ
ネタバレウェイワード・パインズはどこにでもある田舎町とはちがう。フェンスの反対側には想像と絶する悪夢の世界が広がっている。ウェイワード・パインズで保安官に任命されたイーサン・バーグ。
ピルチャーのもとで働いていた女性アリッサが殺された。背反者たちが彼女を拷問して殺したとの情報が入る。
パインズの町での”祭り”以外の殺人は初めてだった。
過去に背反者だったイーサンが逆に背反者を取り締まることになる。かつての同僚であり愛人でもあったケイトに接触して調べるように命じられる。
そしてケイトとその夫が次の”祭り”の犠牲者となるのか。
ピルチャーは言う「ぜひとも楽しんでくれたまえ、私自身”祭り”は苦手だが、あれには抗しがたい魅力があるのはたしかだ」イーサンは、住民すべての家に電話を鳴らして呼びかけるが…。
それを”祭り”と呼ぶ、気のふれた神、ピクチャーらの世界。
イーサンはどうやって、この世界を救うのか。
そしてイーサンの妻テレサには、イーサンの知らないパインズで暮らした5年間の過去に何があったのか…。
続きが知りたくてレビューする前に『ラスト・タウン』を読みましたが、このシリーズを紹介してくださった、フォロワーの方もレビューされていましたが、全3作のうち2作目がやっぱり面白くかんじました。
起承転結でいうと承の終わりから転にかけてでしょうか。1作だけ読んだら、やめようとも思っていましたが、この話は3作全部読まないと終わらなかったと思います。 -
Posted by ブクログ
行方不明になっていたシークレットサービス捜査官のエヴァンズとケイトを捜していた特別捜査官のイーサンバークは交通事故に遭い、負傷したが、命からがら事故現場から逃げ出す。
偶然とどまった、ウェイワード・パインズの町の屋敷で、行方不明になっていたエヴァンズの死体をみつける。
外部と連絡を取ろうとするが、意識を失い、ウェイワード・パインズの病院に入れられて、そこから出してもらえなくなってしまう。
イーサンは外部の人間と全く接触できなくなってしまう。インターネットも電話も通じない。
町の保安官に車を借りることすらできない。
「おかしいのはこの町のほうだ」
ケイトが知らない家の主婦となっていて、イーサンのことを全く知らないという。が、問いただすとケイトはイーサンを実は覚えていた。だけど、ケイトは歳をとりすぎている。二十は上だ。イーサンが事故に遭ってまだ4日しかたっていないのに。
ケイトは「この町でだってすばらしい人生を送ることはできる」という。
イーサンは車を盗難してパインズを出ようと試みる。
しかしポープ保安官にみつかって止められてしまう。
ポープは言う「きみは芝居をしているんだよ。きみがエヴァンズを殺したんだ」
ウェイワード・パインズ 美しい地獄
ラストシーンでは、真実を突き止めたイーサンがどういう選択をするのか息をのみました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレさすがジョン・ハート。期待通りの人間小説、家族小説だった。この作品もやっぱりブルース・スプリングスティーンがBGMにぴったりくる。アメリカ白人文化の根底に澱む灰汁のようなものを、少し甘く切なさと苦さ多めに味付けした傑作。
【すごいネタばらしです注意】
主人公目線で物語が進むので、感情移入は主人公にしてしまうのだが、俺らの歳になると気になるのが、主人公の父親。腕っぷしが強くて、経営者としてそれなりに辣腕で、家族と友情を大切にするガンコ者…。でもなぁ、この男とてつもなく駄目なおっさんなんよなぁ。ミステリーとしての犯人は違うのだが、ようはこのおっさんが、もうちょっとシャンとしてたら、すべての事件は起こってないし、いざこざももうちょっと違う形になってたはずで…。
でも、この駄目な父親がすごく良く分かる、主人公以上に感情移入できてしまう。「うわっ情けな、うわっヒデー男…でも、そうする気持ちは分かるで」…俺も駄目なおっさんである以上、駄目なおっさんにシンパシー抱いてしまうのである。 -
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ブラヴォー!!!ブラヴォー!!!ブラヴォーーーーー!!!
