村井章子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ【内容】
本書によって、バブルや投機ブームがなぜ生じたか、当時の社会情勢を中心にして、示唆的な説明がなされる。名目上責任ある規制当局の人間が「風船を破裂させるのは簡単だが、針を刺して徐々に空気を抜くのはむずかしい」(p52)と考えていたこと、これが問題の本質を捉える言葉だと感じる。何らかの対処の必要性を感じる人間は、人工的に破裂させた場合、責任が明確になる。そして、誰もが責任を負いたくなかった。FRBは「自ら望んで役立たずにな」り(p62)、フーバー大統領は責任は政治的干渉を免れているFRBにあり、自分にはないと言い聞かせた(p54)。結局、投機への対処に法律どころか、警告すら発されることは無く、何かをやっていることを示すために、無目的会議が開催された。
社会レベルに目を転じると、投機ブームを支持した重要な要因は「時代の空気」(p275)であった。意外にも、1929年のピーク時に投機に加わっていた人間はせいぜい100万人以下しかいなかった(p132)。しかし、「アメリカ人の生活が株式市場を中心に回り始め」ていた。報道は株高が永遠に続くかのように楽観的なものであった。彼らは自らゲームの参加者になっており、水を差すような言葉は発しなかった。少数ながら投機への懸念を表明する人は、ほとんど注目されないか、「破壊工作員」として排斥されるかのどちらかであった。著名な学者ですら「株価は恒久的に続く高原状態(プラトー)に達した」(p120)と主張し、ハーバード経済学会は当初の見通しから転向し、下落が続く中でも「不況が起きる確率は無視出来る程度」と主張し続けた。
投機ブームへの免疫は時代を経るごとに少なくなっており、先の好況で投機のための貯金が潤沢に存在し、功名な経営者や学者に対する「無邪気な信頼感」(p276)が存在した。これらがブームを支えた。
【感想】
1929年になぜあのような大暴落が生じたか、それは当然ながらその前の投機ブームに影響がある。本書ではその原因を基本的には「時代の空気」という社会的要因に求めている。「経済は基本的に健全である」といった、国民を安心させようとする発言を、主要な経営者や著名な経済学者、政治家の発言を引きながら、当時の状況がいかに麻痺し、浮かれていたかを示すことには成功していると思う。また、筆者の筆のうまさからか、読み進めるのは楽である。
この株価大暴落がなぜ3年も続いたのか、最終章で⑴所得配分の偏り、⑵企業構造、⑶銀行システム、⑷対外収支、⑸専門家の経済知識、から少し説明している。しかし、なぜ株価大暴落が実体経済へ影響を与え、ひいては大戦の要因ともなる近隣貧窮化政策(通貨切り下げ競争)を向かえるに至ったのか、その説明に関しては米国の社会状況を描くだけでは全く不十分だと感じる。非主流派経済学者でで社会的要因を組み込み、経済を説明することには興味がわく。大暴落以後、世界構造が変化たことを鑑みると、本書内容では、他のバブル(欧州通貨危機や1997年アジア危機、日本のバブルなど)と大暴落がどう違ったのかそれが分からない。
でもよく考えると、タイトルのThe Great Crashは当たったときの衝撃が如何に凄いかを示唆しており、The Great Depression(恐慌の中身について)とは言ってないのか。
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Posted by ブクログ
時間軸(過去、現在、未来)×(既知、未知)で分析で何ができるか表現したところはなるほどと思った。例えば、現在・既知だったらアラート、現在・未知だったらレコメンデーション。分析の目的を考える上で、参考になるフレームワークだ。
分析でカギを握るのがDELTA(D:データ、E:企業レベルでの取り組み方、L:リーダーシップ、T:対象、A:アナリスト(人材))だというモデルも優れていると思う。だが、結局のところ分析の成熟度が上がるにつれて、局所的なものから企業横断的なものが必要になってくるという話で、論調が単調になり、若干飽きた。
『BI革命』はこの本の影響を受けているように感じた。時期的に原著かもしくはダベンポートの前著に影響を受けているのかもしれないが(まさか逆の影響関係ってことはないだろう)、日本的にわかりやすく解説してくれているので、さらっと読むのであれば『BI革命』の方がおすすめ。 -
Posted by ブクログ
市場があやしい雲行きになったときの常套句、すなわち「経済は基本的には健全である」とか「ファンダメンタルズは問題ない」というものだ。この台詞を聞かされたら、何かがうまくいっていないと考える方がいい。
そもそも人間は知っていることばかり話すのでもなければ、知らないことばかり話すのでもなく、知っているつもりだが実は知らないことを話すことが多い。
「夢を失ってはいけない。夢が無くても死にはしないが、もう生きてはいない」マーク・トウェイン
予言を外した予言者は惨めである。外した理由を説明したくとも、その大事な瞬間にもはや聴衆はいない。
人間は確信が持てないときほど独断的になりやすい。
自社株買い>1929年>自分で自分を騙す