村井章子のレビュー一覧
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本棚を見ていてふと気になり再読。
アメリカ人ってある意味凄い、何ら変わらんもんね。やってみて駄目ならやり直すしかないでしょ的な発想、この志向に資本主義は確かにマッチします。痛い目に合う時は容赦ないけれど、それも呑み込む共通認識が社会に備わっている気がするな。だからこういう過去の教訓があっても同じことを何度となく繰り返す。うん?日本も違う意味で同じかな?
ところで実はトランプという人は意外に経済という観点でアメリカ的にはダメな人かもしれない。とにかくアメリカに拘っていて、何でも良いからガンガン行くという能天気さが実のところ薄い感じがしなくは無いと思うのですが。 -
Posted by ブクログ
リーダーシップの定説に対するアンチテーゼを紹介している本。サーバントリーダーシップ、謙虚なリーダーシップなど巷で持て囃されている理想のリーダーなどは、現実には存在しないと、筆者は断言する。
むしろ、ナルシスト、社員への冷徹な姿勢、部下への約束を守らない、といった行動が合理的になっているのである。
特に面白かったのは、ナルシストなリーダーが多いことだ。出世の階段をだれよりも早く駆け上がる為には、自分の成果を周囲にアピールするプレゼン力が必須になる。ナルシストであれば、自分のアピールはお手もので、出世へと繋がる。一方で、謙虚な人は自分の成果を卑下する傾向があるため、周囲からの評価が低くなりがちである。このため、リーダーは往々にしてナルシストで自己中心的な人物になってしまう。
この本を読めば、リーダーはナルシストで
めっちゃ仕事できる人という認識に変わるはず。 -
Posted by ブクログ
数学や物理学をはじめ、いわゆる「科学」と呼ばれる学問は、理論を構築するにあたり必要な公理系(または実験的事実に基づく法則)を基礎として演繹的に構築していく。
翻って、経済学はどうであろうか?
確固たる基礎を持っているのだろうか?
よく理論経済学の論文なんかで登場する効率的市場仮説(EMH)やホモ・エコノミクスを仮定しているが、これは本当に人間の行動をうまくモデル化していると言い切れるのだろうか。
金融工学をはじめとした数学的に経済を分析する、ということが近代経済学の主流であることは疑いようがない。
Black-Scholes方程式からデリバティブのプライシングをするとなんかカッコいいし笑
本書は、この徹底的に定量化され、人間が数値に落とし込まれる現在の経済学をもう一度再構築することを目的とする。
では、再構築するときの土台となるのは何か?
人間の心の部分である。
では、人間の心となる部分は何か?
宗教である。
本書は、さらに宗教を古典にまで還元している。
ギルガメッシュ叙事詩や旧約聖書にまでさかのぼり、人間の経済的な活動の起源を求めている。
正直に言うと、この部分はあまり受け入れられなかった。
というのも、少々話をこじつけすぎではないか、と感じることが多かったからだ。
これはひとえに、宗教的なバックグラウンドが不足しているからかもしれない。
日本人がMax Weberの「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」を読んでもイマイチぴんとこないのと同じ現象であるように思える。
本書がヨーロッパでベストセラーになっていることを鑑みると、ヨーロッパの哲学や宗教(および古典)に対する知的水準が高いことが見て取れる。 -
Posted by ブクログ
『機械との競争』を著したエリック・ブリニョルフソンとアンドリュー・マカフィーのコンビによる著作です。内容は前著と同じですが、前著は小論といった文量であったところ、本作はより詳細かつ網羅的・構造的に書かれているため、前著の完成版と位置付けることができます。あるいは、前著は本著のダイジェスト版とも言えます。また、本著は前著の前提知識を必要としません。
コンピュータを中心としたテクノロジーが社会に影響を与える「セカンド・マシン・エイジ」においては、2つのべき分布が存在します。一つはムーアの法則でよく知られた技術の発展の度合いであり、もう一つは所得分布です。
べき分布はどの区間を取っても同じ線形を見せ、微分して傾きが1の所に立つと、後ろはほとんど平坦である一方、前はほとんど垂直の崖のようです。そのため、過去を振り返ってもほとんど変化が起きなかったように思えるのに、控える未来は急激に変わることが予想されますし、その急変の内容は容易に予想できません。所得分布については、セカンド・マシン・エイジにおいては高スキル労働者の需要が高まり資本家の力が強くなりますが、それよりも重要な事象は、限界費用が限りなくゼロに近づくことやグローバル化、ネットワーク効果などが相まって勝者総取り(スーパースターの台頭)になることです。実際に、アメリカにおいては1人あたりGDP平均と所得中央値は1975年ごろまでは歩調を同じくして上昇しているものの、それ以降は平均値は上昇し続けていますが中央値は横ばいあるいはやや下降しています。
このような時代にあっては、政策は何よりも教育に重点を置くこと(そして個人としてはとにかく勉強すること)、加えて法整備により起業のしやすさや知財関係を整えること、負の所得税のように最低保障と労働インセンティブが共存する再分配をすることが求められます。そして、「機械は人から労働を奪うか?」という問いに対しては、「機械とペアを組む」ことが解であり、そのための教育が特に求められます。 -
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「機械との競争」の続編にあたる本書、前著ではテクノロジーの進化は雇用を減少させ所得格差を拡大させている。そしてその指数関数的な進化は今後、良い面、悪い面を含めてより一層の大きな変化をもたらすと説き未来への警鐘を鳴らしていましたが、楽観的に考えを変えて書き直したように感じる本書です。
タイトルの「ザ・セカンド・マシン・エイジ」もエネルギーを自由に操れるようになった産業革命後の時代を「ザ・ファースト・マシン・エイジ」として、かつて人間の肉体的パワーを機械に代替させたように今度は頭脳パワーを代替させるとしてのネーミングです。
現在進行中のテクノロジーの事例を紹介し、その後の格差などの経済の動きを考察し、前回同様政策提言などを行うも、教育、起業支援、科学振興、インフラ整備、税制や公共事業などは月並み、結局は個々に考えを変えていくしかないようです。
GDPの限界という章で、無料のモノやサービスの氾濫はユーザにとってはありがたいが、その分だけGDPは減るとの論考はとても興味深い、ある意味これも労働者が回りまわって自分の首を絞めている構図と言えなくも無い。 -
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ネタバレヨーロッパは、政治的にばらばらで団結できずにいるせいで、金融システムの不安定性と不透明性に対して脆弱になっている イギリスの労働人口の生産性の低いのは、教育制度に投じる予算が少ないことと、貴族政治時代をひきずる顕著な階層化に大きな原因がある よい税金とは、政府支出の財源を提供し、公平かつ累進課税であって、個人と企業にできるだけ干渉しない税である ドイツ人の遺伝子にナチズムがないように、ギリシャ人の遺伝子も怠け癖はない フランスは、自国の税制・社会保障制度の改革や近代化ができないうえに、公的債務の共同管理に関して具体的な提案すらできないという無能ぶりをさらけ出している どんな国も年1~1.5%以上の成長を維持することはできなくなっている 産油国では、一握りのこの天から授かった資源の不当に大きな分け前を独占し、大多数の国民、とりわけ女性や移民などは、半ば隷従状態にある