もう10分間スタンディングオベーションです。拍手を止められません。
この『ウェイワード・パインズ』三部作。最高です。
なぜ、評価が☆5までしかないのでしょうか。はっきり言って☆8~☆9くらい付けたいです。
この三部作全体についての感想ですが、冒険小説として全ての要素が入っています。
神を目指した男の狂気
信念を曲げない男の悲哀
二人の男に愛された女の迷い
愛する女の為に極限の地獄から生き残ろうとする男の執念
そして、そんな人間達の努力などチリのように簡単に吹き飛ばし、強烈な絶望感しか生まない極限の環境
本当にこの三部作面白かった。
謎に満ち、驚愕のラストが明かされる第一作の『パインズ』、秘密を知った主人公の闘争を描く第二作『ウェイワード』、主人公の奮闘に対して禁断のリセットボタンが押されてしまう本書『ラスト・タウン』。
翻訳小説として、これほど心が躍り、肝を冷やし、希望を感じた本を読んだのは初めてかもしれない。小説全体としても考えても少なくともここ10年で読んだ小説のトップ5には間違いなく入る面白さでした。
いずれも約500ページというボリュームでしたが、どれも一気に2、3日で読んでしまいました。3冊通算でも1週間かからなかったのではないでしょうか。
ストーリーが面白すぎるし、どのキャラクターも際立っています。
そしてどの登場人物にも感情移入でき「これがもし自分だったらどうしただろう」と自問自答しながら読みました。
そしてネタバレになるので詳しくは書けませんが「男同士の決着の付け方」ってやっぱり最後は素手の殴り合いなんですね~。もうロマンしか感じません。
最後の崖の上でどちらが不幸かを競い合う男女の会話も泣けたな~。
そして99.99パーセントの破滅と0.01パーセントの希望を残した全く予想外の壮大過ぎるエピローグ。
もう、涙が止まりません。
ああ、この三部作を読んだ人同士で、三日三晩徹夜で語り明かしたいくらいです(笑)。
もちろん、本書をつまらなかった、期待外れだったという人もいると思います。
そういった意見の人も含めて「では、どうすれば良かったのか?あなただったらどうするか?」ということまで真剣に語り合いたいですね。人類の行く末を考える者同士として(これはちょっと大げさかw)。
この物語は制作総指揮者にM・ナイト・シャマラン監督を起用した連続ドラマ『ウェイワード・パインズ 出口のない街』も作成されたようですが、こちらは全く見たことがありません。ドラマのレビューなどを見ると小説とはだいぶ設定が異なっているようですね。まあ、この物語は小説のままで良いのではないでしょうか。特に本書のシーンは映像化するとちょっとグロテスクになりすぎると思いますので。
いずれにしても、この素晴らしい物語を語ってくれた著者ブレイク・クラウチ氏と翻訳者の東野さやかさんに感謝すると共に、最後にこの言葉をこの三部作に捧げたいです。
「このアメリカの片田舎の町『ウェイワード・パインズ』と『その住民達』に幸あれ」
と。 -
Posted by ブクログ
ねえ、ちょっと、待って。これ面白すぎるよ。
この作者のストーリーテリングのテクニック凄すぎ。
本書は『パインズ』の続編で「ウェイワード・パインズ」三部作の2作目なんだけどさ。
ふつう、三部作の2作目ってだれるし「なんかなぁ」って思っちゃうの多いけど、この『ウェイワード』はマジでヤバイね。面白すぎる。
『三部作の2作目が面白い本コンテスト』を開催したら間違いなく上位に食い込みます(笑)。
本書はあの1作目『パインズ』の衝撃のラストの2週間後から始まるんだけど、町の秘密を知った主人公のイーサンの行動がまた読者に迫ってくるものがあるんだよね。
この町の存在意義も分かるし、絶望的な状況であることも理解している。
それでも、イーサンにとっては「これは納得できない。間違っている」と思うこと、もう信念って言ってもいいかも知れないけど、それに基づいて行動する。これがカッコいい。
本書ではかなりの伏線が張られているし、さらに最後の『ラスト・タウン』でこの町がどうなってしまうのか?
のんびり読もうかなって思ったけど、もう待てません。すぐに『ラスト・タウン』読みます。
何かいてもネタバレになってしまうので訳の分からないレビューでスイマセン。
詳しく知りたい方はまず『パインズ』読んでね☆ -
Posted by ブクログ
あの『パインズ ー美しい地獄ー』の続編。三部作の構想の第二作。
前作の『パインズ』があまりにも衝撃的な展開だったので、続編では、もうこれ以上の展開は期待出来ないのではと思ったのだが、さらなる驚愕の展開が待ち受けていた。このシリーズは普通の海外ミステリー、冒険小説と思って読んだら、大間違い。なかなか面白いシリーズである。兎に角、前作を読んでから、本作を読むことをお勧めしたい。
山間の小さな町、ウェイワード・パインズの保安官イーサン・バークは女性の全裸殺人事件を捜査するうちに…
内容にはあまり詳しく触れないが、第三作への伏線と思われる描写もあり、早く、結末が知りたい。第三作が待ち遠しい。
2015年5月から『ウェイワード・パインズ』というタイトルでFOXチャンネルでドラマ化放送。 -
Posted by ブクログ
記憶を無くしたシークレットサービスの特別捜査官が、アメリカの田舎町パインズで目を覚ます。自分の名さえ思い出せない。しかも全身がやけに痛む。病院で少しずつ記憶を回復し、自分が捜査官だと思い出した彼は、町の保安官や住民に助けを求めるも、まったく要領を得ない。自分の身分を証明するものは何も無く、携帯電話もお金も無い。しかも外部と連絡が取れないし、取ろうとしても邪魔が入る。この町で過ごすにつれ、少しずつこの美しい町パインズが何かおかしいと感じてくる。何となくおかしい。何かが狂っている。
読者は本書を読み進めるにつれ、彼が本当に捜査官なのか、彼が思い出した記憶すら本当のことなのか分からなくなってくる。何がいったい真実なんだ。
駄目だ、これ以上は書くとネタバレになってしまう。
ただ、すごく面白い、まさに一気読みだった。
この本のジャンルの詳細を書いてしまうとそれもネタバレになるので、ものすごく大きく分けるとすれば「脱走・脱出もの」ということになるのかな。
筆者は幼少の頃、往年の傑作ドラマ『ツイン・ピークス』にはまり、自分でもこのような物語を書いてみたいと思い、20年間構想をあたためて本書を書いたそうだ。『ツイン・ピークス』と本書の話はまったく違うが、アメリカの美しい片田舎の町が実は・・・という感じは非常に似ている。
本作を読み終わるまで本作が3部作であることは知らなかったし、映像化されていることも知らなかった。この1冊で十分面白いし、完結している。でも、続きがあると知ったら読まずにはいられない。第二作『ウェイワード-背反者たち-』、第三作『ラスト・タウン-神の怒り-』、早速、読んでみよう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ遠田潤子を作品を読むと、この人はブルースを奏でるような小説を書くなぁと思う。で、ジョン・ハートだが、彼の作品にはいやブルース・スプリングスティーンを感じてしまうのである。
本作は彼の初期の作品。さすがにまだこなれていないせいか、「ラスト・チャイルド」「終わりなき道」に比べるとちょっと荒っぽいかな。それでもこの後の作品群に連なる「あがいてもどうにもならない不幸と向き合って生きていく悲しさと美しさ」というテーマは、本作にもしっかり流れている。
当たり前の話だが、小説家ってのも成長していくんだなと思う。この作品も駄作ではないが、やはり既読の、後に刊行された作品の方が、味わい深い。
「流暢にスピード感があって、ページを繰る手が止まらない!」…的な小説ではなく、むしろ読めば悲しくなったりツラくなったりするような描写が続いたり、情景描写も美しくなかったり、美しくても冷たかったり…。むしろページを繰る手が止まりそうになることも度々。でも、その気が重くなるような文章のリズムの中に小説のだいご味が隠されている。
重く流れるリズムに身をゆだねて、ジョン。ハート作品のだいご味を味わう。1冊読むとズシンと心に響くが、これもまた至福の読書体験なのである。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ病んだ現代アメリカ版の「トム・ソーヤの冒険」的ミステリー。とはいっても微笑ましいのはオオラスだけで、ずっとずっと重くてしんどい文章が続く。誰も彼もどの家族もが心のどこかに傷を負っていて、その傷がずっとふさがらないような、かさぶたが出来かけても湿ってる間に剝かれるような、なんともやるせない物語が続く。
主人公は1年前に双子の妹を失った少年、父親はその後疾走し、母は情緒不安定から薬物依存となり街の金持ちにDVされつつ愛人となっている。ぶっつぶれた家庭にあって、少年だけは妹を探し続ける。
もう一人の主人公が妹失踪事件当時、捜査を担っていた刑事。事件解決にのめり込むあまり家庭を崩壊させてしまい、警察内での評価も大きく下げてしまっている。
主人公たちだけでなく、登場人物誰も彼もが家庭や人間関係に問題を持ち、その問題に膿み疲れてしまっている。明るさも希望もない中で、新たな殺人事件、はては少女失踪事件が発生する…。
こんなどうしようもなくやるせない重たい話を上下巻700P読まされるのに、最後の最後に救いが見える。見事な伏線回収、謎解きよりも友情と再生の物語としての感動。読者の気持ちをしんどくさせる小説だが、読んで良かった傑作。できれば心に余裕のある時読む方が良いと思う。 -
Posted by ブクログ
ブレイク・クラウチ『ダーク・マター』ハヤカワ文庫。
ブレイク・クラウチの『パインズ ー美しい地獄ー』『ウェイワード ー背反者たちー』『ラスト・タウン ー神の怒りー』の三部作が思い掛けずに面白かったので、本書も手にしてみた。流石はクラウチ、三部作と同じように不思議で奇妙な設定で始まった物語は予測不能の展開を見せる。ミステリーなのか、SFなのか、はたまたホラーなのか…
物理学会の新星として期待された主人公のジェイソンは家族との暮らしを優先したことから二流大学で量子力学を教える身分に甘んじていた。或る日の晩、友人のパーティーに参加した帰り道に、謎の仮面の男に襲われたジェイソンは思いもよらぬ事態に陥る。これは現実なのか…
見事な着想とプロット。非常に面白い。 -
Posted by ブクログ
面白い。上下セットで100円で買ったが、こんなにコスパのいい買い物はありえない。
繋がりの薄いようないくつかの要素が終盤に向けて収束していく構成や家族、血をめぐるテーマは他作品と共通するところだが、今作は主人公が凄腕の殺し屋ということで、あまり活字でそういう種類のものを読んだことがなかったので不安もあったのですが序盤はほんと良作アクション映画を観ているようでハラハラしましたし、終盤はミステリーの面白さや家族というテーマの掘り下げに引き込まれと、著者と翻訳者の力量やはり高い。オチの部分で一つ個人的に大嫌いなことやっているのに、まあいっかと思えるほどに別の部分で感動や高揚を味わえました。